ジーン・マリー・ラスカスのレビュー一覧

  • コンカッション

    Posted by ブクログ

    コンカッションとは脳震盪の意味。ナイジェリア移民のピッツバーグの検死医のノンフィクション・ストーリー。アメリカン・フットボール選手が、プレー中の度重なる衝撃からアルツハイマー症候群を発症することを発見する。NFLの組織的な隠蔽・サボタージュに屈せず真実を追求する。ウィル・スミス主演の映画の原作。
    衰退した鉄鋼の街であるピッツバーグの歴史、ナイジェリアの内戦の話、主人公オマルの長年の鬱病との闘病記、オマルのナイジェリアと米国の家族の物語、というストーリーが複層的に重なっており、まったく飽きない。
    東京→京都→大阪→DC→ダラス→NYの移動中に読破。

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    2018年05月02日
  • コンカッション

    Posted by ブクログ

    タイトルの『コンカッション』とは「脳震盪」のことだ。NFL(全米アメリカンフットボールリーグ)におけるプレー時の衝撃がプレイヤーの脳に与える影響をひとりの医師が究明していく過程を描いたものだ。

    主題はふたつ。ひとつはNFLという大きなスポーツビジネスにおける致命的な脳神経系における健康障害の実態。もうひとつは、ナイジェリア生まれの医師で、それがゆえに被ったであろう差別や不利益を産む現実。そして、このふたつに関してビジネス利権を背景にした不誠実な圧力が絡んでくることになる。

    読書前に期待していたのは後者のストーリーよりも前者の現実や危険性や対策についての科学的な分析や知見であった。そういう意

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    2016年08月07日