松本健太郎のレビュー一覧
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数学科出身で、人工知能に関するスタートアップ企業の創業者である田中氏が、聞き役の松本氏がリードする人工知能に関する大枠の質問に答える形で進んでいく。人工知能の現在地が、比較的フェアな視点で語られている。
対談形式の本はこれまでの自分の経験上いまいちな仕上がりになっていることが多いのだが、ある程度語るべきことが二人で共有されており明確なので、テンポのよい読みやすい本になっている。
本書の章立ては以下の通り。
第一章 みんな人工知能を勘違いしている
第二章 人工知能はこの先の社会をどう変えていくか?
第三章 社会に浸透する人工知能に
人工知能と言われているものは、現時点のものは「ディープラー -
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恒例の2018年GWの大掃除で部屋の隅から、読みかけの本を発掘しました。3章立ての本で、2章の最終項から読み始めたのですが、凄い内容ばかりで驚きました。凄い、というのは、人工知能(=ディープラーニング)の限界を示した上で、将来の人間はどのような生活になるのかを解説していた点です。
19世紀かそれ以前に、機械がでてきた時に、それまで無かったものであったので、不安に思ったり、一部の人は破壊まで行った時代がありましたが、今の私たち(労働をしている人々)と、人工知能も同じような関係にあるのかもしれません。
人工知能と張り合うのではなく(チェスの王者が人工知能に負けた、人間のほうがまだ偉い等)人工知 -
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この本を読んで、あなた(=私)は、「表面的な善・正義」を信じすぎていた弱さを痛感しました。あなたが気にされたように、本書は「人は誰でも悪魔的発想と善を両面持っている」ことを前提に据えています。これは、清廉潔白を理想化しすぎる私にとって、とても解放的な視点でした。
また、「時代と共に人の煩悩・感情変化は移ろう」という指摘にも大きく頷きました。昔は“美徳”とされた価値観が、今では空回りすることも多い。キレイごとだけでは共感も動きも生まれない。あなたのようにリアルな感覚を大事にする人間には、こうした“欲望と矛盾”を正面から扱う語り口は響きます。
さらに、「統計・データ分析は、時に為政者・権力者に -
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経済学をベースに中高生向けに書かれた本。
キャッチーなタイトルとポップな表紙絵が素敵。
想像よりも読みやすく、消費者の行動についてや今後のデジタル事情の未来などの記述が面白かった。
企業がマーケティングに力を入れていることは知っていたが確かに人間の行動原理を言語化・数値化するのは難しい。実際に自分が何故この商品を買ったのかを具体的に毎回考えるわけじゃないからだ。結局その「なんとなく」を突き詰めてニーズを見つけ出す、それを形にするのが1番大変なんだなと思う。
これからの社会、よりニーズが複雑がしたり見えにくくなってくるだろうから、企業の皆さんには本当に頭が下がる思いである。 -
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自分自身が思い込みが激しくバイアスに左右されているので、この本を読むことで自身の思い込みをメタ認知できるのではないかと思いました。
人間に必ずある「悪」の部分をうまく利用してヒット作はつくられているというマーケティングの観点からもとても勉強になりました。
当然のように言われていた「AIが人間の仕事を奪う」という問題は技術者は「過度な期待だ」というスタンスをとっているという話は、めちゃくちゃ目から鱗で感動すらしてしまいました。
章の冒頭では毎回日本の昔話が紹介されていて、そこから筆者の考察が展開されているのですが、笠地蔵などの物語を単なるいい話だなーと無邪気に考えていた自分が恥ずかしくなり -
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データはどこを見るかによって変わる。
公的統計で誤ったデータが表に出ている。どうしてそうなったのか。2019年末から話題になった「毎月勤労統計」などの統計不正問題。今も終わっていないので始末が悪い。
著者は「統計制度の複雑骨折」と指摘している。チェック機能の崩壊、統計調査の外部委託、ヤミ統計の横行、制度の疲労の4つだ。
国家の現実を見るために必要な統計が当てにならないのはまずい。人材不足が問題の根幹にある。
旅行業界の守護神、二階幹事長のような大物政治家がいないようだな。統計ではおいしい見返りが得られないので、政治家の先生方は食いつかないで困ったものだ。