安田純平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
現代の民営化が進む戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、労働者として働いている。
こうした出稼ぎ労働者なしでは、もはや軍事的なオペレーションは、成立し得ないのだ。
著者は自ら出稼ぎ労働者となり、イラク軍基地訓練施設に単独で潜入した。
グローバル化世界における、世界の貧困を前提にした戦争ビジネス、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。
[ 目次 ]
第1章 イラク戦場労働への道(イラク行き急募;クウェート就労ビザが必要? ほか)
第2章 戦場労働の心得(拘束の三年間;バグダッド空港・基地 ほか)
第3章 戦場の料理人(激戦地ディワニヤ;居 -
Posted by ブクログ
「性懲りもなく2度も拘束された自分勝手な人」
というレッテルが、社会によって貼り付けられた後。
安田氏は本当は何をしにいったのか、それがしっかり報道されることはなかったように感じます。
何事も、大騒ぎしてはすぐに忘れ、そこにいる話題の中心の人たちを消費するだけで終わることが、あまりにも多い気がします。
一方で最近は、記者クラブなどでの記者会見全文を公開してくれる人が増えました。
その気になればテレビや新聞、雑誌だけが頼りだったころほど「発言切り取り」だけで終幕にならずにすむようにもなりました。
裏を取ろうとする意思さえあれば、人が語った言葉として、その全部を知ることができます。
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Posted by ブクログ
「シリア」はるか彼方の国だ。
そこで行われている虐殺も、内戦も、
空から降ってくる砲弾も、爆弾も、
そして、そこで失われていく命のことも。
何にも知らないんだ。
2018年には、そういう国の現状を伝えようとする人々の映画もあった。
(『ラッカは静かに虐殺されている』”City of ghosts”)
知ることを怠ってはいけないと思う。
そして、そのためのわずかな手がかりがここにあると思う。
一人のジャーナリストの活動が、私には必要なのだと確信する。
私には何もできないかもしれないが、少なくともそのジャーナリストの声を聞くことはできるだろう。
それが、私のすべきことだと思う。
この本では、安田さ -
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Posted by ブクログ
現地の様子が知りたいために、現地で労働をするとは、作者のジャーナリスト魂には頭が下がる。
だが、本文での作者の主張には全く同意できない。
内容が合っているか不安だが、下記のようなものである。
・イラクに行くことは、自国民の迷惑となる
・戦場で働くという選択肢もこれから出てくる
これから先、戦場で働きたいという者は確かに出てくるとは思うが、少数派だと思う。
イラクに行くことで、周りに迷惑をかけるというのは、その通りだと思う。家族に作者のような思想を持つ者がいれば、気が気でない。自分の思いもよらないところで迷惑をかけているかもしれないという見方も必要だ。