依田光江のレビュー一覧
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プロダクト設計を担当する人は必読
プロダクトを作る上で、考えるべきことは「ジョブ」である。
“ジョブはそれが生じた特定の文脈に関連してのみ定義することができ、同じように、有効な解決策も特定の文脈に関連してのみもたらすことができる。”
性年代別のクラスタリングによる設計ではなく、ジョブを軸にしたプロダクト設計を行うことが重要であると感じた。
ジョブを片付ける上で考慮すべきなのは無消費の存在である。
競合は、類似のプロダクトや同じジョブを片付けるプロダクトだけではなくそれを消費しないことも競合になりうる。
プロダクトを作っている人は、一読するとプロダクト設計を考える上での有益な視点をもたらしてくれる本だと感じた。
メモ
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ジョブの定義には「状況」が含まれる。ジョブはそれが生じた特定の文脈に関連してのみ定義することができ、同じように、有効な解決策も特定の文脈に関連してのみもたらすことができる。ジョブの状況を定義するにあたり、重要な質問はたくさんある。「いまどこにいるか」「それはいつか」「誰といっしょか」「何をしているときか」「 30分前に何をしていたか」「次は何をするつもりか」「どのような社会的、文化的、政治的プレッシャーが影響を及ぼすか」などだ。ここでいう「状況」とは、その他の文脈上の要素、たとえば、ライフステージ(学校を卒業したばかりか、中年期の危機に陥っているか、もうすぐ定年か)や、家族構成(既婚、未婚、離婚? 乳幼児が家にいるか、親の介護が必要か)、財政状態(債務過多? 超富裕層?)などに拡大することができる。ジョブを定義するのに(その解決策を見つけるためにも)状況が不可欠なのは、なし遂げたい進歩の性質が状況に強く影響されるからだ。
・ジョブとは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追求する進歩である。・成功するイノベーションは、顧客のなし遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされていない念願を成就する。また、それまでは物足りない解決策しかなかったジョブ、あるいは解決策が存在しなかったジョブを片づける。・ジョブは機能面だけでとらえることはできない。社会的および感情的側面も重要であり、こちらのほうが機能面より強く作用する場合もある。・ジョブは日々の生活のなかで発生するので、その文脈を説明する「状況」が定義の中心に来る。イノベーションを生むのに不可欠な構成要素は、顧客の特性でもプロダクトの属性でも新しいテクノロジーでもトレンドでもなく、「状況」である。・片づけるべきジョブは、継続し反復するものである。独立したイベントであることはめったにない。
ジョブ理論が重点を置くのは、?誰が?でも?何を?でもなく、?なぜ?である。
その人がなし遂げようとしている進歩は何か。
苦心している状況は何か。
進歩をなし遂げるのを阻む障害物は何か。
不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか。
その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か。
たとえば、ティーンエイジャーには昔から、口うるさい両親に邪魔されずに連絡をとり合いたいというジョブがある。
何年かまえまでは、学校の廊下でメモを渡すか、自室のいちばん端に長々と電話コードを引っぱっていったものだった。だが最近のティーンエイジャーは、メッセージが届くとほぼ同時に消えるスマートフォンのアプリ〈スナップチャット〉など、数十年前には想像すらできなかったものを雇用しはじめている。スナップチャットの考案者はティーンエイジャーのジョブをよく理解し、優れた解決策を生み出した。しかしもちろん無敵ではなく、特定の状況における社会的、感情的、機能的側面の入り混じったティーンエイジャーの複雑なニーズをさらによく理解した競合相手が現れれば、とって代わられるだろう。
人がフェイスブックを雇用する理由も多くが喫煙と共通している。仕事の合間に休憩しようとフェイスブックにログインし、仕事とは別のことを考えながら数分ほどリラックスして、遠く離れた友人たちと仮想井戸端会議を開く。ある意味フェイスブックは、じつはタバコと同じジョブをめぐって競い合っているといえる。喫煙者がどちらを選択するかは、その特定の時点でその人が置かれている状況によって異なる。
社会的、感情的、機能的側面については何を考慮すべきか。 -
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貧困地域に非営利組織が設置した井戸5個の内、現在でも動いてるのは1つしかない。足りない物を支援する。それは貧困の緩和であり、繁栄には繋がらない。しかし、その反面、貧困から抜け出して繁栄している国々は存在する。この2つの違いは何なのか。
答えは貧困国にインフラと雇用と新しい文化をもたらす「市場創造型イノベーション」です。
それは無消費の中に苦痛を見出し、それを解消しようとすることによって生まれます。
そうやって成功した「トララム」というインスタント麺を製造する企業があります。その企業はナイジェリアに10万以上の雇用を生み、インフラ構築、教育機関の設立、港建設に15億ドルの投資などを行って、繁栄に多大なる貢献をしてきています。
他にも、フォードやコダック、ソニーを例に挙げて繁栄をもたらすイノベーションに共通する要素を分析しています。貧困とは、繁栄とは何か。という問いに対してイノベーションという視点から解決策を講じているので興味深く、読み応えのある本でした。
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イノベーション論の大家による、貧困を抱えた国々に対する経済的援助の多くが陥る失敗を避け、持続的な繁栄をもたらすためには、インフラや法制度の整備よりも市場創造型のイノベーションが先決であることを説いた一冊。
著者によれば、経済的貧困とは人々が「解決すべきこと(ジョブ)」があるのに入手可能なサービスやプロダクトが存在しない「無消費経済」(=可能性)であり、そこにソリューションをもたらすビジネスが新たな市場を作り、利益や雇用が生まれ、更なる事業拡大のために必要なインフラや法制度が整備されることによって、社会全体に持続可能な繁栄をもたらすシステムが構築されるという。
今日の先進国においても、インフラが先にあったわけではない。著者はフォードによる自動車のイノベーションが米国の道路整備や郊外の開発を導いたことなどを例示しつつ、貧困地域の実態を無視した西欧型のインフラの押付けではなく、地域に根差したイノベーションを呼び水にしたインフラ開発の重要性を主張する。著者がこれまで積み上げてきたイノベーション理論を土台に、単なる経営論の枠組みを超えて、より良い社会のために我々ができることは何かを問う良書。 -
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なぜなぜ分析という手法はかなり一般的ですが、物事の本質に迫る「なぜ」を考えることは難しいものです。
物事の因果関係の読み違いやデータ解釈のミスなど、失敗例について整理してくれている本はありますが、「なぜなぜ分析」という手法自体を体系的に整理し、具体的な手法まで落とし込んでくれる本はあまり無かったと思う。
何か起きた際に、それは「なぜなのか?」
最初に思いついた「なぜ?」が当てずっぽうでやっていては精度が低い。その精度いかにあげていのか?
さらに、複数考えられる原因をどのように整理して、いかに真因に迫っていくのか?考えるられる「なぜ」の種類の分類はとても参考になる。
難しくて理解するのが大変ですが、大変勉強になります汗。! -
Posted by ブクログ
主に米国の話なのだけれど、読んでいると、怒りを通り越してあきれてしまう。日本も、米国よりは少しはましなのだろうけれど、同様に気を付けたほうがよいと思う。
パッケージに書かれた文字が意味のあるものか、写真が中身を適切に表しているのか、印象だけで判断すると痛い目に合う。
米国農務省やFDA(アメリカ食品医薬品局)は、消費者を危険や不正、不利益から守るという気がないというのが衝撃だった。おそらく、利益しか考えない大企業によるロビー活動の成果なのだろう。お見事!
牛肉やハチミツなどに関する中国製品の状況が出てくる。中国だから、というのは考えないつもりでいるが、過去の事件を見ると「彼らは利益のためならなんでもやる」という認識があるので、さもありなんと思う。食品についは、一度間違うと命や長期的な健康にかかわるので、意識して選択したほうがよいと考える。 -
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黙示録になぞらえて話が展開しまさが、それにしてもアメコミキャラの喧嘩っぱやさ…!という感はあります。が、何と言っても絵が圧倒的に美しく、これ描くのに一体どれだけかかったんだろうと考えると空恐ろしくなる!
内容としては、ヒーロー達の2、3世代目が出てきて特殊な力を持つ者が増加傾向にある中、マイノリティかつ特殊であるが故に一種(彼らが考えた)モラルに重きをおいた第一世代とは異なり、第二世代以降は自分の為に力を使うという感覚に。そしてそれが引き起こす惨劇が文字通り世界を燃やすという、大変迷惑極まりない話です。ヤバイ。
しかし子世代のモラルのなさは絶対に親の教育のせいだ!と思ってしまう笑
アメコミヒーローっとはある程度独善的じゃなきゃやってられないし。
しかしスーパーマンは自分の独善に無自覚であり、バットマンは自覚的でありながらあえて独善を選ぶという感じが相変わらずです。
しかし読み応えはかなりあるので、そこらへんの些細な事が気になろうがなんだろうが、DC好きなら一度は読んでもらいたい感があります。 -
Posted by ブクログ
2026/05/31 - 2026/06/07
大学時代に読んで、今もう一度改めて再読した。
当時と今だと、この本の中の参考サイトや例として挙げられる文献などは少し古くなってしまっているかもしれないが、体系的な内容や、発達段階にあった具体的行動体験の説明、子どもたち側のから見える発見など今読んでも必ず活かせる知識が多いと感じた。
特に、子どもが関わるサービスのUIやUXを作る機会を持つ人には具体的な知識として読むと。ヒントになることが多いかもしれない。また、使う人と実際にお金を出す人が異なるサービスなどに携わる人にとっては、構造理解の視点や双方へのバランス、意識の向け方が役に立つかもしれない。
p002-l12
いまの世代の子どもはデジタルネイティブです。生まれたときからずっと、生活の一部にテクノロジーがありました。前の世代とは違い、デジタルネイティブは自分からテクノロジーに働きかけるのではなく、自分を快適にするためにテクノロジーが存在する、と考えます。「リセット」も「アンドゥ」も「もう一度プレイする」も楽々と使いこなします。彼らにとってテクノロジーは、表現し、実験し、コミュニケーションをとるための道具なのです。こうした「小さい大人」のためのサイトをデザインする作業は、これまでにないほどむずかしく、同時に、きわめて大きな知的興奮を伴います。
この本の最初に書かれていたこの視点は、デザイナーに限らず、世の中に何かを生み出す人にとってとても重要な視点だと思う。何かを生み出すとき、私たち作る側もまた知的興奮や充足感を持って取り組むことが大切だと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者曰く、「顧客が進歩を求めて苦労している点を理解し、顧客の抱えるジョブ(求める進歩)を片付ける解決策とそれに付随する体験を構築する」ための本とのこと。
個人的には「"ユーザーに対する深い洞察をどこから学ぶべきか"をエピソードベースで伝えてくれる」本だと感じている。
本書の中で語られている「ミルクシェイクの逸話」がこれを最も表現していると思う。
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とあるファーストフードチェーンでは、ミルクシェイクを売るためにユーザーのデモグラフィック情報や意見を徹底的に収集し、改善を図っていた。
しかし売上は一向に変わらず。
「どんな状況で、何のためにその商品が雇われているのか」というジョブ理論の視点に切り替えて観察した結果、「平日の朝には"退屈な通勤時間をやり過ごす"というジョブを片付ける存在」としてミルクシェイクが選ばれていたことが見えてくる。
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ビジネス本ではあるものの、上流のデザインにおける考え方に通ずる点が面白い。
「課題を解決するために、どこにフォーカスすべきか」という観点を授けてくれる点では、良書だと思う。
ただあくまで「理論」の本で、ノウハウ本ではない点には注意。 -
Posted by ブクログ
顧客提供価値を高めるために、多くの人が考えるのは機能的な価値をどう付加するか考える、蓄積したデータだけを信じて改善を考えるなど、顧客を分かったつもりになってしまっている。イノベーションを生み出すようなサービスを考えるのは、人がなぜある特定の商品やサービスを購入するのか、という因果関係を明らかにしなければいけない。人はどんなジョブを片付けたくて、そのプロダクトを雇用するのか?私たちが商品を買うということは基本的に何らかのジョブを片付けるために何かを雇用するということである、ということ、この問いを考えることが、考え方のアプローチとして学びとなった。
ジョブを起点に考えられる組織とそうでない組織にどのような違いが出てくるのか、多くの事例からジョブ起点に考えることの重要性、その考え方を学ばせてもらえる本。
データについて、そもそも人の手が介在して出ているもので、必ずしも鵜呑みにしてはいけないということ、データがどういう形で出されたものかを押さえることや、感情や社会的側面など定性による要素も含めてジョブを捉える必要があることが学びとなった。 -
Posted by ブクログ
概要:
「ジョブ理論」(原題:Competing Against Luck)は、クレイトン・クリステンセンが提唱したマーケティング理論。顧客が「商品を購入する理由」を「ジョブ(用事)」という観点から捉えることで、顧客ニーズを深く理解し、イノベーションや新しいビジネスモデルを生み出すアプローチ。
主要なポイント:
1.ジョブとは何か?
•顧客が特定の状況で達成したい目的や解決したい問題のこと。
•例:「お腹が空いたからコンビニでおにぎりを買う」 → ジョブは「空腹を満たすこと」。
2.ジョブ理論の4つの構成要素:
•状況: 顧客が置かれた具体的なシチュエーション。
•進展: そのシチュエーションで顧客が達成したい進展。
•障害: 進展を妨げる障害や不安。
•代替手段: 現在使っている解決策(競合)。
3.ジョブを見つける手順:
•顧客インタビューを行い、「どのような状況で、なぜその商品を選んだのか?」を深掘りする。
•表面的な機能ではなく、「なぜその商品を雇用したのか?」という視点で考える。
4.顧客の進展を助けることが価値創造:
•商品の機能だけでなく、「顧客が望む進展」を理解し、それをサポートするサービスや製品を提供することが重要。
5.イノベーションの源泉:
•ジョブ理論を活用することで、顧客の隠れたニーズを発見し、既存市場の再定義や新市場の開拓が可能となる。
具体例:
•ミルクシェイクの例:
•あるファストフード店で、朝の通勤時にミルクシェイクを買う人が多いことが発見された。
•調査の結果、「退屈な通勤時間を楽しく過ごしたい」「空腹を満たしたい」がジョブだった。
•その結果、「持ち運びしやすく、満腹感を与えるミルクシェイク」が最適解として商品改善が行われた。
ビジネスへの応用:
•新商品開発: 顧客の「ジョブ」に基づいて商品を設計する。
•マーケティング戦略: 広告メッセージを「ジョブ」に合わせて訴求。
•顧客分析: 購入動機を「ジョブ」として捉え、ターゲティングを再定義する。
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ジョブ理論の強みは、「顧客の行動の背後にある目的(ジョブ)」を掘り下げることで、新しい価値提供の道筋を発見できる点です。これは従来の属性分析とは異なるアプローチであり、顧客の生活シーンや行動を深掘りすることで、新たな製品・サービスの着想を得る手法です
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Posted by ブクログ
「顧客はなぜ自社の商品を買うのか」→「顧客はどんなジョブを片付けたくて、自社の商品を雇用するのか」ととらえるジョブ理論。
本書ではデータばかりにとらわれ、相関関係をもとに策を出すのは間違いだと批判している。相関関係は因果関係ではない。顧客がどんな『片付けるべきジョブ』を抱えているのかを知り、向き合って寄り添うことの大切さを説いている。
「顧客がほしいのはドリルではなく穴」の例が本書内でも紹介されているなど、決して目新しかったり難解だったりする理論ではないが、大切なことを述べている。最近のポピュラーなビジネス書ほどの読みやすさはないけれど、事例紹介も多いので経営学の土台がなくても全然読み切れる。一度は触れておいて損はない本。