松尾晋一のレビュー一覧

  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む

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    こちらも全く専門外ですが、不倫への刑罰のきつさ、乱心者の狼藉については監督する家族が代わりに処罰を受けることなどから当時の家族観が見れるのが面白い。

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    2025年11月22日
  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む

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    長い間に亘って綴られていたという貴重な史料を読み込んで判る内容が紹介されている一冊で、なかなかに興味深かった。出先の書店で見掛けて入手し、ゆっくりと読んだ。
    江戸時代の長崎には長崎奉行所という官署が在った。江戸時代には幕府が直轄した各地の主要な都市での仕事を行う「遠国奉行」と総称される奉行が任命され、その奉行が現地に入って仕事をする場所が奉行所だった。
    この時代の奉行所では、警察、刑事裁判も含めて地域の様々な事柄に纏わる業務が行われていた。奉行所というのは、現代で言えば、地方の様々な役目の役所や官署を幾つも兼ね備えたような機関であったのだ。その割には奉行所の機構は小規模なのだが、その辺は町に色

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    2025年02月28日
  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む

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    長崎奉行所の裁きの記録「犯科帳」。
    江戸時代における社会の実情と犯罪について、
    長崎という場所での特異性をも含め、分析し、紹介する。
    序章 江戸時代の「リアル」を知る
    第一章 長崎における「罪と罰」
    第二章 人間模様さまざま――酒、男女の仲、喧嘩口論
    第三章 犯罪者たちの素顔
    第四章 法をくぐり抜けようとする者たち――「抜荷」を事例に
    第五章 「隔離」された人びと
    終章 「犯科帳」とはどんな史料か
    ・おわりに ・主要参考文献・参考資料 ・あとがき
    ・巻末地図「江戸時代の長崎」

    事実は小説よりも奇なり。
    長崎奉行所の202年間の「犯科帳」145冊から見える
    裁きの記録は、江戸時代の、長崎という

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    2024年12月01日
  • 江戸幕府と国防

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    「自国は鎖国中である」と宣言すれば鎖国という状態を維持できるわけではなく、南蛮船、唐船、ロシア船などの来航に、繊細かつ臨機応変な対応があってこそ維持できたことがわかる。外交スタンスとして学ぶべきところが多いのではないだろうか?

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    2013年04月17日
  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む

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    鬼平犯科帳でおなじみの「犯科帳」
    それ自体は歴史資料なので結構読みにくいもの。それを時系列でまとめて読ませてくれる本。

    長崎という貿易都市の土地柄か、抜け荷に関わる犯罪が多い。
    また、万人平等の時代ではもちろんないので、罪の軽重はお上に脅威を与えたかどうかという感じ。お上的にどうでもいい犯罪はわりと軽い刑である。
    でも、男女間のゴタゴタは厳しくいきがち。

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    2025年10月30日
  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む

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    時代を知る資料としてよく調べて書いていると思うが、事件の内容がなかなか頭に入ってこなくて読みづらい。
    【目次】
    序章 江戸時代の「リアル」を知る
    第1章 長崎における「罪と罰」
    第2章 人間模様様々-酒、男女の仲、喧嘩口論
    第3章 犯罪者たちの素顔
    第4章 法をくぐり抜けようとする者たち-「抜け荷」を例に
    第5章 「隔離」された人たち
    終章 「犯科帳」はどんな史料か
    おわりに
    主要参考文献・参考資料
    あとがき

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    2025年01月28日
  • 江戸幕府と国防

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     「鎖国」下の徳川幕府による「異国船」対策、沿岸警備・海防体制の変容・変遷を長崎の状況を中心に明らかにしている。一般に近世の海防問題が自覚されるのは、せいぜいラクスマン来航以降、少し物知りでも「ハンベンゴロウ」事件以降で、江戸時代前期・中期は偶発的な漂流民を除けば、対外的な緊張関係はなかったように錯覚しがちだが、本書を読むとそうではないことがよくわかる。「鎖国」完成後もポルトガル船や英国船の貿易再開を目指す動きや、カトリック宣教師の潜入に対する危機はあり、また明清交替後は中国船の「海賊」行為が問題となり、 特に享保期には密貿易の「唐船」に対する武力行使や囮捜査による拿捕が敢行されるなど、「異国

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    2018年09月14日
  • 江戸幕府と国防

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     この本は、「一七世紀前半から一九世紀前半における幕府対外政策のなかでも異国船対策」(P.7)について述べている。この分析により、「ロシア船来航以後の新たな時代的課題に対応するために、どういった準備が幕府にできていたのか、逆に準備できていなかったのかが明らかにされる」(P.10)。「この時期にも、通商を目的としたポルトガル船、イギリス船の来航があった」(P.7)のであり、常に外国との接触の可能性はあったのだ。

     要約するに、
    「①キリスト教禁止の徹底にともなうなかで沿岸警備体制を充実させていった段階、②実際の異国船対応から明らかになった課題を克服して沿岸警備体制を再構築した段階、③民心交代後

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    2013年04月14日