イノベーションを持続的に起こすための参考書?!
イノベーションとは
発明ではない
財務的に持続可能でなければならない
本当に新しい要素はほとんどない
製品に限定されるものではない
として、それを引き起こすための方法が記載されています。
まず、本書では、イノベーションを10のタイプに分類しています
(1)利益モデル
(2)ネットワーク
(3)組織構造
(4)プロセス
(5)製品性能
(6)製品システム
(7)サービス
(8)チャネル
(9)ブランド
(10)顧客エンゲージメント
そしてそれぞれのタイプでのイノベーションを見つけるための質問とともに、企業のビジネスモデルを解説しています。
たとえばトヨタのリーン生産方式やイケアはプロセスのイノベーションです。
また、製品性能イノベーションだけでは不十分として、これに加えてほかのイノベーションも組み込む必要があり、結果、真似されにくく、持続可能な競争優位を築くことが可能となります。
つまり、ひとつだけのイノベーションではなく、10のタイプのイノベーションを複数個組み合わせることによって持続的な競争優位を築くことができるとしています。
具体的には、フォードやグーグル、マイクロソフトが上記10のタイプから、どれとどれを組み入れてイノベーションを起こしているかを解説しています。
まぁ、そりゃそうだよなって納得がいく説明です。
さらに、今度は逆に優良企業のビジネスの中からどのタイプのイノベーションが含まれているかを見つけ出す練習もあります。
これは、練習せずに読み進めてしまいました(笑)
そして後半ではイノベーションを引き起こすための方法について記載されています
・目的を明確にして
・コースを考える
自分たちのビジネス分野の市場の重心を分析し、そこの活動を重点的にやって競合に打ち勝つのか、重心をほかにシフトするのかを考えるとのこと
さらに、重心をほかにシフトするのはどんな状況になったときなのかも解説してくれています。
シフトにおいては、3つのシフトということで、
ビジネスモデル
プラットフォーム
顧客経験
をシフトするとのこと
また、イノベーションの野心レベル(へんな日本語)ということで
現状のものを変える
境界を変える
ゲームを変える
として、やはり、どれを選ぶかを考える必要があります。
これらをどう組み合わせるかによって、イノベーションを生み出し、強固にし、その作戦を考えていくというストーリのようです。
最後には、イノベーションを組織に組み込むためには、どうすればよいのかについて記載されています。
そのための4つの構成要素として
・取り組み方針
・組織
・資源とコンピテンシー
・評価基準とインセンティブ
として、それぞれに手を打つ必要があるとしています。
やっぱり、イノベーションを考える組織だけを作るのではうまくいかないのですね。
そして、それを実行していくにあたって、イノベーションのプロジェクトをどうマネージしていけばよいかが記載されています。
本書をよむことで、イノベーションはシステマティックに誰でもが起こせそうな気がします。
しかし、残念ながらその実現に向けては、読むだけではさっぱりわかりません。
だれか、この本をベースにわが社で分析、そして、イノベーションを引き起こしてほしいと思います。(他力本願!)
そのときに、初めて本書が理解できるのでは?と思います。(笑)
本書はビジネスモデルジェネレーションのパクリかと思えるような構成(大型の横開き本)となっていて、通勤電車の中で読むことができません。やっぱり、教科書、参考書のようにして使うしかないのでしょう。