ヴァレリー・グレチュコのレビュー一覧

  • 犬の心臓・運命の卵

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    ネタバレ

    人間の脳下垂体と精巣を移植する実験の結果、人間化した犬が手術を行った博士たちを混乱に陥れる「犬の心臓」、特殊な光線を浴びることで異常に繁殖した巨大アナコンダが人々を襲う「運命の卵」の二編。いずれの作品にも、人間の手で作り出された生物に翻弄される人々の姿が描かれ、この普遍的なモチーフのために読んでいてそこまで古さを感じなかった。「犬の心臓」では手術を行った博士がことを収めることができたが、「運命の卵」では人は問題を解決することができなかった。このまま破滅的な終幕を迎えるのかと思っていたが、最後はかなりあっさりと話が終わったので、作者が描きたかったのは実験や人為的ミスが混乱を生むところだったのでは

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    2020年11月03日
  • 犬の心臓・運命の卵

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    よくこんなの革命後に書いたよなあ…。
    解説読むといっそうそう思うほど、風刺がてんこ盛り。

    犬とカエルはいじめちゃダメだ。

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    2020年10月18日
  • 犬の心臓・運命の卵

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    二つの話が収録されている。どちらの話も当時のロシアへの痛烈な皮肉があの手この手の表現を尽くしてか書かれていて、ロシアで発禁になるのも仕方がない。逐一注釈が同じページにあるし、最後の解説でもあるのでロシア文学に詳しくなくても楽しめる。著者は劇作家でもあることから劇にも造形が深く、かといって耽美的な描写というのはほぼ縁遠く、比喩表現も喜劇のように読み手に受けることを確信した語り口でテンポ感もある。
    何が斬新かって、未来❨それも2、3年先くらい❩を勝手に捏造ししかもあたかも事実のようにピシャリと書いてしまうというところ❨しかも世界的な出来事ではない。注釈は入っている❩。いつか地球が一度滅んで、後の生

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    2018年10月25日
  • 犬の心臓・運命の卵

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    『犬の心臓』

    物語の筋らしい筋が展開されるまでが冗長すぎるように思う。革命後の社会に対する嫌悪と恐怖がやや粗雑に表出してしまっている印象があり、性急なテンポの文体とも相俟って、あまり面白く読めなかった。風刺のための戯画が、人間や社会というものにどうしようもなく刻み込まれてしまっている深淵に沈潜していこうとしているようには感じられなかった。

    ただ、高度に発達した科学技術によって「人間」が「新しい人間」を創造してしまうということはどういうことか、という「創造主」問題には興味を惹かれた。「産み出す」主体(meta-level)と「産み出される」対象(object-level)とが、同じ「人間」で

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    2018年05月20日
  • 犬の心臓・運命の卵

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    「犬の心臓」この中の犬はきっと革命そのものを表しているのかなあ。

    「運命の卵」は英語版で以前に読んだ。

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    2016年01月18日