樋田敦子のレビュー一覧
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シングルマザーや非正規雇用といった世間に良く知られた理由だけでなく、様々なことが貧困につながることを痛感しました。
今現在がそうでなくてもいつ陥ってもおかしくないし、それは男性でも女性でも変わらないことだろうけど、まだまだ女性の方が「稼いで養う、稼いで生活する」という意味ではしんどい状況下におかれていると感じました。
また、この本を読んでいて「どこにどう頼ればいいかわからなかった」というケースが多いようにも思いました。
「児相や役所を頼った結果うやむやになった」ではなく、そもそも術がわからなかった、自分が頼っていいのかわからなかったというケース。
自治体やNPOさんがアナウンスを頑張っていら -
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無関心層の私には、向き合う機会としてちょうどよい分量。リアルなルポを読み、もはや貧困の原因を絶やすのは無理と感じた。日本人は生きる能力か低下している、低い人たちに引っ張っられて平均値が下がっている、と。少し先をよみ準備(お金、勉強)しておく、ただそれだけのことを、「社会がどう変化するかわからない」「自分の責任じゃなく社会のせい」という発想で放棄。妊娠するのはとても個人的なことだと思ってるんだが、そうは思ってない人たちがそこそこいるのな、ということにも少なからずショックうけた。ここまできたら貧困の根を絶やすのは時間かかりすぎるし体力もたなさそう。
そんな否定的な見方をしているから、貧困層に私財を -
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東大女子としてひとくくりはもちろんできないが、各章を読んでいて、自分の生き方を肯定していて、それを言語化して相手に伝えることのできる聡明さを感じた。それは、東大女子ではなくても、一人の人間としてできたほうが良いと思う。
また本の中でも出てきたが、「ノーブレスオブリージュ」の考え方にも賛成。高い学歴を得られた人は、自分の力だけではなく、環境が恵まれていたことにも気づいて、社会に還元していくべきだと思う。東大女子に限らず。
後書に書いてあった「女性が分断されて対立している場合ではない」というのも同意!
最後に、子を育てる母としては、どのように環境を作っていくのか、という点も参考になった。頭の柔らか -
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ネタバレ東大を出たあの子は幸せになったのか
~「頭のいい女子」のその後を追った~
著者:樋田敦子
発行:2018年12月5日
大和書房
表紙デザインから、ユーモラスでエッセイ的な取材ものだと想像していたが、硬派なルポルタージュだった。著者は明治大卒の元新聞記者で、年齢不明だが日航機墜落(1985年)を報道したとあるから、少なくとも50代後半以上。
東大卒の女性たちを次々に取材したルポだが、初っ端が電通の高橋まつりさんの母親だったので、読む方としても緊張する。同じ業界で働き、電通とも仕事をしてきた身として、色々と憶測や噂を聞いているが、真相はよく知らなかった。この本によると・・・
もはや東大はお金 -
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福嶋みずほさんが語る、女の子って何がしんどいかというと、アクセルとブレーキを一緒に踏むようなことがたびたびあることなんです、という言葉が心に残りました。努力して東大まで行って就職しても、女子の場合はその努力が幸せにつながるわけではない。
あと。登場する東大女子の多くが、私立の中高一貫校で、親も学歴の高い知的階級。本の中にあるデータによると、東大生の親の年収分布は950万円以上1550万円未満の層が増加していて、母親の36%が専業主婦、家庭の所在地は67.8%が関東、ということに驚愕。
東大は、教育にお金を注げる金銭的に恵まれた一部の特権階級のための大学なんだと痛感しました。こういうシステムと -
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テレビバラエティなどで現役女子東大生が、「東大生です、と言うと引かれる」といった「苦悩」を訴えることが時々ある。
その東大女子は、単にテレビのシナリオに乗っかっているだけかもしれんが、もうね、アホかと、馬鹿かと。
生まれつき知力が低い人、家庭環境に恵まれなかった人などからすれば、なんとくだらない悩みなのか。自分がどれだけ恵まれた体で生まれ、恵まれた環境で育てられてきたのか分からないのか。
東大女子の訴える「生きづらさ」なんてのは、ほんと、たくさん持っている者が、ちょっとだけ持っていないものを、大げさに羨んでいるだけである。たとえアスペルガーであってもだ。
自分が社会にインパクトを与えるだけの -
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ネタバレ東大卒の電通社員が過労により自殺した事によって書かれた本。
東大卒という括りでも、もちろん東大女子は様々で、元から頭が良かった者、努力で合格を勝ち取った者、両親のサポートがあった者、そうでない者など人それぞれ。
しかし殆どに共通する事は、目的があって東大を受験したという事。日本最難関である東京大学に入学できれば何もかも手に入れられる気がするが、彼女たちにとっての東大はあくまでも通過点。その先に夢を抱いている点が印象的だった。
「勉強ができるということは、苦労に苦労を重ねて手にした自分のアイデンティティ。苦労して手にした物にほど執着する傾向がある。」
「ホワンとしていたら舐められる。自