ヴァレリー・グレチュコのレビュー一覧

  • 犬の心臓・運命の卵
    二つの話が収録されている。どちらの話も当時のロシアへの痛烈な皮肉があの手この手の表現を尽くしてか書かれていて、ロシアで発禁になるのも仕方がない。逐一注釈が同じページにあるし、最後の解説でもあるのでロシア文学に詳しくなくても楽しめる。著者は劇作家でもあることから劇にも造形が深く、かといって耽美的な描写...続きを読む
  • 犬の心臓・運命の卵
    『犬の心臓』

    物語の筋らしい筋が展開されるまでが冗長すぎるように思う。革命後の社会に対する嫌悪と恐怖がやや粗雑に表出してしまっている印象があり、性急なテンポの文体とも相俟って、あまり面白く読めなかった。風刺のための戯画が、人間や社会というものにどうしようもなく刻み込まれてしまっている深淵に沈潜して...続きを読む
  • 犬の心臓・運命の卵
    「犬の心臓」この中の犬はきっと革命そのものを表しているのかなあ。

    「運命の卵」は英語版で以前に読んだ。