issue+designprojectのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「issue+design project」による地域デザインについて書かれた本。
ビジネスの世界ではグローバル展開に目が行きがちだけれど、今日本に起きている事、これから起こるであろう事をしっかりと理解し、自分ができる事から初めたいと思わせてくれる内容。
前半1/3は前提となる「キーイシュー」20個の説明。
課題先進国と言われる日本には人口減少、高齢化、自殺、食料自給率の低下、エネルギー問題など多くのイシューを抱えている。
これらを前提として各地域で実行されている事例を後半で説明。
デザインの説明に関しても、アルビン・トフラーの『第三の波』の説明で分かりやすい。
第一の波・・・農耕社会(農業革命後)
主に伝統工芸品。人の手の技を凝縮し生活を彩り、手足の役割を果たす。
第二の波・・・工業社会(産業革命後)
プロダクトデザイン、建築デザイン。大量生産に美的な付加価値を与えるもの。
第三の波・・・脱工業化社会(情報革命後)
コトのデザイン。地域に眠る人材、コンテンツ、技術、産業、空間などの有形無形の資源を組み合わせて作る地域ならではの仕組み。
コトのデザインに必要な「デザイン思考」に関しても特殊能力ではなく、訓練で習得できると位置づける。
共感する技術(他人事を自分ごとにする)、発見する技術、拡散する技術(数を出して、質を高める)、統合する技術(混ぜて、つなげて、化学反応を起こす)、表現する(具体化・改良を繰り返す)。
そしてこれらを活かすチームワーク。
なんだか全てが仕事に通じる要素ですね。
今住んでいる東京で抱えている課題、出身地で抱える課題。
できる事からコツコツと。 -
Posted by ブクログ
PART1では、地域を変えるキーイシューとして、気候変動から生活習慣病まで幅広い社会課題が、わかりやすい図・グラフ・イラストで提示されている。「わかりやすいデータは地域の共通認識を作るために便利」とされているように、地域の課題を漠然ととらえるのではなく、データに基づき、見える化することが、課題解決の第1歩だと感じた。
PART2では、全国各地で取り組まれている地域づくりの実例が30紹介されている。特にいい事例だなぁ、すぐに取り組めそうだなぁと思った事例に、「お医者さんへの感謝の気持ちを届ける ありがとうカード」「人と人との絆をつなぐ、まちのうわさ 八戸のうわさ」がある。
PART3では、issue+designの筧さん、studio-Lの山崎さんが、PART2の事例を体系的に整理、解説しており、デザインについて理解を深めることができる。
具体例と体系的整理を一冊にまとめた地域づくりの良書だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会問題についてデザインで解決しようというissue+designの本。参考になります。
<メモ>
・孤独死は年間26821人。郊外化により人と人の距離が遠ざかったり、多世帯化で同居家族人数が減り、一人暮らしが地域との接点を失うなど、日本の社会的孤立度の高さは世界有数。孤独死70歳代男性が最も多く30.4%。その次に65~70歳男性が17.6%と圧倒的に男性が多くなっている。
・生涯未婚率は男性30%、女性23%に。
・集落の人の日常が都会住民の非日常。
・大人資源の活用→放課後アフタースクール
・親子健康手帳 母子手帳の改良版。
妊娠・出産・育児のセーフティネットがコンセプト。
お父さんお母さんの声から生まれた現代版。
①子供衣料歴や薬歴を成人まで残す健康カルテ機能
②必要な情報を厳選、わかりやすく編集した必見必読機能
③育児の喜びを増やし不安を減らす癒し励まし機能
④お父さんも参加できる男女共有機能。
⑤知識・経験を伝え次の親を育てる育次機能。
・海士町総合振興計画。通り一遍とうではなく、内部で作る、気軽に開ける愛読書計画。計画策定4チーム「ひと」「産業」「暮らし」「環境」
・「ワンデイシェフ」一つのレストランで地域の住民が日替わりでシェフをする仕組み。売上の70%をシェフが残りは運営費。2人以上が厨房に入ること。寡黙に一人で料理をするのではなく、協働作業することで新たな関係構築を目指す。
・issue+design 社会の課題に、市民の創造力を。避難所、食の安全性、自転車通勤、住宅耐震性の4つのテーマに今まで取り組んでいる。共創→競争→実現のプロセス。ワークショップとコンペを融合している。プロジェクトで生まれたデザインは実用化につなげていく。「できますゼッケン」「注意喚起シュシュ」「食品衛生管理紙」
・デザイン思考とは ①地域が抱える社会課題の本質を心、身体、頭で直感的、身体的に捉える行為。②多種多様なステークホルダーがともに持続可能な美しい未来の姿を思い描き、地域に眠る資源を活用した新しい仕組みや経験を創出する行為。
5つの技術①共感する技術 ひとごとをじぶんごとに ②発見する技術 異和感を言語化し、課題解決の糸口を探る。
③拡散する技術 数を出して、質を高める いろんな問いを出す
④統合する技術 混ぜて、つなげて、化学反応を起こす。
・コミュニティには同じ地域にすむからこその地域コミュニティと、興味が同じなので集まって活動するテーマコミュニティの二つがある。
・既存の地域コミュニティにデザイン思考を持ってもらう場合、一人でも多くインタビューをする。なにができて、何を考えているか。将来どんな生活がしたい。インタビューを行う事で、知ることができるのみならず協力者になってくれる。
・コミュニティの活動は「やりたいこと」「できること」「求められること」の三つを組み合わせて企画することが重要。必要であれば他のコミュニティと協働しながらプロジェクトを推進すること。
・いざカエルキャララバン。綿密な情報収集と、共感をよびその気にさせるシステムとコンテンツ。そしてオープンソース。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ色んな地域を活性化する商品のデザインが載っているのかと思ったら1章では色々な社会課題(イシュー)をわかりやすくレイアウトして掲示。でも見たかったのはこんなのじゃないんだけどなーと進んでいくとそれを踏まえた上でその課題をクリアする為には何をデザインすればよいか、デザインとは視覚化することと考えている人が多いが、この本でいうデザインとは「地域に眠る人材、コンテンツ、技術、産業、空間などの有形無形の資源を組み合わせて作る地域ならではの仕組みや経験、すなわちコトのデザイン」というかなり高等なデザイン思考を要求している。一般的にいうとディレクターとかの部類に入るのかなーと思った。私も“デザイン=視覚化”と思ってる部分が大きかったので「活動体」「仕組み」のデザインというのは衝撃でした。後、女子大生の強みは「とどまらない発想力」「思わず共感してしまう力」というのは目から鱗だったけど納得!ブレインストーミングには最適らしいですw
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Posted by ブクログ
デザインってきくと、おしゃれなイラストだったり、奇抜なファッションなんかを連想していまいますが、本書でいうデザインとは、以下のように定義されます。
・問題の本質を一挙にとらえ、そこに調和と秩序をもたらす行為
・美と共感で多くの人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為
本書は3部構成になっており、1部では日本の現状を知るための各種データがわかりやすいビジュアルで掲載されている。
そして2部では今の日本が抱える課題を実際に解決しようと取り組んでいる事例を30紹介している。そして、3部ではこれからの時代に必要となるデザイン思考の考え方、コミュニティデザインの方法、行政のあり方などがうまくまとめられている。
各事例に共通するのは、地域の問題を行政任せにせず、自分たちで解決していこうとしていることと問題を発見し、対策を練り、計画を立て、行動に移していくというプロセスにおいて、ファシリテーターがかなり重要な役割を果たしているであろうということ。
自分の好きな街が抱える問題を住民で解決し、手に負えない場合は専門家を巻き込むなどして解決し、さらに住みやすい街にしていく、同時に自分が役立っているという自己承認感も持つことができる生き方ってどんなに幸せだろうと思う。