ピーター・ゼイハンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、今度は石油やその他のエネルギーや金属資源、工業製品、食料(農業)の観点から世界を俯瞰。
産業の発展に欠かせなかった灯りは、まずは鯨油、そして石炭と続き、最終的に石油が使われるようになった。その後、石油は主にガソリン、石油精製品に使われるようになり、電力は天然ガスにシフト。石油は中東、旧ソ連、北米で算出されており、特にカナダのサンドオイル、アメリカのシェールオイルにより、アメリカは石油すらもある程度自給が可能に。また天然ガスもシェールガスと呼ばれる副産物で確保可能。
グリーンテックはそのコストからしばらく本格的な普及は難しく、電気自動車自体が実はその製造段階から多大なCO2を -
Posted by ブクログ
資本主義は常に拡大していくことが求められているが、多くの先進国で高齢化が進み、人口減少が現実味を帯びてきたため、この「より多く」が成り立たなくなってきた。
特に、工業化も後から工業化を開始した国ほどかかった期間が短かったように、高齢化も中国などは日本よりも猛烈な勢いで高齢化している。
戦後から2020年ごろに至るまでの期間は、アメリカが戦後の世界秩序を自ら守っていた極めて稀有な平和な時代であった。こうした世界の警察たる役目を終え、世界のサプライチェーンは危険に晒される可能性が高まった。結果的に各国はより小さな経済圏で安全を確保しながら生活していくことを余儀なくされる。
そうした中、アメリ -
Posted by ブクログ
米関税政策の反グローバリズムが意識される中、ある意味タイムリーな本。
各国がグローバル経済のメリットを享受する一方、米国はそのための世界の海洋秩序を維持する軍事費負担が割に合わなくなっている。世界の先進国の経済が高齢化のために今後は大きな成長が見込めなくなる(日本はその先頭)こともその背景。
特に第二部 輸送 では、グローバルな海洋の安全が国際輸送の前提であり、低コストで安全な輸送がグローバル経済の前提であることが示されます。アメリカの海洋覇権と各国の貿易秩序への大きな意味での利害の一致がこれまでの幸せな状況を生んできたが、こうした状況はもう長くは続かない。それはグローバルな分業を前提に複雑か -
Posted by ブクログ
地政学は面白い。歴史であれ政治・経済であれ、その場所の持つ特性からは逃れられないから、地政学を出発点にして考えると見えてくることが多いというのはよくわかる。そういう意味で、これからの世界を地政学の視点を基盤にしてみるとこんな風になり得る、と仮説を立ててみたのがこの本。資源や製造業など、個人的にはざっくりした常識程度の知識しかない私にとっては、それぞれどこでどんな風に、どんなものが作られて、どんな風に輸送されて現代の世界ができ上っているか、というのが理解できるという意味では「社会科の勉強」としてとても面白かった。
半面、グローバリゼーションを推進してきたアメリカ人の視点から“グローバル後”を見 -
Posted by ブクログ
ネタバレグローバル化が終焉し、無秩序の時代がくると、海運の安全は崩れ、グローバルサプライチェーンは寸断される。そのとき 各国はどうなるか?
著者は中国はやばい と 各章で語る。 石油はなくなれば石炭あるし、半導体禁輸されてもファーウェイ復活したし、 中国は大丈夫な気もするのだが・・・・
以下 備忘録
エネルギー:石油・天然ガス アメリカ以外は需要と供給が分断される。供給源がない国は困るだろう。石油が採れる国
コロンビア・ペルー・トリニダードトバコ・ブラジル(資本が必要)・オーストラリア、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、北欧、北アフリカ、ロシア、ペルシャ湾岸 それ以外の国はエネル