國分俊宏のレビュー一覧

  • オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家~ゾラ傑作短篇集~

    Posted by ブクログ

    19世紀フランスの作家ゾラ(1840-1902)の短篇集。第二帝政期以降に本格的に立ち現れたブルジョア社会における、人々の生活や欲望を描いている。



    「オリヴィエ・べカイユの死」(1879年)

    意識はありながらも、肉体的には自らの意志で動くことができず、周囲からも死んだものとして扱われ埋葬されていく男の視点を通して、「死とは何か=生とは何か」を考えさせられる。読みながらすぐにポー『早すぎた埋葬』を想起したが、解説によるとバルザックやゴーチエにも同主題の作品があるという。本作の主人公やゾラ自身が取り憑かれていた死への強迫観念というものは程度の差はあれ多くの人間がもっているのだろうが、「仮

    0
    2019年04月07日