小口日出彦のレビュー一覧
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情報参謀
著:小口 日出彦
講談社現代新書 2377
自民党政権奪還のための情報参謀の話
生きたデータ分析基盤と活用の教科書のような書
おもしろかった
気になったのは以下です
自民党大敗の総選挙結果をデータだけで80%超的中させた分析がきっかけに、自民党本部の情報分析会議が始まる
メタデータとは、ある情報の構成要素となっているデータのことを示す。
データのデータである。SNS上での「安倍晋三」が、メタデータである
情報の趨勢を分析していればきかなくても、政治的情勢がわかるーこれはきわめて当たり前の古典的な原則だと思う
民主党は、昼間の時間帯を中心にCMを流した。昼間のターゲットは、 -
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【流れを読み作る人】自民党が野に下ってから党勢を改めて軌道に乗せるまで,党の「情報参謀」として汗を流した著者の経験を記した作品。世論を味方につけるためにはいかなるデータを集め,それをどう活用すれば良いのかを徹底的に考え抜いた日々が綴られています。著者は,日経ベンチャー編集長,日経E-BIZ編集長等を歴任された小口日出彦。
映画化もされた『マネーボール』の政治・選挙版といった印象を受けた一冊。勘や経験がモノを言わせていた選挙の世界に,データや統計といった乾いた情報を持ち込み,それらがいかに影響を与えたかを考察する上で欠かせない作品だと思います。
〜支持するか支持しないかは別として,世論は「前 -
Posted by ブクログ
自民党が民主党に政権を取られたときから政権奪取を実現するまでの4年間で自民党の広報戦略を参謀さながら陰から支えたよという本
テレビやネット、SNSの情報を人力・システムの両面で総チェックをかけ、報道やネットの話題を逐次追跡。自民党の広報戦略として深い分析や示唆を与え続ける。
平田、小池、平といったなんとなく見聞きしたことある政治家の方もちらほら。
インプット、プロセス、アウトプットの全肯定にビジネスの特異性・専門性を感じるセクシーさがある。
・あまりにも泥臭く他では入手できないデータ生成(交代制で担当者をつけてテレビを24時間ウォッチ)
・過去のデータ収集・分析結果の蓄積で醸成された分析 -
Posted by ブクログ
自民党が大敗して政権を失った2009年夏の総選挙直後から、2013年夏の参議院議員選挙に勝利して政権を完全に奪還するまでの4年間、同党の「情報参謀」役を務めた著者が、自民党が政権奪還に向けて行った戦略的な情報分析活動について、政権奪還にいたる4つのフェーズ(第1フェーズ(2009年秋~2010年7月参院選)、第2フェーズ(2010年秋~2011年夏)、第3フェーズ(2011年秋~2012年12月衆院選)、第4フェーズ(2013年1月~7月参院選))に分けて、その全貌を明かしている。著者は、本書で明らかにしたいことは、「政治に、テレビやネットの情報の分析が組み込まれ、人びとの小さな行動の集積が大
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2009年に政権の座を奪われた自民党が政権を奪還するために、どのようにIT・インターネットを活用したのかという情報戦略を、その中枢に外部コンサルタントとして活動した著者が明らかにする。
インターネットを用いた情報戦略はアメリカ大統領選におけるオバマ勝利を導いた要因として話題になっていたが、実は日本においてもここまでの緻密な戦略が実行されていたという点にまず驚きつつ、ITの利点である施策の展開とその評価、そして次の計画への反映までを極めてスピーディーに展開していくプロセスは、IT利活用の模範例とも言え、企業活動への応用を意識して読むのも面白い。 -
Posted by ブクログ
表題からは、過去あるいは現在の軍やインテリジェンス機関の話かと思うが、全く違う。
著者が、国政選挙結果予測を出口調査によらず、インターネットやマスコミ報道の分析して80%当てたことを、そのときの選挙で下野した自民党が聞きつけて、筆者を呼びつけたことから本書は始まる。そして著者を、テレビやネットの情報分析させて行動を提案する「情報参謀」‥こういう役職名ではないが、‥として働かせるのである。
ニコニコ超会議に参加したり、FBやtwitterなどネット活用では自民党が他党に先んじたのは、筆者らの仕事の結果である。
野党時代に自民党が何をしていたのか、自民党の仕事の進め方などもわかって、たいへ