村松剛のレビュー一覧

  • 新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像

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     ユダヤ人(など)の大量殺人、ホロコーストにおける、主に殺害対象者の絶滅収容所等への鉄道輸送を一手に担ったアドルフ・アイヒマンの経歴と裁判記録。生き残りの被害者の生々しい虐待の経験の証言が第一部に置かれその後アイヒマンの経歴とナチ・ドイツによるユダヤ人迫害の経過が折り混ざったような文章が続く。  全体として、アイヒマン裁判の記録の面もあるがアイヒマンの個性とナチ・ドイツのホロコーストの概説書の側面が強いか。

     本書にもあるように、文学を超えた出来事であるのでこのような本の方がいわゆるホロコースト文学を読むより今日的教訓になると思われる。例を上げれば、やはりホロコースト研究所を読む方が「夜と霧

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    2020年08月12日
  • 新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像

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    裁判記録を元にしたノンフィクションとなっており、強制連行されたユダヤ人の生き残りの証言は非常にシビアで重い。映画や教科書では語られない、ホロコーストの現実を知ることができる一冊。

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    2024年05月01日
  • 新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像

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    ホロコーストを生き延びた人々の証言が生々しい。
    戦争が終わった後に敗戦国を裁くということの矛盾。日本人なら東京裁判に思うところがあるが、ナチスとイスラエルでも同じ構図がある。考えさせられる。

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    2022年01月16日
  • 新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像

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    ユダヤ教から生まれたキリスト教のローマ征覇以来、ヨーロッパにおいてユダヤ人がどのような立場に置かれてきたのか。またそれがどのようにナチスドイツに受け継がれたのか。

    はじめて、そういうことを知れた。

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    2020年05月30日
  • 三島由紀夫の世界

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    ネタバレ

    ろくに三島由紀夫の著作を読まずに、本書をよんでしまったのは良くなかった。

     ただ三島が右旋回していくさまに、友人である著者や周囲の人間は随分戸惑ったことだろう。書中には小林秀雄を引っ張り出して思いとどまらせようとしたことが紹介されている。
     多分他にもそんな“忠告”めいたものを三島はたくさん受け取ったのかもしれない。そして思っただろうか、なぜ自分の本気を信じてくれないのか、焦燥を理解してくれないのだと。
     軋轢はひどくなり、しまいには著者自身、絶縁状態というほど溝は深まった。最後に「頭の中の攘夷をする必要がある」と言われ、血走った目で見据えられた著者の心持ちを想像する。自分を否定する友人の姿

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    2019年12月15日
  • 三島由紀夫の世界

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    「三島由紀夫」になる前の平岡公威の姿が新鮮だ。
    妹の死の影響を大きく取り上げている。
    宮沢賢治が大きく飛躍したのが妹としの死であったとしたら、三島の出現にも妹の死が与っていたのかもしれない。
    若い頃から健全な恋愛と失恋を繰り返した平岡を目の当たりにしていた村松は、三島同性愛説を否定している。

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    2024年10月07日