ロスタンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シラノは詩人で軍人、敵をわんさか作ってしまうけど、心優しい剣士。
しかし、彼の鼻は大きく醜い。それを気にして、秘かな想い人・ロクサーヌにも想いを告げられずにいた。そこに、ロクサーヌに恋した美青年・クリスチャンが現れ、彼の恋が成就するよう尽くすのだが…
台本のような本で、読んでて楽しい。舞台を観ている感覚!
内容もかなり好き。シラノが決闘しながら、バラードを作るとこ、後は何と言っても最後のシーン‼︎
空元気でロクサーヌを訪れるシラノ。そこで、最後の手紙を読む。
「そのお声は…」
「そのお声は!」
洒落てる。
1世紀前の人にも人気があった『シラノ』。今でも通じる面白さって、凄い。 -
Posted by ブクログ
映画『愛しのロクサーヌ』を見て気に入り、この作品が元ネタということで購入。
頭が良く、勇敢なシラノ。しかし、その大鼻のために、愛するロクサーヌに愛を伝えることが出来ない。
そのうち、美男子クリスチャンとロクサーヌは惹かれあって、シラノはクリスチャンを応援するために彼の代わりに愛を語り、戦火の中手紙まで代筆する。
どこまでも、まっすぐにロクサーヌを愛するシラノ。
最後まで愛する彼女の唇に口づけすることのできない彼は、哀しく美しい。
ロクサーヌが、手紙の送り主はシラノだと気づくやりとりは素晴らしく、思わずため息が出ました。
ただ、ロクサーヌに強い個性がなく、ただ美しい言葉、容姿に惑わされる「かわいい女」にしか思えませんでした… -
Posted by ブクログ
即興で素晴らしい詩を詠み、音楽家として美しい歌を披露、熱血漢な剣客でもある知的で多才なシラノ・ド・ベルジュラック。しかし唯一特徴的な鼻が災いして恋には後ろ向きな男性でもある。シラノは従妹ロクサーヌに想いを寄せているが、ロクサーヌが容姿端麗なクリスチャンに心奪われていることを知り、ロクサーヌとクリスチャンの恋がうまくいくようとことん脇役に徹する――。
シラノというキャラクターに惹かれる理由は、日本の古き良き武士道のような気風を感じるせいかもしれません。表向きは豪気に振舞いながらも、心のなかでは不器用なほど素直でまっすぐな想いを抱えている。自分の心を偽り、男女の恋の成就に尽力する。彼女の喜ぶ顔が見たいから。彼女に幸せを掴んでほしいから。すべては愛するロクサーヌのために。
個人的に「かっこいい男」の代名詞と言えば映画『紅の豚』のポルコ(マルコ)がぶっちぎりの首位なのですが、シラノもまた、ポルコに迫るほどの良い男ぶりを発揮しています。よくよく考えると飛行機を乗り回しパイロットとして他を寄せ付けない腕を持ちながらも、親友への遠慮からジーナとの関係に踏み込めずにいるポルコと本作主人公のシラノは、どこからしら近い気質を感じるのは私だけでしょうか。
戯曲ならではの印象的なフレーズも多く飛び交います。冒頭は注の多さのとっつきにくさも感じましたが、次第に一つの舞台で、客席から出演陣の熱のこもった演技を追っているかのようにストーリーに没頭できました。
今回は光文社版を読みましたが、いつか岩波版も読んで訳の違いを楽しんでみたいです。