武田友宏のレビュー一覧
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鎌倉殿も終わってしまいせっかく鎌倉時代を学んだのでもう少しこの先の日本の世の
中をチラ見したい
そうだ!
「太平記」があるじゃないか
南朝北朝、吉野、後醍醐天皇、楠木正成…
気になるワードがたくさん含まれている
冒頭は政治観がかかれる
理想の政治は、君徳にに従った臣下の仁政にあると考える
天の徳…君主の守るべき道(帝道)であり、国政の最高指導者が身につけるべき品格
知の道…臣下の守るべき道(臣道)であり、君主の命令を執行する人間が持つべき、民への思いやり、慈しみをいう
そして後醍醐天皇は君主のもつべき徳に背き、北条高時は臣下のもつ礼に欠け、国家
が大乱に陥った
平安な日は一 -
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方丈記の原文と対訳が節ごとに掲載されている。解説も解説者の主観がかなり入っているように感じるものの、必要最低限で分かりやすかった。
出世の機を逃した鴨長明は隠遁を気取りながらも、社交界と接触を続け、天皇とも懇意にしていたという。そんな人物が自己を肯定したり否定したり、ブツブツ言いながら人生を模索するさまは普遍的な鬱陶しさがある。こういう人は古今東西いたし、誰の心にもこういう逡巡はあるものだなというのが分かった。
鴨長明は文章が非常に上手い。それは認めるし、それだけでも方丈記を読む価値はあるが、彼の人生観や思想に特筆すべき点はないように思う。 -
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このシリーズは、原文、現代語訳、解説で読め、原文の雰囲気を味わえる。原文の全文ではなく、部分が取り上げられているものが多いが、「方丈記」は全文が載っているよう。キンドルの原文で比べると、すこしカナ、文章周りが異なる点もあった。コラムとして関連情報が挿入され、またイラスト、地図的なものが登場するのもありがたく、便利。
天災のあとに、しばらくは誰もかれもが天災に対し、人間が無力であることを語りあい、少しは心の濁りも薄らいだようにみえるが、月日が経ち、年が過ぎてしまうと、話題に取り上げる人さえいなくなるというのは現代にも言える。
また、自分一人で住む菴での生活も、結構楽しそうで、面白そう。無常につい -
Posted by ブクログ
「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。」から始まる鴨長明(1155-1216)の方丈記。これをとても分かりやすい現代語訳と原文、解説に分けて書いた本だ。高校時代の古文の授業ではちっとも面白くなかった本だが、今になって読み返してみるととても面白い。平安末期から鎌倉時代にかけて、諸行無常を知り質素にシンプルに生きようとする長明は現代のミニマリストのようだ。高校時代に面白くなかったのは、いろんなものが欲しいし、未来に期待している状況なのに、無常と言われても共感で