北林優のレビュー一覧
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北林優『ミッドナイトブルー 警視庁鑑識課』徳間文庫。
シリーズ第2弾。第3弾まで刊行されているシリーズなのだが、何故か第2弾から読み始める。警視庁鑑識課の女性鑑識官・松原唯が活躍する警察小説である。複雑なプロットを表現するだけの筆力が無いためか、余りに唐突な描写と馴染みの無い言葉の使い回しが目に付いてしまう。事件を描きたかったのか、警察組織を描きたかったのか、それとも松原唯の出生に纏わる過去を描きたかったのか…
江戸川沿いの河川敷で見付かった男性の刺殺事件を担当することになった警視庁第一現場鑑識係第六班の松原唯は警察内部の軋轢と戦いながら、警視庁捜査課強行犯捜査六係の権堂、新任の村上ととも -
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北林優『鎮静剤 警視庁鑑識課』徳間文庫。
シリーズ第3弾。やはり主人公と事件の中核がはっきりせず、散逸的なイメージしか残らない作品だった。贅肉が多過ぎるのだ。描きたいことは山程あるのだろうが、そこをグッと抑えてこその小説ではないだろうか。故人に鞭を打つつもりはないのだが、贅肉を削ぎ落とせば凄い傑作になったはずなので、非常に惜しいのだ。
警視庁鑑識課に勤務する松原唯は繁華街で見付かった女性の不審死事件を担当する。唯は警察内部の軋轢、自分自身の過去と現在と向き合いながら、事件の真相へ近付いていく…
シリーズは第4弾の途中まで描かれたところで著者の病死により絶筆。残念… -
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ネタバレ警視庁鑑識課課員・松原唯。肩書きは警部。
母は何者かによって殺され、その数年後に父は母の墓前で自ら命を絶った。
犯人はいまだ捕まってはいない。
重すぎる過去を持つ唯には、どこか臆病なところがあり、少年の純粋さと妙に大人びたレオに対しては不器用な優しさを示すこともある。
唯ほどの極端さはないにしても、人間関係に臆病な人は多い。
経験がそうさせるのか、もともと傷つくことに対しての恐怖が大きいのか。
それは人それぞれの事情がそうさせるのだろう。
日常生活は普通に送ることが出来るのに、プライベートでのつきあいでは堅い殻に閉じこもってしまいがちな傾向は、意外に現代では珍しいことではないのかもしれない。