パク・ヨンミのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
13歳で脱北した著者の自伝。こんな公に出て大丈夫なのだろうかと妙な心配をしてしまいます。何しろ謎に包まれた北朝鮮。何をするか分からない国、一握りの人間だけが富み、大半の人々が飢えているかもしれない国。そんなイメージしかなかったのですが、著者が語った状況は私の想像を超えていました。
歴史の中で、北朝鮮のように国民を洗脳(と言っていいのか、情報統制と言っていいのか)した政治を行った国はあったと思いますが、そう永くは続いていないと思うのですよね。国民が国を逃げ出さなくてはならない国というのはどうなのでしょう。著者のように苦難があったとはいえ運良く逃げることが出来た場合は良いけれど、そうでない場合も -
Posted by ブクログ
ヨンミ氏の体験は壮絶である。しかし本書の感想を独裁国家や管理国家の怖さに収束すべきではない。
真の恐怖は、教育や文化、経験から生じる異執が常態化することにある。例えば彼女自身が体験していない大日本帝国による併合を嫌悪感を持って語ったり、他方でモンゴル入国まで金一族に対する痛烈な批判はなかったり、またヨンミ氏自身も人身売買に関わっていたり。ヨンミ氏を責めているのではない。彼女は13歳から15歳の時期をこの環境で生をつなぐしかなかったのだ。
私が言いたいのは、資本主義国家か共産主義国家か問わず糾弾されるべき事態が、北朝鮮国家が存続することによって常識化し、そうした精神的構造に国民が毒され続けて -
Posted by ブクログ
これは、北朝鮮から生きるために脱北したパク・ヨンミの自著伝だ。勇気を出して自分や母の経験した壮絶な脱北行を。
脱北前後の長い旅のあいだには、人間が人間にこれほどおそろしいことができるのかと思うようなことも目撃してきた。そのいっぽうで、およそ考えうる最悪の状況においても、人がやさしさや親切さや犠牲心を発揮するのも見てきた。人が生きのびるために人間性の一部を失うことがあるのも知っている。と同時に、人間の尊厳という火が完全に消えることはないのも知っている。
自由という酸素と愛の力があれば、その火がふたたび燃えあがることも。
これは、著者自身が生きるためにした選択の物語だ
身分を表す出身成分は三つ -
Posted by ブクログ
北朝鮮から中国に行きそして韓国へ行った
北朝鮮の女性のノンフィクションです。
本の中の写真を見たら 写真も撮れるし 綺麗な服を着ていたのに
どうして 脱北したのだろうと 読んでいくと
北朝鮮の社会というものが わかってきました。
中国へ行ってからも 大変な思いをして
やっと自由になった パクさんですが
このような 本を書いちゃって大丈夫かしら?と 心配になりましたが
これだけ反響のある本を書いたのだから 人目を集めてるし大丈夫でしょう。
それにしても
北朝鮮もひどい国ですが 中国のブローカー達もひどいです。
女性はいつも こういうつらい目にあってしまいます。
この本が出たことで 今後同じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ13歳で脱北した少女パク・ヨンミが自らの体験をつづった手記の全訳。
私の中で、北朝鮮という国がこの時代に平行して存在しているという実感がわかない。本書を読んで一部理解するも、完全に破綻しているはずなのに国家として存続していることが不思議でたまらない。北朝鮮という国はいつ終わるのか。自由を手に入れた著者は、時代に望まれ、愛すべき故郷を終わらせるために人権活動を開始する。
(以下本文より)
北朝鮮では「成分」と呼ばれる身分で人生が決まる。
政府が人々の行動や発言だけではなく、感性や情緒の面でもコントロールし、個人の主体性を破壊し、国民にものを考えさせないようにしている。
不死身と思われていた金正日