田口芳昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名は「なぜ日本企業は真のグローバル化ができないのか」であるが、本書の内容は、その問いに答えつつ、ではどうすれば?ということも論じている。それも、かなり骨太に。
自分なりに、本書からの学びを整理すると、下記の通り。
■グローバル化の仕組みづくりは、単なる制度設計ではないし、ノウハウ的なものでもない。それは、経営の仕組みそのものだし、企業のガバナンスそのもの。従って、部分的に手をつけるといったいったものではなく、全体の改革が必要
■時間がかかる。大きな改革と捉えるべきものであり、小手先の問題ではない。何代かの経営者が、取り組み続けて成果が出てくる、くらいに考えた方が良い
■やり方は各社各様。何 -
Posted by ブクログ
なるほどと思わせる記述も多数散見されました。
個人的には、日本企業がグローバル化ができない理由は、
経営幹部層の日本人:外国人の比率の悪さだと思います。
いうならば、日本人を優遇して、外国人を人事面で差別しているからだと思います。
駐在員制度などは、以前の典型的な海外進出の方法でしたが、
今は、ほとんど、うまくいっていません。
もう、こういう制度も、早く完全撤廃した方がいいと思います。
駐在員制度は、ただ、現地に日本人を送り込んで、連絡係として、
本社の意向通りに操作したいだけです。
現地化といっても、現地に本社の意向をよく聞く現地人を、
安い給料で雇っているだけです。
優秀な人を、安 -
Posted by ブクログ
益々強まるグローバル化の流れの中で、
日本人駐在員に頼った日本企業の成長は限定的。
真のグローバル企業になるためにすべき「GOM構築」の必要性を説いた内容。
国・文化・(M&Aの場合)会社も異なる海外事業、
これまでの事業軸だけの管理から、機能軸の管理を強めることで、
より強い組織足りえるというのが趣旨。
基本はここにあるが、実現するために経るプロセスとなる組織については、
企業の現状や考えによって、色々あって良いとしており、
改めて正解はないのだと感じる。
ただ、海外売上構成の低い企業については、
今後の事業拡大に向けては、国内リソースの配分を高める必要があり、
そのためにも本書 -
Posted by ブクログ
メーカーのように、基本ひとつの事業が占める割合が高い企業群と、そうでない企業群で、また少し様相が違うと思いますが、それでも、このGOM(global operating model)という概念により、いままでもやもやしていた事業管理のグローバル化を考える上で、頭を整理する材料を得られました。
日本人的な、品質完璧主義(過剰品質等)、駐在員依存経営管理モデル、暗黙知経営などから脱却するのは、想像以上に難しい、苦戦しているんだな、どこの企業もと感じる。
経営者何代かで解決に取り組む話だけに、長期的な確固たるストーリーを描く(変革大工程)必要があるし、それを遂行するための実働部隊の人材層の厚 -
Posted by ブクログ
真にグローバル組織を作るための具体的な提言がまとめられており、日々の業務を俯瞰して考えるきっかけをくれた。
弊部としてはGOM構築のためにグローバル本部を立ち上げたものの、①日本以外の特定の国のトップをグローバルヘッドとして新設役職に置いた結果(GOMモデル2に近いか)グローバルな事業内容がわかっておらず結局日本の既存本部が動かざるを得なくなった②海外人材がすぐに辞めてしまい立ち消えになってしまった(総括もろくにされていない)という経験があるため、
①に対してはGOM構築の2条「情報をグループで公共財化する」によって1条「地域の壁を崩す」 を実現し地域横断的な方針立案ができるようにすること