半藤末利子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いつもどおりの辛口エッセイで、安心する。なかでも辛口が冴えているのは、漱石のドラマをめぐるNHKについての2つのエッセイ。あとがきには、本書が「毎度おなじみちり紙交換のようなもの」とある。自分にも辛口だ。
もちろん、烏合のカラスや家の解体工事見物、雨宮塔子さんや竹下景子さん一家が登場する日常のエッセイもある。でも、今回目立つのは、ご近所や知り合いで亡くなる人をめぐるエピソード。そして最後は、夫 半藤一利氏のことを綴ったエッセイ。これが本書のハイライトだろう。
本書を読んでいた時ちょうど、和服姿の半藤末利子さんが「徹子の部屋」に出ていた。祖父の漱石に始まり、最後は一利氏のことを話していた。一利氏 -
Posted by ブクログ
2021年に亡くなった夫の半藤一利氏が、亡くなる2年くらい前に、「あなた(末利子)の今まで書いてきたエッセイの中から、夏目家のことを書いた作品だけを選んで1冊にまとめてみたら面白いのではないか」と勧めてくれたことがきっかけで出来上がった1冊。
半藤一利氏の想いと、その言葉を遺言と思って大切にあたため、ついに叶えた末利子さん自身の想いが詰まっている。
末利子さんは、夏目漱石の孫に当たるが、漱石は大正5年に亡くなっており、末利子さんは昭和10年の生まれだから、直接には漱石を知らない。
夏目家のエピソードの多くは、漱石の長女である、母・筆子さんから聞かされた話や、親戚の人たちとのお付き合いの中で積 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏目家のそれから
著者:半藤末利子
発行:2024年2月9日
PHP研究所
初出:文春文庫、PHP文庫、新潮文庫ほか
著者は夏目漱石の長女である筆子と作家の松岡譲の子、すなわち漱石の孫である。彼女も作家(エッセイスト)であり、夫はこの100年の生き字引(故人だけど)であり、小説家でもあった半藤一利。『夏目家の糠みそ』を書き、母親が漱石の家から嫁に出る時に持ち出した糠が分けられて著者も使用し、さらに分けられて有名人を含む何人かの家で漬物に使われていることが、世間に知られた。僕もそれぐらいしかしらず、書籍でまとめて著者の作品を読むのは、おそらく初めて。正直、下手くそだなあと思った。
日本語そ