島崎謙治のレビュー一覧
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医療政策といった分野の知識・理解を深めたいと思いながらも、読み手の自分のアホさもあって、この分野の本ってなかなかとっつきづらく読み進むのが難しいものが多い。ところがこの本はかなり読みやすかった。
日本が誇る(?)国民皆保険として、医療保険制度を軸にこれまでをわかりやすく解説してくれ、そしてこの先の案を紹介してくれている。状況を解説するだけで予防線を張るかのように持論を披露してくれない本も多いけど、一歩踏み込んで著者なりの今後の方向性をしっかりと書いてくれているのも、見通しが利かない身としては視点が一つ得られるようでよい。
医療や介護の先行きってなかなか難しいものだし、財務省や経産省やらの経済発 -
Posted by ブクログ
『医療政策を問いなおす~国民皆保険の未来~』 島崎謙治
医療政策について、財源論、他国との制度の比較、現在の日本の医療政策の成立背景等がよくわかる。
個人的な興味関心は、職域医療政策である健康保険組合についてであるが、健康保険組合を論じる上では、そもそもの日本全体の制度についても理解が必要であると感じ、本書を手に取った。
日本の医療政策として、社会保険方式(⇔租税方式)で国民皆保険(⇔アメリカのような一部保険)を実現しており、医療の提供においては現物給付方式(⇔償還払い方式)によって成り立っているということについて、それぞれの代替案や他国の制度の形を示しつつ、なぜそのような仕組みを取っている -
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ネタバレまじめな本。医療制度について概観するにはよいし、著者の意見についてもごもっとも
75歳以上:後期高齢者医療制度
75歳未満:被用者保険と国民健康保険の二本立て。被用者保険の保険者としては、大企業の被用者が加入する健康保険組合、中小企業の被用者が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)、公務員らが加入する共済組合がある。
国民健康保険は75歳未満で被用者保険の対象でない者が対象で、住所地の市町村が運営する国民健康保険に加入する。
生活保護の受給者は国民健康保険の適用が除外されるが必要な医療は生活保護法に基づく医療扶助でカバーされる
すなわち、日本国民は全員、いずれかの医療保険制度に強制的に加入し -
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十分な検討を経ない数々の教条がなんの理由もなく記載されており、これを読んで納得することは不可能である。文章化してみて、「ここなんでこうなっているのかそういえばわからないな」ということを研究して解明するべきなのであり、現状肯定を前提としてために無根拠の教条を生み出すような研究者はそもそも存在価値がない。
本書は本書に記載の通り「加持祈祷に類する原始的なもの」そのものである。例えば、なんの根拠もなく「将来に渡って国民皆保険を存続するために」等述べられても、読者としては、自己目的化した「国民皆保険の存続」を同意していないため、この時点で置いてけぼりである。
また、以下の文は意味不明。
?「現物給付