ロスタンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
衒いの無い清純で典型的な筋書きの物語であること、そして読む側にアイロニーの構えを要求しないこと。これが古典の要件ではないだろうか。或いは、古典という金看板が無ければ、もはやアイロニー抜きで純粋に物語を愉しむことができなくなっている、そういう状況なのかもしれない。
"俺たちはな、ただ名前ばかりがシャボン玉のように
膨らんだ、夢幻の恋人に恋い焦がれている。"
片想いの巧みな表現。
"恋する時は、才気など、わたしはいらぬ。
そんな才気の遣り取りに現を抜かす、許せない罪だ!
それにいつかは必ず、その時が来る、
――それを知らずに終わる奴は、哀れとしか言