あらすじ
わが国は一九六一年に国民皆保険を実現し、高度経済成長が終わる七三年まで給付の拡充を図った。しかし、社会経済が右肩下がりになれば、国民皆保険が形骸化するおそれがある。この危機を乗り越える鍵は歴史の中にある。社会保険方式、被用者保険と国民健康保険の二本建て、独立型の後期高齢者医療制度という日本独自の仕組みは、なぜ、どのように生まれたのか。基本に立ち返ることで、真に守るべきものが見えてくる。医療政策の第一人者が、国民皆保険の構造と軌跡を明らかにし今後の展望を描く。
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Posted by ブクログ
2025.06.04
さすが厚労省の管理よ出身者による新書。制度について学ぶ最初の一冊に適している。
わかりやすく沿革、現状、問題点が述べられている。
しかし、政令指定市で福祉に携わる立場からすると、国保と生活保護にはここに留まらない大きな問題がある。
「矜持」では片付けられない現実がある。
大多数の保険料をきちんと納め、適切に医療を受診している方々からは受け入れがたい現実が。
Posted by ブクログ
日本の国民皆保険はアメリカの現在の様子に対して運が良かったと思えた。序盤は反対の声もあれど、景気が良くなり、機運が熟した状態だった。スウェーデンの長い受診の待機時間と比べると長くても1時間待てば受診できるのは奇跡的だ。日本は日本らしく国民健康保険をより良い方向にしていけばいい、他国の情報より過去の日本の政策選択を見て考えるのがまず大事。出てくる人物気になってwikiで見たら偉人伝に出てきそうなエピソードの人ばかりだった。
Posted by ブクログ
社会保険の基盤形成
健保法の施行後に保険数理の基礎の傷病統計の整備が進む
→統計データ解析により共済の給付率の異なる組合員の医療費分析で
患者負担割合(x)が下がると医療費の割合(y)が増えることを発見
長瀬式:Y=1-1.6X+0.8X²
→係数は変わるものの、現在の医療費推計等に応用されている
Posted by ブクログ
十分な検討を経ない数々の教条がなんの理由もなく記載されており、これを読んで納得することは不可能である。文章化してみて、「ここなんでこうなっているのかそういえばわからないな」ということを研究して解明するべきなのであり、現状肯定を前提としてために無根拠の教条を生み出すような研究者はそもそも存在価値がない。
本書は本書に記載の通り「加持祈祷に類する原始的なもの」そのものである。例えば、なんの根拠もなく「将来に渡って国民皆保険を存続するために」等述べられても、読者としては、自己目的化した「国民皆保険の存続」を同意していないため、この時点で置いてけぼりである。
また、以下の文は意味不明。
?「現物給付および診療報酬の仕組みが「車軸」の役割を果たしている。」