村尾泰弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあえてカテゴリーを「コンサルティングのノウハウ」としました。
家裁調査官、というお仕事があります。離婚や少年犯罪が起きた場合、いろいろな対処が考えられます。
少年犯罪の場合だと、有罪、無罪にあたる判断のほか、「現状のまま様子を見る」「親や不良仲間と引き離して様子を見る」などいろいろな対応が選択しに上がるそうです。
実情の調査を基に真実を解きほぐす、家裁調査官。それに必要なのは高度なカウンセリング能力と聞き取り力。経営コンサルタントと全く同じです。
どうして感情はもつれるのか。どうやったら人は変われるのか(本書では、犯罪や薬物からどうやって脱却するかとして描かれます)。
コンサルティングのヒント満載です。
例えば…
「オレがこうなったのもお前(親)のせいだ!」と家庭内で暴れる息子。調査官のアドバイスは、「そのセリフを言いたくなったら『どうしていいかわからない』と言い換えて」というものでした。それで親子ともストレスが激減したそうです。
また、昔と違って子育ての参考にできる「お隣さん」がいない状況だと、「子供が生まれて初めて赤ん坊に接する」(近所に接することのできる赤ん坊がいれば事前にこんな感じ、というように理解する機会もあるが現実は少ない)「1対1で向き合うしかない」(誰かに預かってもらう、などのオプションが少ない)。その結果、親からみた子供、子供から見た親との関係は深く濃密になっていく。そして…親離れ、子離れがスムースにいかずトラブルになりがち、と。
良書です。 -
Posted by ブクログ
「同じ現実であっても、その人が生きる物語によって、意味は大きく違ってくる」という一文が、強く印象に残った。
私はこれまで、自分の育ってきた家庭環境を「父親が機能していなかった家庭」「その結果として母子の密着が生じた家庭」と理解してきた。事実としては間違っていないが、本書を通して、その現実をどのような物語として生きてきたのかについて全く意識してこなかったことに気づいた。
ナラティブセラピーや解決志向アプローチの考え方は、問題を誰かの責任にするのではなく、同じ現実であっても意味づけが変わることで、未来の選択肢が広がり得ることを示している。育てる親個人の問題ではなく、家族全体が背負ってきた関係性やシステムに目を向ける視点は、これまでの私にはなかったものだった。
さらに本書を読み進める中で、私たち夫婦の関係性についても考えさせられた。私は父性的な役割を、配偶者は母性的な役割を担っており、それぞれが育ってきた家族システムへの適応の結果として、現在の関係性が形作られているのだと捉え直すことができた。
家族システムのしがらみは、意図せず次の世代へと継承されていく。本書を通して、その連鎖を断ち切るためには、親のどちらかが正しくあろうとすることではなく、夫婦が結束し、同じ方向を向いて歩んでいくことが重要なのだと感じた。私たち夫婦もまた、子どもに同じしがらみを引き継がせないために、結束していきたいと強く思った。
家庭裁判所調査官の仕事を知る一冊であると同時に、家族を見る視点、そして自分自身の生き方を問い直す一冊であった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ20160718リクエスト
家裁調査官が見たこと知ったことより、臨床心理士でもある著者の
ロールレタリング法の解説のほうが印象に残った。相手に投函はしない手紙を書き、しまっておく。2.3日後、その手紙を相手になったつもりで読む。そしてその相手の気持ちで、自分あての手紙を書く。2.3日後、自分で読み返信…
相手が亡くなっていても、対話の出来る方法。
激情のぶつけ合いから冷静に事態を見つめられるようになり、やがて相手を受け入れる、あるいは自分が相手に受け入れられる、という変化に気づくときがある。
ロールレタリングにより、相手の背景を理解できるようになる。
やったことあるのにうまくいかなかったのは、何度も繰り返し、変化が訪れるまでやっていないからなのか?
とても為になる本。