コルシカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『名所非設定ファイル』を読んだあとこの本を知り、タイトルに惹かれ読みました。
人類は存続すべきか否かについてディベート形式で討論されていき、反出生主義について様々な視点から話し合いが展開されていく。人物ごとの性格や考え方がそれぞれわかりやすく、展開が先に進んでも読みやすかった。
幸福で不幸を帳消しにはできない
ハエの混ざったスープで例えると、一匹のハエ(不幸)がスープ全体(幸福)を台無しにさせる
未来の人類は現時点では存在しないため、これから生まれるであろう未来の人類は無と捉える
→未来に訪れる不幸の回避とも解釈してできる
出生した子は将来不幸になったり他人を傷つけたりする可能性があるため出生という行為はこの上ない悪であり、出世は道徳的に相応しくないという反出生主義の考え
しかし出生は無から有にさせる特殊な行為であり、その罪を償う明確な手段がない。
そのため、出生は善か悪なのか区別するとは別の領域で捉えないといけないのでは?
道徳を守る事が目的ではなく、幸福を追求し不幸を回避する可能性をできるだけ高めるための手段にすぎない。
道徳に反しても自分にとって最善の選択をするいうグレーの思想は一般論化してはならないが、個人にとっては合理的ではあると個人的に感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読んで、やっぱり自分の反出生主義の価値観は変わらないなーって思った。
反出生主義は単なるニヒリズムではなく、道徳とかロジックがベースにある価値観なのはわかってる。
でも同時に若干横暴で極論っぽい側面があるのは理解している。
そこでグレーが途中に言ってた、
論理的に導き出された道徳と、実社会の道徳血管会議があって、でもみんなそこを曖昧にして生きている。
っていう主張が味噌になるなーと感じた。(ここら辺うまく言語化できないけど…)
議論が混乱してややこしくなる理由って、大体の場合、人それぞれ前提や、根底にある価値観が違ってるからだと思う。でもそれをいちいち説明する時間もないから、議論がうまくまとまらないのかなーって思った。この本に限らず世の中起きている「議論」全般に言えそうなことだけど。
自分はやっぱりブラックの意見に最も賛成できるかなー。
あと個人的に、グレーが時々仲裁ポジションで話をまとめてくれてわかりやすかった。 -
Posted by ブクログ
異なる思想を持つ10人の考え方にどれも共感する部分があり、読む前に漠然とあった自分の考えが何度も揺さぶられるような思いで一瞬で読み終わってしまいました。
自分の考えが誰に近いかポジション取りしながら読み進めると、その考えを強固にする例えが出てきたり
途中で思わぬカウンターパンチをくらったりと、どこまでも主体的な哲学書のようで面白かったです。
広く色んな方にオススメ出来る本です。
ライター、ラジオMC、youtube企画等で元々ファンだった者で品田遊名義の作品は今回初めて触れましたが、別の作品にも触れたくなりました。端々に本人の色が出ているような、書いている本人にも10人それぞれの主張を肯定する部分があるのではと想像しながら読ませて頂きました。 -
Posted by ブクログ
悲観主義者や楽観主義者、懐疑主義者などの様々な思想を持った10人が魔王の命により「人類を滅ぼすべきか否か」を話し合うというほぼ会話文のみで構成された物語。
「人類を滅ぼすべき」という一見荒唐無稽な主張は道徳的に突き詰めていくと腑に落ちる所があって面白い。
読み口はライトだけど真摯に頭を働かせて、疑問に思ったり納得しながら、自分も議論に参加してる気分で読むほど楽しい読書が出来る様に思う。
「人を生む」という特異な罪に対する罪滅ぼしが「生まれてよかった」と思わせる事だという主張に、常に理路整然と論じてきた反出生主義者が「グロテスクな話だ」と感情的に吐き捨てる所にときめき(?)を感じた笑
読者が物語の結末に感じた事がその人にとっての何よりも真実なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
反出生主義について、人類を滅ぼそうとする魔王に人間たちが滅亡するべきかしないべきか話し合ってプレゼンする、という形を借りながらさまざまな立場からの意見を学べる本。
そもそも反出生主義について名前くらいしか知らなかったのだけど、「実存」に対する反出生主義と「道徳」に対する反出生主義がある、というのが興味深かった。
これは一応小説ということにはなっているけど、ほとんど哲学書だと思う。人類の滅亡に賛成する側、つまり反出生主義側の意見を読むのは、子供を1人この世に生み出した側としては色々考えさせられるものがあった。
個人的には、子供を世に生み出すという行為は10000000%親のエゴだと思う。その子が人生において不幸になる可能性を100%排除することもできないし、絶対に幸せにできるとも確約できないのだから、どんなに立派に見える理由を並べてもそれは親のエゴ。だからせめて、これもエゴだけれど、私が今毎日色々なことに興味を持って楽しく過ごしているように、子供もそうなってくれたらいいなと思う。子供と暮らすのは割と楽しいけど、だからと言って「産んだ方がいいよ!」とは言えないなあ。私が楽しいだけだし、と、読んで思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ哲学ってあまり得意ではなかったけど、すごくおもしろかった!!
THE・ロジックって感じ。
だんだん内容の抽象度が上がり、ついていくのが大変になっていくけど、何度も何度も読み返してぎりぎり理解の糸をつなげていく感覚。受験勉強で数学の難しい問題の解説を読み進める感覚に似ているw
感覚として違いそう…?と思っても、ロジックの穴を突くのがなかなか難しい。
そんな中で全然違うロジックで判断基準を保ち続けているホワイト恐るべし。
自身の信念として信仰を持っている人にロジックが通じないことがあるってこういうことなんだなぁと。戦争がなくならない理由の一端をはからずも感じてしまった。
あとは、道徳って方針であって、みんなちゃんと守らないんだよというグレーの発言が印象に残った。
やっぱそうだよね!!!
自分は変に真面目な人間なので、守らないとという感覚が強いんだけど、もっとうまく生きてる人はいるんだろうなーと思っていたので、言語化してもらえてなんか安心した。
反出生主義ってなんとなく怖い思想に感じられるけど、もっとしがんで味わっていける気がする。
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