スタンリー・マクリスタルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元米軍司令官のマクリスタルが描くリーダー像。
軍人だけに指示命令型のリーダーシップの進化系みたいな話かと思うと、そうではない。
プルタルコスの英雄伝ふうに、リーダーを2人づつ比べながら、リーダーシップについて探求をしていく。その最初は(なぜか一人しかでてこない)、南軍のリー将軍。負けた側の将軍なのだが、リーダーとしては、アメリカの軍関係では尊敬され続けていたようなのだが、イラクで戦っていたマクリスタルは、そのリーダーとしてのあり方に疑問を抱き始める。
そういう問題意識をベースに、いろいろな人が取り上げられて、こう言う資質や行動がリーダーにとって必要みたいな法則はないということを示していく。
そこまでであれば、従来のリーダーシップ論における条件適合理論と一緒じゃないかと思うのだが、読み進めると、マクリスタル将軍はそこで止まらすコンテキストとか、関係性、象徴作用の重要性というところに着地する。
一見、条件適合理論と似ているようにも思えるのだが、条件適合理論では、条件によってリーダーとして必要な「行動」が違うという行動主義(条件→行動)の範疇にいるのと比較すると、その違いは明らかである。
つまり、個人主義、行動主義的なリーダーシップ論から、関係性、言語・認知、つまりナラティヴ・アプローチに近接しているわけだ。
マクリスタル恐るべし、だな〜。
そして、もっとも過酷で、VUCAな状況のなか機能する、生き残ったリーダーシップ論が、しばしば「理論的すぎる」と批判されるナラティヴ・アプローチに近づいているというのはとても興味深いことだ。 -
Posted by ブクログ
著者は元米軍大将。アルカイダに手を焼くなかで、どのようにして組織を変化させやがて相手を駆逐するに至ったかを描く。
特殊部隊のような素晴らしい戦力を持っていても、神出鬼没な民兵集団に苦しめられる。以前は命令型の組織運営でよかったことが、予測不可能な現代ではもはや通用しなくなっていることに直面する。
ビフォーアフターを個人的にまとめると、予測vs適応。統制vs委譲。情報保持(囚人のジレンマ)vs情報の透明性。MECEvsオーバーラッピングとなる。
本書の終盤において「優れたリーダーとは菜園主になることだ」と説く。これは妙を得た言葉である。植物は自分の指示ではどうすることもできない。植物が自ら育っていくように、水をやり、草をむしり、継続的に手入れを重ねること。思わず頷く。