ジョン・ゴールズワージーのレビュー一覧

  • 林檎の樹

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    ジョン・ゴールズワージー
    (英語:John Galsworthy、1867年8月14日 - 1933年1月31日)は、イギリス(イングランド)のサリー州(現ロンドン市キングストン・アポン・テムズ王立特別区)出身の小説家、劇作家。日本では『林檎の樹』の著作で知られ、世界的には1906年から1921年の間に書かれた『フォーサイト家物語(英語版)』の作者として知られている。また、1921年に国際ペンクラブが発足すると、1923年から1933年にかけてその初代会長を務め、1932年にはラドヤード・キップリングに次いで、イギリス人として2人目となるノーベル文学賞を受賞したことで名高い。生まれ

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    2025年12月01日
  • 林檎の樹

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    ネタバレ

    表現がきれいで場景の美しさに惹きこまれます。
    読む前にレビューをいくつか見て、主人公がとてもひどい男なのかと思いながら読んでいましたが、私はそんなに悪い人間とは思いませんでした。結果だけ見れば悲劇が起こってしまったけれど、別の選択をしていても果たして…?          心理描写もうまく、回りくどさや無駄がない。それなのに主人公の心情がよく伝わってくる。
    外国文学にしてはかなり読みやすかったです。

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    2019年05月22日
  • 林檎の樹

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    まさに傑作!
    現代においても色あせないテーマ設定に主人公の苦悩の描き方が抜群に上手い!
    ラストは山川方夫の『夏の葬列』を思わせる素晴らしい急展開だね~(こう書くとオチがバレてしまいそうだけど)。
    ちなみに国際ペンクラブの初代会長です。

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    2011年12月10日
  • 林檎の樹

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    昭和56年のこの新潮文庫(カヴァーは違っていたけれど)を読んだのが初めてだったと思う。月光を浴びて花咲く林檎の樹、その下で愛を誓う……、私にはこれ以上ないほどの愛の誓いに思われた。誓いは悲しくも果たされることがない。そのことがわかってもなお、林檎の樹は、その物語は、私にとって美しいもののように感じられた。私は若かったのだろうか……。

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    2011年07月19日
  • 林檎の樹

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    今頃初めて読みました。字体も小さく古い作品なので馴染めるかなと思いましたが、読んでみると主人公の心情が分かりやすくて読みやすかったです。せつない内容ではあるけれど、当時の雰囲気や哀愁なども感じられて好みの作品でした。

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    2025年11月21日
  • 林檎の樹

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    妻との旅行で立ち寄ったとある田舎で、男は若かった頃の恋を思い出す。そのように回想として始まる物語。

    これは…
    なんといっても田舎娘のミーガンが可愛らしい!主人公のシーツをくんかくんかしていた彼女にメロメロです(笑)声を出して笑ってしまいました。
    時に情熱的に、時にいじらしく、
    心を捕らえて話さない彼女の不思議な魅力に惚れてしまいます。都会に出てきて主人公を探す場面の悲壮感、胸がギリギリと痛むようでした。

    ミーガンが素晴らしく愛らしい女性であるだけに、身勝手な主人公にはイライラしてしまいます。彼の気持ちは分かるけど、やっぱり自分本意の言い訳でしかないんですよね。

    全編、主人公の語りではあり

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    2013年11月12日
  • 林檎の樹

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    美しく、悲しく、甘酸っぱい、林檎の匂いが漂ってくる物語。
    遠くまで主人公を探すミーガン、林檎の木の下でただずむミーガン。

    最期は、ハムレットのオーフィリアのようだった。

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    2013年06月19日
  • 林檎の樹

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    身勝手な男と純粋な女性の恋愛小説、と言ってしまえばそれまでですが、風景の描写や気持ちの揺れが細やかに描かれていて、何度となく読みたくなる本です。

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    2012年11月11日
  • 林檎の樹

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    若き日の過ちと過ぎ去った青春。
    青年の揺れ動く恋心を描いた作品。
    彼女の最期を聞いて、彼は何を思ったのか。
    淡く切ない悲恋の物語を、詩的な文章が美しさを際立たせている。
    この無常な結末は″飽満と倦怠に苦しむ近代人の悲哀を語っている″という解説の言葉に頷ける。
    この小説のテーマ、シンボルである″黄金なる林檎の樹″の元ネタ、ギリシャ悲劇の『ヒッポリュトス』も読んでみたい。

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    2012年09月24日
  • 林檎の樹

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    何気にこれがキッカケで私は読書にハマったと言えなくもない。面白いかつまらないかなら面白いんだけど、それ以上に思い入れの方が強いかも…。

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    2011年02月01日
  • 林檎の樹

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    年老いた男の、銀婚式の日の話。
    林檎の木と、過去の自分と、素敵な女性の話。

    神話に描かれるひとつの愛をモチーフとしてそのテーマにそって書かれた作品。
    そんな銀婚式も、あるのかもしれない。

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    2009年10月04日
  • 林檎の樹

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    ジョン・ゴールズワージー(1867 -1933)による、美しい一幅の絵のような物語である。
    銀婚式を迎える日、初老のフランク・アシャーストは妻を伴い、思い出の地デヴォンシャーを訪れる。
    目的地の手前の美しい田舎の風景に妻が目を留め、スケッチを始めたとき、アシャーストはふと、若き日の恋を思い出す。そう、それはまさにこの地だった。
    林檎の樹の下で、神秘的な美しい少女、ミーガンと、彼は恋をしたのだ。
    ウェールズ出身の農場の娘と、上流階級の前途洋々たる青年。
    およそ身分違いの恋だが、娘の美しさ、純真さ、素朴さに彼はときめいた。林檎の樹の下で交わした甘やかな接吻は、この娘とともにこの先の人生を生きること

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    2016年09月11日
  • 林檎の樹

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    燃えさかるほどの、無垢で純粋な愛。
    愛を守るため神話の中に生きるのか
    罪悪を背負いながら現実で生きてゆくのか。

    美しいままであった彼女は永遠ともいえる。
    神話の中のような世界への憧れ、のようなものを感じた。
    ただ、所詮キリスト教徒でない私には本当には理解できないのじゃないか、なんて。

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    2016年05月11日
  • 林檎の樹

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    ひと夏の恋ならぬ、ひと春の恋。初老のアシャーストは銀婚式の日に思い出の地に立ち、若き日を回想する。

    夢と現実とどちらかの選択を迫られた時、多くの人間は現実を選ぶ。たとえその夢がどんなに美しかろうとも、夢の中では生きられないことを知っているからだ。

    イギリスデボンシャーのムーア(荒原地帯)の春が香り立つようだった。恋に落ちる二人と同じくらいに、春を謳歌する植物や生き物に存在感がある。バーネットの「秘密の花園」に似ているなと思ったら、あの物語の舞台もイギリスのムーアなのだ。たしか私がムーアを初めて知ったのは「秘密の花園」の中だった。

    作者のゴールズワージーは1932年にノーベル文学賞を受賞し

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    2015年01月24日
  • 林檎の樹

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    いつか自分も通った道。
    若気の至りといえばそれまでだけど、今思えば苦くも美しい思い出。
    事の顛末に過ぎ去った日々を振り返っても、何かを感じても何も思うことはないのではと思うのは、かつて若さを盾にしていた身勝手なわたしだけかな。

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    2013年03月14日
  • 林檎の樹

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    ネタバレ

    「私、あなたと御いっしょにいられるのでしたら――もうそれだけでいいんですの」


    哀しい余韻の残る話だった。

    自分が恋したひとと、それがすべてになってしまったミーガンも。
    一時の過ち、とばかりにそれを捨てたアシャーストも。
    それを見守るしかなかったジョーもジムも。

    どこか愚かで、どこか尊い。

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    2011年10月02日