アーシュラ・K・ル=グウィンのレビュー一覧
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ひさびさに骨太なエッセイを
読みました。
高校生の頃ゲド戦記を読み、
作者が作り上げる世界や
言葉遣いに感銘を受けたことを
おぼえています。
今回のエッセイを読んでいても
付箋を貼りたい箇所が、たくさんあり
手元に置いて何回も読み返したい
一冊になりました。Posted by ブクログ -
ジブリアニメとして制作された『ゲド戦記』の著者として有名な、K・ル=グウィンさんのエッセイ。猫との生活(バード日記)や、年齢を重ねてたどり着いた生活について、作家としての思いや、人生の一コマについてだったり、様々なテーマで語っている。
一番印象に残ったエッセイが『ファーストコンタクト』という題名のも...続きを読むPosted by ブクログ -
ゲド戦記はわが青春の愛読書だが、エッセーは初読。
彼女の作品に出てくる、老いた聡明な龍のような
鋭い言葉が印象的。
余暇という言葉の裏にうかがえる
「大切なもの」が見えない愚か者(現代の大多数の大人)への辛辣な批判、ファンタジーの意味が「そのありかたでなくてもいい」ことを問いかけること、など卓見に...続きを読むPosted by ブクログ -
格調高い文章で、脳細胞が刺激されました。老いや怒り、といった身近なトピックでもルグウィンにかかると哲学チックです。噛み締めて読みました。Posted by ブクログ
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言葉の使い方にとても厳格で大切にしているのが心に残る.ル・グウィンに言葉にしてもらうと今まで何となく感じてたことがクリアに整理されて目の前が広がっていくような気がする.時々挿まれる猫との風景にも,生きる姿勢のようなものが見えて,ただ微笑ましいエピソード以上のものがある.私も「本当に大切な本を読むのに...続きを読むPosted by ブクログ
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相当長い間、積読していたのだが、東京モーターショウに行った東京のホテルで読んだら、面白すぎて一気に読み終えてしまう。続編を大至急買わないと!
それにしても、ル=グウィンは、独特の世界観を作るのがうまい、うますぎる。Posted by ブクログ -
ファンタジー
サンリオやハヤカワ文庫で知ったSF作家ル=グウィンと、『ゲド戦記』や『空飛び猫』の作者が一緒と気付いたのは、21世紀になってからだPosted by ブクログ -
西のはての年代記Ⅱ~南のサル山を望む港町アンサルは東の砂漠から押し寄せたアスダーに占領され,多くの住民が殺され,書かれたものは悪だと多数あった書物を破棄され,17年が経過している。アンサルの実質的中心地のガルヴァマンドの主・道の長は悪魔の穴を教えなかったために拷問にかけられて両足を折られ不自由な生活...続きを読むPosted by ブクログ
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「ゲド戦記」以来のル=グウィン作品。
彼女は心に闇を抱えた少年を描くのが上手いなぁと思う。ゲドもそうだけど、この本の主人公オレックもまたそんな少年の一人で、家族との関係とか、幼馴染との関係とか、いろいろ自分に関わる人との中で闇を抱えざるを得ない状況になっていく姿が痛々しいながらもそっと後ろから応援...続きを読むPosted by ブクログ -
子どもの頃から
ハイファンタジーをあまり好まなかったので、
児童書の中で、1番、腰の上がらないジャンル。
読もうと思ってから、数年経過し・・・
ようやく手に取りました。
前半の回想部分(というか、すべて回想なのだけど)の、
部族の名前やら、その力やら、地名やらが、頭に入らず、進まず、
こんなに読...続きを読むPosted by ブクログ -
「ゲド戦記」以降久々に読み応えあるファンタジーに仕上がってると思う。
「ギフト」に翻弄されるオレックが自らの力を封じるために目隠しをしつつ、それでも冷静な判断と精神的な成長を果たしていくのは読んでてすごく引きこまれた。翻訳もそんなに気にならず、細かい表現部分で却って原書を読みたい気がしたPosted by ブクログ -
ギフト、ヴォイスと言葉の力、本の力にまつわる物語が語られて、そして、最後はパワー。文庫版だと、上下2巻。西の果ての年代記の最終巻。
奴隷として、幸せな(!)生活を送る少年が、自由と自分に目覚めていく物語。
西の果ての年代記は、ゲド戦記にくらべると、著者が今の世界の比喩として生み出した世界ということ...続きを読むPosted by ブクログ -
原題が、powersであると、訳者のあとがきを読んで知る。
なるほど、と思う。
この本は、主人公の力について書かれた本ではなく、世の中に存在するすべての力について書かれたものであったか、と腑に落ちる。
なかでも物語中、たくさん出てくるのは信頼の力についてだ。
主人公の少年は、人を信じやすい。そして...続きを読むPosted by ブクログ -
さまようガヴィア。クーガに拾われ、森の心臓で暮らし、水郷にたどり着く。そこも違う。
本当の自分の場所を求めて、再び出発する。オレックのいるメサンを目指して。
居場所が見つかって一安心したけれど、彼の旅はまだまだ続くのだろう。未来へPosted by ブクログ -
都市国家でよい待遇とは言え奴隷として育ったガヴィア。
姉を喪った事がきっかけで、お館を出て行ってしまう。
心も身体も放浪する彼が、時間によって、出会った人々によって少しずつ癒されていく。
悲しいことがあったら、ちゃんと泣くんだよガヴィPosted by ブクログ -
声の持つ力を感じさせると同時に本の持つ力も考えさせる。
長い間 書物を、書く事を認めない者にねじ伏せられている町に住むメマー。
オレックとグライがやってきたことで、転機が訪れる。創り人で語り部であるオレックは朗誦に力を持つけれど、読むことが創ることに繋がっている。読むことも話すことも力になると知って...続きを読むPosted by ブクログ -
ゲド戦記以来、何年経ったのかわからないけど、ひさびさにル=グウィンの新作が児童書コーナーに並んでいるのを見つけたときは興奮した。
「早く文庫になれ」と念じてたら、文庫になったので、さっそく購入。
既存の価値観に立ち向かうル=グウィン。ゲド戦記は、海と島に、黒い肌の人々たちが暮らす世界だった。今回は、...続きを読むPosted by ブクログ -
・『ゲド戦記』の似姿
『ギフト』でもうっすらと感じたことだが、『ヴォイス』ではさらに感じた。
『ヴォイス』に対応する物語は『壊れた腕輪』であろう。喰らわれしものアルハは設定が完璧すぎて、テナーをお姫様にしてしまった。その反動が『帰還』で爆発し、それによって一部の読者はやっつけられてしまった。
...続きを読むPosted by ブクログ -
はじめに覚えたのは戸惑いで、ずいぶんと説明調だなと。
物語というのはいつでも、序盤では特に説明的にならざるを得ない。しかし、説明するのではなく物語れとは自身の言葉ではなかったか、と。
やがて、説明調というよりは、読み聞かせ、あるいは朗読の本なのかもしれないと思うようになった。
最後に覚えたのはま...続きを読むPosted by ブクログ -
ゲド戦記の作者
子供は言われたことを信じないといけない。子供にとって、進んで信じることは生き続けるために、人間らしくなるために必要なこと。
教えられることに耳を傾けてそれを信じなくてはならない。情報が妥当であるかテストすることは常に許されるべきだが、同時に危険を伴う。
道路に飛び出したら?コンロの...続きを読むPosted by ブクログ