ジェイムズ・ヤッフェのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ安楽椅子探偵もの。
『ミミズクとオリーブ』の妻や、ミズ=マープルなど家庭や小さな世界で生きている女性が、「人の営みや心の動きは変わらない」とばかりにお料理や編み物をしながら、謎を解くスタイルは同じだが、基本上品な科のご婦人たちと比べると、この『ママ』は一味違う。
ブロンクスに住むユダヤ系の未亡人は、がみがみうるさいし、大学出の嫁の鼻をへしおるチャンスを常に見逃さない、ママっていうよりおふくろ、いや『オカン』だ。大阪の下町に住んでいる豹柄着ている系の。
息子がママの様子うかがいに週末一緒にとるディナーの席で、警察官である彼が冤罪を産みかけているのを少ない質問で阻止するのである。
洗練されていない -
Posted by ブクログ
面白かった!いわゆる安楽椅子探偵もので、刑事の息子が語る事件を、いくつかの質問だけで軽やかに解決するママの話。ちなみにママは、最後まで名前が出てこない。
ママはずっとブロンクスで生まれ育ったユダヤ系アメリカ人。ママはいつもおしゃべりが過ぎて、話は脱線しがち、また息子の妻であるシャーリーのインテリ気質を当てこすったり(大学で心理学をおさめたらしい)、息子の仕事を(医者や弁護士になって欲しかったらしい)からかい気味にけなす。
最初はちょっと苦手かな〜と思ったが、だんだんと情の厚い、ママの人となりが分かってきて、彼女の事が好きになった。ママの人生観と重なって、被害者やその周囲の人たちに対し寄り添うと -
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Posted by ブクログ
毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。
安楽椅子探偵の傑作らしいと聞いて初読み。外国の作家について、ミステリーの歴史については全く詳しくないので初対面の作家だった。なるほど確かに安楽椅子探偵の最たるものって感じ。刑事の息子の話を聞いて二、三質問するだけで答えを導く“ママ”。とにかく昔話だったり近所の噂話だったり余計な話も多いけど、余分な話はしないママ。皮肉屋で、料理が上手くて、口うるさいママ。短編でおなかいっぱいになる会話量に慣れるまではちょっと読みづらさもあったけど、慣れるとその会話劇の巧みさが楽しい。息子は話すのが上手すぎるし妻はちょっかいレベルがいつ -
購入済み
馴染めなかった
ママの口がけっこう悪くて、ちょっと馴染めなかった。ママに限らず、会話に出てくる人物の描写に配慮が足りないというか、言葉に引っ掛かりを感じてしまった。トリックは面白いんだろうけど、なかなか気持ち良い読書はできなかった。
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Posted by ブクログ
毎週金曜日にママの自宅へ妻と訪れ夕食を共にする刑事デイビッド。
その夕食で自分の関わる事件についてママに話すと、ママが見事に解決してしまう。
安楽椅子探偵ものの八篇の短編集。
短編なので、事件の内容も簡単で軽く読める。
ママがデイビッドにいくつか質問をし、その答えから真相にたどり着くといった形であるため、読者もママと同じ条件で事件に向き合える。
残酷な描写もないため、そういうものが苦手なかたにも愉しめる。
それにしても刑事デイビッド、事件について部外者にペラペラ喋り過ぎ。
捜査上の秘密だとかの問題になったら大変だ。
デイビッドの妻シャーリイとママの掛け合いも適度にギスギスしていて面白い。 -