岡本学のレビュー一覧

  • 再起動

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    理系の人は、プログラミングや数字で完全にコントロールできるシステム構築をして運用することに自分の神性を感じるのかもしれない。でも完璧なシステムを作ったりしてもどうしても残り続けるバグや論理では説明できないことがあって、そこに宗教性や神の存在を説明しているのだと思った。論理的な正当性から外れる部分を神にしか起こせない超現象として作者は捉えているのかなと思い興味深かった。

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    2022年03月17日
  • アウア・エイジ(our age)

    購入済み

    アウアエイジを読んで

    アウアエイジを読んで、青春時代の淡い思い出がよみがえりました。若い時代にどうしても、未解決の問題を抱えるものです。それが何十年の時を経て叶えられるなんて羨ましいことです。

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    2020年08月09日
  • 再起動

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    ネタバレ

    大学時代からの友人であった僕とクォーター、ふたりはビジネスとしての宗教法人を設立する。名前はリブート教。ありもしない自身の再起動を目指して修行をする信者たち。だが、僕が考えた嘘の教義にクォーターが心酔して修行を始めてしまい…。
    うすら寒い話だった。シンプルになりたいと願う気持ちはわからなくもないけど、余計な機能を削ぎ落とすことが果たして幸せなのか、と考えてしまった。

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    2018年08月20日
  • 架空列車

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    何か、すごくじわじわくる話。
    主人公の『僕』は他人と関わることがうまくできず、ひとりで東北の街に暮らし始め、その街に架空の鉄道を走らせることに熱中するの。
    そのさまが延々描かれるから、この話はどう終わるのか…と思いながら、だけどその行動の詳細がおもしろくて読んでいたら、ある大きな出来事が…。
    そこからの『僕』の行動や思いがまたおもしろくて…何か『僕』が愛おしくなりました。あの出来事の後の周りの人たちも私と同じ思いで『僕』を見てたんじゃないかしら…『僕』が気づいてないだけで。

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    2012年08月03日
  • 架空列車

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    厭世を極めた主人公が始めた一人遊びが予想外の方向に進んでいく話。前半はあまり面白くないけど後半がすごく良かった。

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    2025年11月06日
  • アウア・エイジ(our age)

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    20年以上前の学生時代、映写技師バイトの日々を懐古する。
    謎の塔の写真と、それを一緒に探した女性の思い出と。

    知らないはずのノスタルジアに心奪われ。
    美しさと刹那さとかなりの危うさと…「忘れられない女」の描写が魅力的すぎた。
    こんなの一生心に残ってしまうね。

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    2024年09月25日
  • アウア・エイジ(our age)

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    つながっている。
    つなげていく。
    そしてだれかを勇気づける。
    それが使命。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    第163回芥川賞候補作。

    一緒に、塔を探しに行かないか?
    生き迷う男。謎を残して死んだ女。…大学教師の私に届いた、学生時代にバイトをしていた映画館からの招待状。映写室の壁に貼られたままの写真に、20年前の記憶がよみがえる。

    ⚫︎感想
    ミステリー仕立ての純文学として、最後まで大変興味深く読むことができた。不思議な女性ミスミ。塔、映写機、思い出、カレーライス、数学、さまざまな小道具やエピソードがつながって、男の記憶を掘り起こし、ひとりの女性像を結ばせる。切な

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    2024年01月23日
  • 再起動

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    システムのメタ構造に飲み込まれる!
    自由選択は本当に自由選択なのか?させられていないか?

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    「僕」は親友と教団を作ることにした。その名も「リブート(再起動)教」。人格をPCのソフトウェアに見立て、「修行を積めば、不要な機能をオフにして再起動できる」そんな教義だった……。どこか怖ろしくも切ない、一気読みの中編「再起動」。他に自作の相撲ゲームを究めようとする男と架空の力士「高田山」を通して「神」を描くユーモラスな短編「高田山は、勝った」を収録。


    僕は、大学時代からの親友と教団を作り、起業した。その名も「リブート(再起動)教」。
    人格を

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    2023年11月19日
  • 架空列車

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    『架空列車』

    岡本学さん

    これからはもう自分の改善もしないと決めた主人公。
    無意味な事をしたくて、地図を眺めているうちに架空鉄道を作り、毎日毎日自転車で架空列車の実運行をしていく。

    そこに突然地震がくる話し。

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    2016年05月09日
  • 再起動

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    社会の一歯車となるのを嫌う『僕』は、無知で稚拙な友人『クォーター』と会社を設立する。事業は順調すぎるほどに成長し、やがて自分たちの手に余るほど大きくなったところで買収された。次に僕が始めたのは『神』を作ること、宗教法人を一から作り上げることだった。でたらめなもののはずだったのに、再起動したと宣言する信者たちが次々と現れ…。

    宗教というスピリチュアルなものを、パソコンの再起動から造り上げるというのが面白い。
    歯車になるのが嫌で作り出す側に回ったはずだったのに、やがてもっと大きな歯車の一部だったと気づく、フラクタル構造のような概念は、もう一遍の「高田山は、勝った」の方がもっとわかりやすいか。

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    2024年07月03日
  • 架空列車

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    ネタバレ

    終着は終着、これ以上なにかを求めて逃げることも戻ることもない。
    主人公は家族も職も失って、東北の沿岸に逃げてきた男性。遺産と貯金をたよりに、ただ人生の期限だけを定めてその街に住み着いた。
    絶望することにも退屈した彼が、暇つぶしに思いついたのは"架空の路線を走らせること"。どう路線図を引くべきか、駅間の運転には何分を要するか、ダイヤをどう組むか。彼自身が<架空列車>となって、来る日も来る日も自転車に乗って街を駆ける。
    やがて彼は欲や執着が出てくる。なんの対価も得られない遊びへの白けた気持ちに蓋をするが、そんな日々を突如ぶち壊したのが、東日本大震災だった。
    すでに何もかもを失った彼を同士とみなし接

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    2022年01月23日
  • アウア・エイジ(our age)

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    なんで童貞にそんなこだわるのよ、と思うが女の私にとって童貞であることのコンプレックスは真にはわかんないんだろうな。

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    2021年02月22日
  • アウア・エイジ(our age)

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    芥川賞にノミネートされるタイプの小説はあまり読まないが、映画館の話なのが気になったので読んでみた。塔を探す話って何かなかったっけ…。謎の写真と謎の女と謎のカレーについては感想が難しい。映画館のバイトのところは面白く読んだ。

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    2020年09月23日
  • 架空列車

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    ネタバレ

    最後、自分は変わらず架空列車として走り続ける、とある。けれど道路整備や伝達をして小さなことだけど誰かの役に立てていたことに気づくことができない主人公だから、何か本人が気づかないうちに彼は変わっていくこともあるんじゃないかと、私には希望が持てる終わりでした。

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    2018年11月13日
  • 再起動

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    ネタバレ

    二人のIT起業家がビジネスで始めたインチキ宗教法人「リブート教」。それが創始者の意思に反して生き物の様に成長していく話。
    以下感想。
    リブート教のシンプルでシステマチックな理想と原理は正にコンピュータシステムを彷彿とさせるもので、信者(人間)さえもシステムに組み込まれた一部品であり感情や苦悩もアンインストール可能な機能という考えは、理路整然として面白い設定だった。
    自分は自分の意思で決定していると思っていても、システムの一部でしかなく、インチキと分かっているはずの創始者でさえもそのシステムの流れには逆らえない。
    システム開発者が巨大なシステムを制御しているつもりでも、いつの間にかシステムに支配

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    2017年06月18日
  • 再起動

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    表題作がさらっとこわくてよかった。
    山田悠介先生作品ぽい?星新一先生も入ってるかな。
    2作目はちょっと意味がわからず。

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    2017年05月28日
  • 架空列車

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    ネタバレ

    昨年(2012年)の群像新人賞受賞作品。
    理系の准教授が書いた、というおたくな世界だけれど、後半の3.11のところからがよかった。
    最後の結論(?)はどうかなと思ったけれど、僕(主人公)の世界の完結という意味ではいいかなとも思う。
    全体的に(架空の路線をつくり、電車を走らせるのも)興味深く読めた。

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    2013年11月30日
  • 架空列車

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    ネタバレ

    人とうまく接することができない僕は
    東京で働くことを諦め、逃げ出すように東北へ行った。

    そこを最後の地として、仕事もせずに最低限の暮らしをするなか
    その土地に架空の鉄道を作ることに生きがいを感じ
    一人で盛り上がり日々達成感に包まれていた矢先に起きた3.11の震災。

    人々は家族や財産に尊い思い出までもを失うのにたいし、
    無職で家族もたいした貯蓄もない僕が失ったものは、一体なんであろうか。

    架空列車とか特殊すぎて最初読むのがとてもつらかった。

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    2012年11月10日
  • 架空列車

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    3.11の震災に絡めての話だった

    最初読み始めは分からなかったから
    ちょっとショックもでもあった

    話的には、列車や地理の話が色濃くって
    旅行好きの興味をひいた。

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    2012年09月30日