スコット・パタースンのレビュー一覧
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タイトルからは、コロナ禍での金融マーケットの混乱から大きな利益をもたらしたファンドについてのドキュメンタリー、ちょうど「マネー・ショート」のような、をイメージしていたのだが、いい意味でこの予想は裏切られた。
本作は金融マーケットだけではなく、世の中の様々なところに存在している「発生タイミングが予測不可能だが、一度発生すると破壊的な影響をもたらす」ことに焦点を当てたノンフィクションだ。この考え方は、今ではブラックスワンと呼ばれるのが一般的だが、クラッシュスワンの考え方を提唱したニコラス・タレブの本作で取り上げる主要な人物の一人である。
こういったブラックスワンは、金融マーケットにおいて有名に -
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CHAOS KINGS: How Wall Streat Traders Make Billions in the New Age of Crisis
ナシーム・タレブ、マーク・スピッツナーゲルの「ユニバーサ・インベストメンツ」がブラック・スワン・プロテクション・として、アウト・オブ・ザ・マネーのプットを買い続ける戦略の話と歴史がメインで、それはそれで面白いが、終盤の金融以外の話のほうが有意義な話。
GMOや気候変動、ジオエンジニアリングなどについて「予防原則」はその通りと思う。
予防原則(Precautionary Principle):もしある行動や政策が公共領域に重大な害をもたらすリス -
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タレブが自著でも紹介していなかった彼の生い立ちやキャリア、ヘッジファンド引退後の活動など、いろいろ知ることができて満足。
タレブファンにおすすめ。
地球規模のリスクに関する動向を論ずる最後の方は正直ついていけなかった。
この本と直接関係ないが、「卵は一つのカゴに盛るな」といった
資産運用のプラクティスはこの本で述べられているような年金基金といった大規模な資産運用を生業とする状況で成り立つ原理原則であって多少の金の増減が生死に関わらない弱小個人投資家が見習っていても絶対大成することはないんだなと再認識。
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タレブの戦略を実現したヘッジフ -
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小さな事象が大きなカオスを巻き起こす、「予測できない極端な現象」=ブラック・スワンにまつわる物語。
『ブラック・スワン』の著者ナシーム・タレブ氏と本作の実質的主役であるマーク・スピッツナーゲル氏のテールエッジ・ファンド「ユニバ―サ」が話題の中心だが、環境問題やパンデミックなど破産問題全般を取り上げているので、題名の「ウォール街の覇者」を念頭において読み進めるとやや面食らう。一方で、ソネット氏やリード氏、リッカーマン氏など多種多様な面々との闘争や共創が刺激的。
ファットテールをロジックにして実装し、S&Pを97%とヘッジを3%とし、来るべき日に向けてプット・オプションを購入し続けるという -
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ネタバレタレブらのファンドはFar out of the moneyのプットオプションをひたすら買い続けてブラックスワンが来るのを待つ、というだけ。
市場は正規分布よりもファットテールになっているので理論的にはこの戦略は正しいのだろうけど、買っても買ってもExpireし続けるのは精神的にキツイ。実際、タレブ自身もこれに耐えられずに文化人への道を選んだようだし。
本書はタレブの著作の実践編という感じで面白かった。
アメリカには文化人のサークルのようなものがあり、大富豪たちがノーベル賞級の科学者を呼んで話を聞くような場も多いそうで、こういうのはいいなぁと思う。
指数関数的な爆発をし、人類滅亡の可能性が -
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「運とリスク」選択の日々
投資に人生を賭けた若者(ユニバーサ創設者:マーク・スピッナーゲルとナシーム・ニコラス・タレブ)の生き方、それは「ギャンブル」だ。投資は時に莫大な収益をもたらす一方、大暴落し破産、地獄を見ることもある。その予兆を如何に誰よりも早く知り先手を打つことが出来るか。必ずやその「賭け」には失敗への保険をかけておくこと、と言う教訓もある。世界情勢の多くの情報は一部の人・メディアからでありコンピューター、生成AIでの分析、予測は過去のデーターが源になっているだけなのだ。人の発信ほど不明確で不信なものはない。その一つ一つの情報に安心して眠る間もなく焦り、迷い、苦悩する日々が投資家の人 -
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アメリカ証券市場のIT化の裏で起きていたアルゴリズム戦争、と言っても「電子せどり」的なかすめ取り系の取引だった訳ですが、そんな取引形態が誕生し、市場を席巻し、証券取引所のありようまで変えていってしまう、その経緯や背景を描いた本。
金儲けをたくらむ悪い金融屋さんが仕掛けたのかと思いきや、従来のトレーダーがズルして儲けていることに憤りを感じたプログラマーがIT化を仕掛け、取引手数料を安くして、流動性を高めて…という中でこんな流れになってしまった、というのが何とも皮肉です。
「電子せどり」的な取引は、いいとこ数分でポジションを手放して、その日毎に手仕舞いをするのですが、本の終盤にはそこから一歩進んで