谷知子のレビュー一覧
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百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
編:谷 知子
角川ソフィア文庫 A 4 1
かるた取りの漫画を読んでいたら、百人一首を読みたくなったので手にしました。
あゝ、やっぱり、和歌って趣があってなごみます。
本書は、古典というだけに、むすめふさほせ、といった内容は含まれていませんでした。
万葉の古代、天智帝より、菅家、崇徳院、承久の乱の後鳥羽院、順徳院まで、百の歌をあつめた、和歌の入門書としての意味があったのではないかと思います。子供のころから親しんできた有名な和歌を集めたものです。無念になくなっていた、貴人の霊を弔うものでもあったかと思います。
恋の歌もいいですが、四季 -
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入院中に、大学のゼミの先生が「お見舞いに」と下さった本。文庫本なので、バスや電車などの移動中などに少しずつ読んでいたら、読み終えるのに半年以上かかってしまった。
百人一首のそれぞれの和歌について、初心者にもわかりやすく解説してあり、ときに著者の専門的な解釈が加わる。「古典は好きだけれども、和歌は苦手・・・」という人もいると思うが(まさに私w)、そういう人にもわかりやすい。また、解説の中や合間のコラムの中で、和歌を楽しむための技法や約束事などについても触れており、大変親切である。初心者には初心者なりの、中級者?には中級者なりのおもしろさがある。
読み終えて感じたのは、「百人一首には百人 -
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さくっと読める。一つひとつの歌の説明も多すぎず短すぎず、ライトな感じで百人一首を楽しみたい人には、とてもいい。他の解剖図鑑シリーズも同じような感じなのだろうか。気になるジャンルで入門したいものがあれば、同じシリーズのもので読んでもいいかなと思う。
イラストがなくとも、歌に対する理解がそんなに変わるとは思えない感じもあるが、やっぱり絵がたくさんあると何となく読みやすい。それにしても、似たような名前と顔が多くて、どうにも古典世界の人間関係はとっつきにくいと改めて思った。そのあたり、細かいイラストと家系図、人物相関図がその都度その都度つけてあって、かつ、ページ間も参照しやすくなっているので、とても読 -
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ネタバレ学生の頃に暗記した百人一首。
今も多少興味はありつつも、その背景や込められた意味をほとんど知らないなと思い、手に取りました。
・田子の浦にうち出でてみれば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ
富士山に雪が積もっている歌…と、漠然としたイメージだったのが、「開放感とともに、青い空と青い海にはさまれた富士山頂の真っ白な風景が、見事なコントラストで、ぐっと迫ってくる。」と読み、この短さでこんなにはっきりイメージできるのか、と驚きと発見でした。
写真を撮ることも、それを映像で共有することもできない時代(絵はあったけど)、目を閉じて歌からその情景を楽しんだ多くの人がいたんだろうと、感慨深い気持 -
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以前谷知子さんの別の著書を読み興味が湧いたため。
31の項目で和歌を紐解いていく。31項目なのは和歌が31文字で詠まれるから。これはすぐわかった笑
「基礎知識」とあるが入門ではないなと思う。和歌を知る上で必要な知識だけど、例題?の和歌が結構難しいので、ある程度和歌に触れた経験があるとより楽しめそうな気がする。
和歌は人によって感じ方や捉え方も違うものだと思っているので、最初は筆者の主観的な感想にあまりついていけなかったが、だんだんとそれにも慣れてきて世界観に入り込めるようになった。
最近少しずつ和歌を読んでるけれども、やっぱり掛詞と縁語は難しい。。
そして和歌は自由なモノだと思っていたが -
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万葉集、古今和歌集、新古今和歌集と、順に楽しんできたので、とても親しい気持ちで読みすすめられました。
和歌というものがいかに決められた枠組みの中で詠われたものか、ということが大変よくわかります。感情を素直に言葉にするのだけではなくて、高度にルールが規定されたものでした。
百人一首は、膨大な和歌の中から、わずか100首を選りすぐった珠玉のベスト盤です。決められた数の音で、「縁語」「掛詞」「本意」「歌枕」「本歌取り」などの技巧をたくみに活用した名作集です。
こんな芸術性の高い歌を、即興バトルで披露し合ったというのですから、鎌倉以前の人たちの知識量と創造性には脱帽です。
この本は、現代語訳と解