ジョーゼフ ヘラーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<翻訳文学試食会>で名前が出ていたので読んでみた。かなりの難物でした(^_^;)
第二次世界大戦中に、イタリアの近くのピアノーサ島に駐屯するアメリカ空軍部隊がある。
主人公はアッシリア系アメリカ人で爆撃助手のヨッサリアン。彼は「生き残る」ことを第一としていた。そのためには手段を選ばない!そもそも空軍を希望したのだって、長い長い訓練期間のうちに戦争が終わるだろうと思ったから。だって神様は俺達の味方らしいし、戦争はすぐに終わるんだろ。
でもヨッサリアンが前線に送られても戦争は続いている。
どんな物語か掴めず苦労した…(+_+;)
まず文章が回りくどい。
「彼のことを知っているのは、彼のことを -
Posted by ブクログ
上巻は問答するやり取りやキャラクターの突飛な行動が面白く、ときには吹き出すくらいに笑えた。
下巻はどうなるのかと思ってたら、今度はとても怖い展開になっていく。
上巻で登場していた、前の章(とは言っても時間軸のズレはあるが)で生きていた人間たちが、呆気なく、理不尽に死んでいく。
戦場で死ぬのならまだ理解も追いつくが、なかには味方が自らの利益を生むために、その犠牲になって死んでしまう人間もいる。
上巻以上にその理不尽さは高まる。
ヨッサリアンは味方の死を伝えに行けば殴られ、蹴られ、殺されそうになったりしていて、ドタバタ感はあるものの常に死がついてくるような緊張感がある。
だが、意外な人物が最後に一 -
Posted by ブクログ
第二次世界大戦中、地中海の小島にあるアメリカ軍の基地から爆撃に向かう航空兵士たち。
主人公のヨッサリアンは規定の飛行回数を過ぎたにも関わらず、上官の気分で規定の飛行回数が増やされる。その状況に、このままではいつか死んでしまうと思い生き延びようと、狂ったフリをする。
しかし、そのヨッサリアンの前に軍規であるキャッチ=22が立ちはだかる。
キャッチ=22は、本当に狂った人間は狂ってることを証明しようとしないで出撃するはずである。出撃を拒否することはつまり正気である、という不条理で実態のない軍規であった。
不条理な状況に晒されるヨッサリアンを可哀想だと思うのだが、多くの軍人たちとのやり取りもめちゃ -
Posted by ブクログ
ジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22〔新版〕(下)』ハヤカワ文庫。
早川書房創立70周年を記念し、企画されたハヤカワ文庫補完計画、全70点の1冊。大好きな映画『BIG WEDNESDAY』にチラっと登場した小説で、当時から読んでみたいと思っていた。映画では主人公のジャックの母親がジャックたちの乱痴気騒ぎに眉をひそめながら読んでいたのだ。
戦争の馬鹿らしさを諷刺的に描いた一種の反戦小説なのだが、白々しさばかり感じた。アメリカは建国の歴史そのものが暴力と殺戮で血にまみれ、現代に於いても石油の利権や自国の経済成長のためならば他国に戦争を仕掛ける、とんでもない国だと思う。そんなアメリカの大統領と呼ば