北野充のレビュー一覧

  • アイルランド現代史 独立と紛争、そしてリベラルな富裕国へ

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    世界史の舞台にたびたび登場するアイルランドであるが、現代のアイルランドを身近に感じる日本人は少ないのではないか。本書はそのアイルランドの現在について、丁寧に解説されている。
    リベラルな富裕国と評されるアイルランドであるが、英国からの独立、じゃがいも大飢饉、内戦そして北アイルランド問題と多くのハードルを乗り越えてきた。
    個人的には、カトリックを中心とした保守的な国家から、リベラルな国家へ転身した点に注目したい。国家は一日にして成らずというが、長期的にリベラルな土壌を耕し、段階的に転身を進めたことがよく分かった。この保守からリベラルへの推移の背景要因は、脱宗教化、周辺諸国のリベラル化そして高等教育

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    2024年05月21日
  • アイルランド現代史 独立と紛争、そしてリベラルな富裕国へ

    Posted by ブクログ

    かつてヨーロッパの最貧国と呼ばれたアイルランドがいかにして、人口あたりGDP世界第2位の経済大国へ成し上がってきたのか。そこには、タックスヘイブンや外資誘致、教育水準の安定という表面的な側面だけでなく、イギリスからの支配に苦しみ、IRAを筆頭に暴力と貧困に苦しんできた負の歴史が大きく関わっていた。新勢力のシン・フェイン党や、伝統的なカトリック的価値観を受け継ぐフィアナ・フォイル党、中絶や避妊をめぐる価値観の対立、イギリスの隣にありながら、全く異なる文化と歴史を育んできたヨーロッパの老大国の現代史を概観できる貴重な一冊。

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    2023年10月15日
  • アイルランド現代史 独立と紛争、そしてリベラルな富裕国へ

    Posted by ブクログ

    政治面は兎も角、経済面でここまでの成長(一人当たりGDPが世界2位)を見せているとは思いも寄らなかった。頭の中の情報も更新していかなければいけない事を痛感。

    ECやEU加盟の恩恵を最も受けたのはアイルランドではないだろうか?加入時点では国民賃金が低かった事が優位性をもたらし、英語が話せる事や当然優れた仕事を行う人が多かった事に加え、法人減税という少なくともタイムリーな経済政策の成功等も重なり、ケルティックタイガーと呼ばれる経済成長を成し遂げた。

    日本が学ぶ事は沢山ある。

    喜久屋書店阿倍野店にて購入。

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    2022年12月17日