朔ユキ蔵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作家さんは『EROTICS f』誌上の『黒髪のヘルガ』を読んで知っていたのだけど、単行本を手に取ったのははじめて。
『ヘルガ』のときははっきりと意識しなかったけれど、このマンガを読んでいてよくよく感じたのは、「朔ユキ蔵の描くキャラクターたちの、この憂いを帯びた目元、というか眉毛がいいなー」ということ。
ある強力な思想に先導されながらも、自分たちが胸に抱える煩悶は、自分たち自身で解決へと導かなくてはならないということ──まさにそういう人のこころをテーマにした作品として、仏教以前に宗教、それどころか哲学すら信奉するところのない人間が読んでもたのしめた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私にとって大ヒットなマンガに当たりました。久々に感想書きたくなったくらい面白いマンガでした。お坊さんの悶々ライフの描写がよいですが、それよりも、とくに気に入ったのが、一見清楚なヒロインが実は憎しみ、妬み、嫉みまみれで、そういう黒い想念にさいなまれ、むしばまれると、ぽたぽた、ひょこひょこ、ぽろぽろと小さい餓鬼?ミニ魑魅魍魎?を身体のあちこちから発生させるさまが強烈でした。かわいい顔して、黒い気持ちとか邪な気持ちを垂れ流してて、それが読者にはダダ漏れに、さとられ的に見えるとこが面白いです。気持ちの独白がないときも餓鬼がみえると、この人、かわいい顔して、しらっとまた邪なこと考えてるなぁ、とほほえま