あらすじ
〈世界人口78億人突破! 〉
どう滅ぼすか、みんなで一緒に考えよう!!!!!!
ダ・ヴィンチ・恐山、小説家として待望の帰還!!
突如降誕した魔王と、集められた10人の人間たち。
読む者の“道徳”を揺さぶる、話し合いの幕が開く。
【あらすじ】
全能の魔王が現れ、10人の人間に「人類を滅ぼすか否か」の議論を強要する。結論が“理”を伴う場合、それが実現されるという。人類存続が前提になると思いきや、1人が「人類は滅亡すべきだ」と主張しはじめ……!?
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Posted by ブクログ
本の分類としては小説にあたるのかもしれないが、内容的には哲学に関することで一般的な小説と哲学書の中間というような感じだった。小説ほど読みやすいというわけではないが、哲学書ほど読みにくさを感じることも無く、哲学にちょっと興味はあるけど知識は殆どない自分のような人間にはピッタリの本だと思う。
それぞれの主義に則ったキャラクター達の会話によって話は進んでいくので、1つの考え方だけでなく複数の考え方を意識しながら読み進めていくことが出来るのも良い点だと思う。正しい・正しくないが存在しないからこそ、多くの考え方・意見を知ることが自分自身の考え方をより深めてくれると思う。
この本を読んだ自分ではない他の誰かはどの考え方に共感出来て、逆にどの考え方には共感出来なかったのだろうか、その理由は一体何なのだろう。
本の中に登場するキャラクターより更にもっともっと多くの考え方がこの世界にはあるということを意識するきっかけにもきっとなるだろう。
Posted by ブクログ
軽い気持ちで読み始めたけれど、哲学書の類でした。非常識なようでいてかなり根本的なテーマ。登場人物のほとんどが揺れ動きつつも自分の考えを深めていく過程はとても興味深いし、自分自身がどのような答えを持つか、ということ以前に、相手の意見を聞いたり、その意見の背景にあるものを考えたり、というプロセスの大切さと面白さに触れた気がします。
このテーマをこの切り口で語ろうとする品田遊という作家のとんでもなさに改めて打ちのめされました。
Posted by ブクログ
読みやすい哲学書という感じでとても面白かった。
気になったのは、環境問題を解決するには人口が減っていくのが望ましい(ゼロにまで減らせとは言っていない)、といった考え方も反出生主義の一流派なのだろうか、という点。BBCでそういう考えを持つヨーロッパの若者たちを特集していて、興味を持っていた。本書はお題が「人類滅亡、是か非か」だったからマイルドな思想は扱われなかっただけなのかな。
Posted by ブクログ
異なる思想を持つ10人の考え方にどれも共感する部分があり、読む前に漠然とあった自分の考えが何度も揺さぶられるような思いで一瞬で読み終わってしまいました。
自分の考えが誰に近いかポジション取りしながら読み進めると、その考えを強固にする例えが出てきたり
途中で思わぬカウンターパンチをくらったりと、どこまでも主体的な哲学書のようで面白かったです。
広く色んな方にオススメ出来る本です。
ライター、ラジオMC、youtube企画等で元々ファンだった者で品田遊名義の作品は今回初めて触れましたが、別の作品にも触れたくなりました。端々に本人の色が出ているような、書いている本人にも10人それぞれの主張を肯定する部分があるのではと想像しながら読ませて頂きました。
Posted by ブクログ
あとがきの、反出生主義は大きく分けて2つあって、合流地点で絡み合って、ネット上で議論が巻き起こった、みたいなこと言ってて好きだった
たまになんかうっすら思ったりしてしまう、人類もう滅べや、ってことを、こんな深ぼって書籍にしたのってないんじゃないんだろうか
結局のところ、利己的な欲求を満たすために道徳はあるのだから
白黒付けないグレーありがとう
Posted by ブクログ
哲学を対話形式の小説で説明しているような感じ。
比較的読みやすかった。
魔王が人類を消したあと、もう一度作ったのは予想外のラストだった。
個人的にはグレーみたいに、人類が残ろうが消えようがどちらでもいいという考えに近い。
Posted by ブクログ
自分は反出生主義者に近いのではないかと思って読み始めたが、やはりブラックの意見に賛成だった。
自分では至らない部分についての詳細な意見が聞けたり、魔王に集められたその他面々からの反論や質問への返答も納得できるもので良かった。
色んな人に読んでもらって、反出生主義が突飛な考えではなく一つ一つの道徳を積み重ねた先にある考えだという事を理解してもらってから自分も議論を交わしたいと思った。
理解しやすかった
そこまで難解な言葉を使わず、かつ、主義の違うもの同士でも相手を罵倒すること無く、論理的に反論していくので、ストレスを感じずに読めた。
反出生主義については、ネットでの議論から、悲観主義が元になっているのかと思っていたが、そうではなく、道徳を突き詰めた結果であると知れて勉強になった。
Posted by ブクログ
人類滅亡について考えたことのある人はある程度いると思うし、もちろん私もそうなので、興味を惹かれて購入した。
基本的に会話文なので読みやすくはあるが、登場人物が多いため、特徴的な人以外は覚えにくかった。終盤に差し掛かってやっと把握できたくらい。
あまり知らなかった反出生主義について知ることができたし、その主張の元までたどると、善悪や存在などかなり根源的な問題になることも理解できた。
最終的に議論は意味なかったなと言う感想になってしまうので、滅亡までの物語と考えるよりも、副題通り、反出生主義を知るために読む方がいいと思う。
Posted by ブクログ
悲観主義者や楽観主義者、懐疑主義者などの様々な思想を持った10人が魔王の命により「人類を滅ぼすべきか否か」を話し合うというほぼ会話文のみで構成された物語。
「人類を滅ぼすべき」という一見荒唐無稽な主張は道徳的に突き詰めていくと腑に落ちる所があって面白い。
読み口はライトだけど真摯に頭を働かせて、疑問に思ったり納得しながら、自分も議論に参加してる気分で読むほど楽しい読書が出来る様に思う。
「人を生む」という特異な罪に対する罪滅ぼしが「生まれてよかった」と思わせる事だという主張に、常に理路整然と論じてきた反出生主義者が「グロテスクな話だ」と感情的に吐き捨てる所にときめき(?)を感じた笑
読者が物語の結末に感じた事がその人にとっての何よりも真実なのかもしれない。
Posted by ブクログ
読む前はそもそも「反出生主義」にピンときていませんでした。「なんか身も蓋もないなぁ〜」と。
まさに自分も魔王の気分で10人の話し合いに参加してみましたが、10人のキャラクターも考え方も様々すぎて…わかったりわからなかったり、頭がこんがらがって疲れます。(特に最後のグレーよ)
一番刺さったのはあとがきの「異なる種類の正しさがどんな水準で成立しているか」という部分。
どんな思想についても言える事かもしれないなぁ。
Posted by ブクログ
反出生主義について、人類を滅ぼそうとする魔王に人間たちが滅亡するべきかしないべきか話し合ってプレゼンする、という形を借りながらさまざまな立場からの意見を学べる本。
そもそも反出生主義について名前くらいしか知らなかったのだけど、「実存」に対する反出生主義と「道徳」に対する反出生主義がある、というのが興味深かった。
これは一応小説ということにはなっているけど、ほとんど哲学書だと思う。人類の滅亡に賛成する側、つまり反出生主義側の意見を読むのは、子供を1人この世に生み出した側としては色々考えさせられるものがあった。
個人的には、子供を世に生み出すという行為は10000000%親のエゴだと思う。その子が人生において不幸になる可能性を100%排除することもできないし、絶対に幸せにできるとも確約できないのだから、どんなに立派に見える理由を並べてもそれは親のエゴ。だからせめて、これもエゴだけれど、私が今毎日色々なことに興味を持って楽しく過ごしているように、子供もそうなってくれたらいいなと思う。子供と暮らすのは割と楽しいけど、だからと言って「産んだ方がいいよ!」とは言えないなあ。私が楽しいだけだし、と、読んで思った。
Posted by ブクログ
哲学ってあまり得意ではなかったけど、すごくおもしろかった!!
THE・ロジックって感じ。
だんだん内容の抽象度が上がり、ついていくのが大変になっていくけど、何度も何度も読み返してぎりぎり理解の糸をつなげていく感覚。受験勉強で数学の難しい問題の解説を読み進める感覚に似ているw
感覚として違いそう…?と思っても、ロジックの穴を突くのがなかなか難しい。
そんな中で全然違うロジックで判断基準を保ち続けているホワイト恐るべし。
自身の信念として信仰を持っている人にロジックが通じないことがあるってこういうことなんだなぁと。戦争がなくならない理由の一端をはからずも感じてしまった。
あとは、道徳って方針であって、みんなちゃんと守らないんだよというグレーの発言が印象に残った。
やっぱそうだよね!!!
自分は変に真面目な人間なので、守らないとという感覚が強いんだけど、もっとうまく生きてる人はいるんだろうなーと思っていたので、言語化してもらえてなんか安心した。
反出生主義ってなんとなく怖い思想に感じられるけど、もっとしがんで味わっていける気がする。
関連図書読んでみたい!
Posted by ブクログ
反出生主義と他計10つの主義による仮想討議会という小説
哲学的な内容を楽しく読める。キャラクターが色分けされていてわかりやすい。
内容は、反出生主義をはじめしっかりまとまっていて、どの考え方もわかるような、それでいてどれにも組みしたくないような、でも自分の考えは分からずといったような、小説のように感情移入?しながら哲学が学べる構成が面白い。
Posted by ブクログ
題材が題材なので堅苦しい雰囲気かと思ったが、それとは真逆のコミカルな雰囲気の作品。
さまざまな思想が色分けされてわかりやすくされており、ライト層向けの思想小説だなと感じる。
Posted by ブクログ
難しいテーマだったけれど読みやすかったです。作者の恐山さんは演劇部で台本を書いていたと聞いたけど、まさに台本のようなセリフ形式で書かれています。
ひとりのセリフを読んで「確かに」と頷き、次の人の反論を読んで「それもそうか」と頷き、また他の人の意見に…とそれぞれの考えに納得しながら読んだので頭を使いました。
でもこれだけの思想を上手くまとめてあると感心しました。
Posted by ブクログ
久々に、しっかり頭を使いながら読んだ本…!
「反出生主義」という複雑で扱いづらいテーマを、物語&議論の形式で語ることで発展させている。頭が捩れそうになる論議も、キャラクター性を交えることで噛み砕けたように思う。
普段は思いを巡らせることのない対立構造をたくさん知れて、自分の中の視点が増えた。内容そのものに対する興味とは、別の話で。
物語として見ると、刺激的な結末が印象に残る。かなり好き(びっくりしたけど)。
数年経ってからまた読んでみたい。
Posted by ブクログ
苦痛を感じる存在を増やしてしまうというより、苦痛を与える可能性のある存在を増やしてしまうという理由でわたしもどちらかというと反出生主義だったからなるほど〜と思いながら1日で読んじゃった。初心者でも読みやすい!読み進めながら、私はシルバーかオレンジに近いな〜と。でもシルバーには自分の意見がないのか〜後々こいつ空っぽだぞって言われる〜って勝手に焦ってたらやはりグレーに嫌な奴って言われてた笑わかるぅ
Posted by ブクログ
あとがきより「…おそろしく噛み合わない会話をあちこちで見かけます。その噛み合わなさはまるで、同じ世界で生きる人たちがじつはそれぞれ全く違う世界を生きていたことの証明のようでした。」
「生きる」とは?「死ぬ」とは?とても考えさせられた。
「生かされている」ということを更に実感するようになった。
ただ、横書きは読みづらかったので☆−1です。
Posted by ブクログ
私は反出生主義なのでブラックの言葉に賛同できる部分が多くありました。
イエローのようなタイプの人は、ブラックの論理的な意見をいくら聞いても考えが変わることはないのだなーと思いました。
色々な価値観の人がいて面白かったです。
Posted by ブクログ
超入門哲学書といった雰囲気。会話形式で「人類滅亡の是非」を語るテーマになっている。タイトルにもある通り「反出生主義」という考え方が主軸に物語が進行するが、他の哲学・倫理的テーマも散りばめられている。ラストは好き嫌いな分かれそうな印象。
Posted by ブクログ
反出生主義、または現実主義、悲観論者等、曲者たちを集めて魔王に人類滅亡をする意味を巡る物語。
ただ反出生主義を語るのではなく、反出生主義の落ち目や他の意見を交えて反出生主義を分かりやすく書いてて入門としては良かった!
Posted by ブクログ
物語というより、寓話仕立ての哲学入門書というほうが近いかもしれない。小説として読むとソリッドに過ぎるかもしれないが、センセーショナルで魅力的な題材で、刺激的な議論が楽しめる。
Posted by ブクログ
【読んだ動機とか】
作者の品田遊(ダヴィンチ恐山)さんのコンテンツが面白くて好きだったので読んでみたけれど、面白いか面白くないかでいうと個人的には面白くはなかった。でも、読んでよかったとは思うし、興味深い作品ではあるので、後から読み返してみたい作品ではある。
【あらすじこんな感じ】
突如世界に魔王が誕生する。魔王は召使から、王の中の王である貴方様はその力で人間を滅ぼすことが使命であると伝えられる。しかし魔王は、王である自分は使命の奴隷ではないと憤り、人類を滅ぼすか滅ぼさないか、人間達からランダムに選出した者達に話し合いをさせて決めようと言う。人間達の結論に納得することができれば、その通りにしようというのだ。選ばれたのは10人の代表者(悲観主義のブルー、楽観主義のイエロー、共同体主義のレッド、懐疑主義のパープル、自由至上主義のオレンジ、??主義のグレー、相対主義のシルバー、利己主義のゴールド、経典原理主義のホワイト、反出生主義のブラック)。人類の命運はどうなるのか。人類滅亡会議がはじまる。
【感想】
地の文がほとんどなく会話形式で進むので、読みやすいといえば読みやすいが、同じような対話がだらだらと続くので、意外と読み切るまでには体力が必要になる。
物語終盤(というか、会議の終盤)まで、反出生主義のブラックが他の追随を許さないといった感じで「出生そのものによってその生命が後に不幸を感じることが確定する。人生には楽しいこともあるからいいじゃないという話ではない。他者によって強制的にこの世界に産み落とされ、人生をスタートさせられるのは悪。人類が子を産めないようにするべき。出生は悪。」という論を推し進めるので、人類滅ぼすなチーム(私が勝手に命名しました)のイエローやレッドがまったく歯が立たないという状況が続き、正直、??主義のシルバーが台頭してくるまではページを捲ることに飽き飽きしてしまった。
これ、産後間もない我が子ラブ♡な女性キャラとか、そうじゃなくても子どもを産み育てた経験があるキャラがひとりでも会議に加わってたら、人類滅ぼすなチームのまた違った言い分も聞けたのかなぁと思う。とにかく、滅ぼすなチームの言い分が弱すぎたのが少し残念だった。あと基本ずっと同じ奴しか喋ってないじゃん。全然会議参加してないサボってる奴いるじゃん。駄目じゃん。
また、この本を手に取る人は、偏見だが反出生派の人間が多いのではないかと思うので、多くの読者がずーっとブラックの言い分にウンウン、と頷くことしかできなかったのではないかと思う。
あとがきには、作者の品田遊さんがこの本を執筆した経緯が記されている。「地球は50億年後、膨張した太陽に飲み込まれ、消える」と彼が子どもの頃読んだ科学雑誌に書かれており、執筆にあたり「いつか滅びることがわかっているのに、なんで人類は繁殖し続けているんだろう」という幼心に抱いた疑問と一種の恐怖が常に念頭にあったという。
作者自身が、本書を「反出生主義について考えるための補助線」、「どちらの主張が正しいのかではなく、異なる種類の正しさがそれぞれどんな水準で成立しているのか考えることをおすすめする」と表している通り、もしも会議の参加者だったならどの立ち位置にいるのかを考えながら読み進めることで、出生についての自分の意見をブラッシュアップすることができ、そのようなツールとしては非常に有用であると感じる。
てか感想めっちゃ長くなったウケる〜
【人におすすめしたい?】
前述の通り「面白い」ではなく興味深い作品なので、娯楽としての読書にはおすすめしない。
ただし、目をパキらせながら「人類は滅ぶべきだ…人類は滅ぶべきだ…」とかブツブツ言ってる友人がもしいたら、即刻この本を貸しつけて温かいお茶とか淹れてあげたいと思う。
Posted by ブクログ
反出生主義という思想に関心があって読んだ本。哲学の範囲だけれど、各思想がキャラクターとなっているのでわかりやすい。反出生主義とは単なる思春期を拗らせた思想ではなく、人類の在り方を考える面白い思想だと感じた。
Posted by ブクログ
人類は滅亡すべきなのか?
考え方、生き方の違った10人の意見を見ながら、自分はどう思うだろうか、とぼんやり読み進めた。
こういう考え方をする人もいるんだな、と自分にない考えが胸に落ちていった感覚になった。
とはいえ、中盤あたりは同じような話、似たような展開を繰り返す感じで読んでて少し退屈に。多少違う例えや展開を出していたけど、同じテーマで語り続けているのを読むのは少ししんどい部分がある。、