コルシカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
異なる思想を持つ10人の考え方にどれも共感する部分があり、読む前に漠然とあった自分の考えが何度も揺さぶられるような思いで一瞬で読み終わってしまいました。
自分の考えが誰に近いかポジション取りしながら読み進めると、その考えを強固にする例えが出てきたり
途中で思わぬカウンターパンチをくらったりと、どこまでも主体的な哲学書のようで面白かったです。
広く色んな方にオススメ出来る本です。
ライター、ラジオMC、youtube企画等で元々ファンだった者で品田遊名義の作品は今回初めて触れましたが、別の作品にも触れたくなりました。端々に本人の色が出ているような、書いている本人にも10人それぞれの主張を肯定す -
Posted by ブクログ
本の分類としては小説にあたるのかもしれないが、内容的には哲学に関することで一般的な小説と哲学書の中間というような感じだった。小説ほど読みやすいというわけではないが、哲学書ほど読みにくさを感じることも無く、哲学にちょっと興味はあるけど知識は殆どない自分のような人間にはピッタリの本だと思う。
それぞれの主義に則ったキャラクター達の会話によって話は進んでいくので、1つの考え方だけでなく複数の考え方を意識しながら読み進めていくことが出来るのも良い点だと思う。正しい・正しくないが存在しないからこそ、多くの考え方・意見を知ることが自分自身の考え方をより深めてくれると思う。
この本を読んだ自分ではない他 -
Posted by ブクログ
悲観主義者や楽観主義者、懐疑主義者などの様々な思想を持った10人が魔王の命により「人類を滅ぼすべきか否か」を話し合うというほぼ会話文のみで構成された物語。
「人類を滅ぼすべき」という一見荒唐無稽な主張は道徳的に突き詰めていくと腑に落ちる所があって面白い。
読み口はライトだけど真摯に頭を働かせて、疑問に思ったり納得しながら、自分も議論に参加してる気分で読むほど楽しい読書が出来る様に思う。
「人を生む」という特異な罪に対する罪滅ぼしが「生まれてよかった」と思わせる事だという主張に、常に理路整然と論じてきた反出生主義者が「グロテスクな話だ」と感情的に吐き捨てる所にときめき(?)を感じた笑
読者が -
Posted by ブクログ
反出生主義について、人類を滅ぼそうとする魔王に人間たちが滅亡するべきかしないべきか話し合ってプレゼンする、という形を借りながらさまざまな立場からの意見を学べる本。
そもそも反出生主義について名前くらいしか知らなかったのだけど、「実存」に対する反出生主義と「道徳」に対する反出生主義がある、というのが興味深かった。
これは一応小説ということにはなっているけど、ほとんど哲学書だと思う。人類の滅亡に賛成する側、つまり反出生主義側の意見を読むのは、子供を1人この世に生み出した側としては色々考えさせられるものがあった。
個人的には、子供を世に生み出すという行為は10000000%親のエゴだと思う。その子が -
Posted by ブクログ
ネタバレ哲学ってあまり得意ではなかったけど、すごくおもしろかった!!
THE・ロジックって感じ。
だんだん内容の抽象度が上がり、ついていくのが大変になっていくけど、何度も何度も読み返してぎりぎり理解の糸をつなげていく感覚。受験勉強で数学の難しい問題の解説を読み進める感覚に似ているw
感覚として違いそう…?と思っても、ロジックの穴を突くのがなかなか難しい。
そんな中で全然違うロジックで判断基準を保ち続けているホワイト恐るべし。
自身の信念として信仰を持っている人にロジックが通じないことがあるってこういうことなんだなぁと。戦争がなくならない理由の一端をはからずも感じてしまった。
あとは、道徳って方針で