串田久治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
儒教の中のさまざまな思想やエピソードをわかりやすく解説しながら、教条主義的な態度からもっとも遠く離れた、現実のなかに生きて働く知恵を解説している本です。
儒教といえば封建的な道徳思想というイメージがつきまとっていますが、本書はそのイメージを覆すようなさまざまな事例を紹介しています。たとえば離婚の条件である「七去」は、女性を抑圧するもののように考えられますが、著者は離婚が認められない場合を規定した「三不去」という条件も存在していたことを紹介します。そして、男尊女卑の社会思想の背後にある現実主義的な側面に、読者の目を向けさせようとしています。
複雑な現実のなかで活かされてきた儒教の奥深さを知る