ジェフ・ジャイルズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の父はユダヤ人指導者を殺害し逮捕された後、刑務所の中から計画・指導して93年の世界貿易センターの爆破テロを起こした人物。著者は憎しみの連鎖を断ち切るために、現在反テロリズムの活動をしている。
アメリカ国内最初の大規模テロの犯人となった父親。愛情深かった父が、イスラム教徒への差別、憎悪により陥れられてダークサイドに堕ち変貌していく過程が非常に辛い。父親への愛情と憎悪に揺れる少年時代の著者。テロリストの家族への差別、憎悪。憎しみの連鎖を断ち切るのは容易では無い。
著者は今でこそ反テロリズムの活動をし、支持されているけれど、当局のマークは一生消えることはないんだろうな。彼の子供時代はどこに行 -
Posted by ブクログ
犯罪加害者の家族に向けられる差別的な視線や、それを避けるために繰り返される引っ越しなど、「犯人」その人だけでなくその配偶者や両親・子どもにも多大な影響があります。
とりわけ、その犯罪が「テロ」であればなおさらです。
著者の父親は、アメリカ史上初のイスラム過激派による暗殺テロの実行犯である他、その後の爆破テロにもかかわったとして、終身刑を宣告されているアラブ生まれの男。
彼がどのような経験をしてイスラム過激派の思想に共鳴していったのか、またそれによって家族がどのように壊れていったのか、そしてまたその息子である著者がどのような経緯で非暴力と平和を訴えるようになったのか、赤裸々に描かれています。
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Posted by ブクログ
テロリストの息子という名のとおり、アメリカでテロを実行した父を持つザック・エブラヒムによる本。TEDがベースにあるためか、シンプルであっさりと読めてしまうが、彼の信念や目指す世界が感じられてとても良かった。
印象に残った言葉を引用する。
『争いを解決するために非暴力を示すことは 、受動的であることを意味しない 。被害者意識に甘んじたり 、侵略者の猛威を受け入れたりすることを意味しない 。必ずしも戦いを諦めるわけでもない 。その代わり 、敵対者をちゃんと人間と見なし 、彼らのニ ーズや恐怖を認識して共有し 、報復ではなく 、和解に向けて働きかけること 。』 -
Posted by ブクログ
題名につられて読んでみた。
この本の著者は、1990年に起きたアメリカ本土で初めて人の命を奪った最初のジハーディストで、1993年に世界貿易センターの一度目の爆破事件の計画を立てる手伝いを服役中に行った。
当時7歳だった著者の半生が書かれている。
そして、時間が経過して著者が調べたりして、なぜ父親がこのような事件を起こしたのか?という事と自分の父と一緒に銃の打ちっぱなしに行ったことなどの思い出とリンクして話を進めている。
そもそも父親も、最初からジハーディストではなかった。
しかし色々な身の上の不幸な事故や事件、そしてその事件の結果受けた体制の差別的な扱い(イスラム教への偏見)などが重な