山田深夜のレビュー一覧

  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    「電車屋」という言葉がすべてを表しています。
    そこに仕事に対する愛情と誇りがあります。

    職種はなんであれ、要領よく生きることができない、黙々と誠実に仕事をこなす男達の話、といってもいいでしょう。
    解説の岡崎武志さんは「男の美学」と書かれていて、なるほどそのとおりだと思いました。

    いつもは隠れている裏方さんをこうした形で知ることができるのも小説の楽しみです。

    0
    2011年10月27日
  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    作者は元京急電鉄勤務ということで電車の保守作業を担う縁の下の力持ちである男たちを描いた小説。いつもニコニコして不思議に人を引き付ける保守作業下請会社社長の三郎、元電鉄マンで電車の保守なら何でも任せとけという徹底的に無口な赤城、そして他のわき役達と何とも味のあり、かつ電車が好きで好きでたまらない男の職場が舞台。文庫の表紙からテッチャン系の軽い話しと思いきや堂々たる大河小説とも評価される良い小説だ。赤城が出てくる度に「男は黙って」の高倉健を彷彿させる。

    0
    2011年09月09日
  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    VVVFが出たとき、新しい技術の躍進に心がはずんだものでした。でも、その波に廃車に追いやられていく車両もあり、台車の下で働く技術屋の、本当に鉄道を愛する思いが伝わりました。感動しました。

    0
    2011年09月09日
  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    企業の残酷な思惑に振り回されつつも、思い入れのある車両にただただ向き合う人達の姿は、とてもカッコいい。
    ちょこちょこ出てくる人情エピソードが、ちょっと浅田次郎っぽい感じ。

    「仕事のあり方を学べ」

    自分の襟を正す良い機会にもなりました。

    0
    2022年03月28日
  • 風になる日

    Posted by ブクログ

    著者は、ホンダ・ワルキューレに長年のり続けるバイク乗りで、これまでもバイクと人を主役にした物語を綴ってきた。この本もバイクに魅せられた人物が登場する5編の中短編集。
    一番、印象に残ったのは中編「流儀」。万引き犯の老人を見逃してやったことで警備会社から解雇され無職となった男が北海道へバイクでツーリングに出る。そこで、違法CB無線機を使いながら自分の「流儀」を語る男と知り合い、自分にも「流儀」があることを悟る。無線機や電波法、警備業務の分類など、著者ならではと思える蘊蓄も盛り込まれていた。
    冒頭作の「リターンズ」も奇抜でありながら人情も感じさせる面白い話。恋破れ、故郷・郡山から就職先の東京へ高速バ

    0
    2020年10月31日
  • 横須賀ブロークンアロー : 下

    Posted by ブクログ

    山田深夜『横須賀ブロークンアロー(下)』双葉文庫。

    兎に角、上下巻で1,400ページを超えるボリュームに圧倒される。ボリュームの割りには勿体無いラスト…

    ベトナム戦争時に横須賀に持ち込まれた核にまつわる日米の最高機密を巡り、命を狙われる江井。

    硬派な国際謀略小説なのか、軟派な地域密着型スラップスティック小説なのか、立ち位置の曖昧さが気に入らない。

    0
    2017年05月13日
  • 横須賀ブロークンアロー : 上

    Posted by ブクログ

    山田深夜『横須賀ブロークンアロー(上)』双葉文庫。

    久し振りに読む山田深夜。上下巻で1,400ページを超える大作。

    横須賀とその周辺を舞台に描かれる国家最高機密と捻くれた男たちの生き様。警視庁公安部の石渡秋彦が剛の捻くれ男なら、バス整備士の江井徹は軟の捻くれ男。上巻では二人の捻くれ男の背景が各々描かれるが、それが次第に交わり、二人の近辺に危険が迫る。

    冗長過ぎて、ページを読み進んだ割りにはストーリーは余り進まない。また、冗長過ぎるが故に、公安の石渡秋彦を引き抜き工作が今一つ納得出来ない、石渡がバイク技術を習得する課程は詳細に描かれているのに対して諜報技術を習得する課程には殆んど触れられ

    0
    2017年05月13日
  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    電車好きは読まないと。電車に興味の無い私でも楽しめるのは、登場人物の魅力に尽きる。赤城さんに会いたい!読んでる途中からそう思うし、読み終わっても気になる存在。他の登場人物も、嫌な奴だけど、実は憎めない奴だったり…と、ヒューマンドラマを見終えた気分になれた。

    0
    2015年05月18日
  • 電車屋赤城

    Posted by ブクログ

    まぁまぁ面白かったよ。
    最初のイメージに反して、赤城さん、かっこよすぎゃろ、と思いつつ。

    ただ、ちょっと構成が分かりにくかった気もするけど。
    特に純一周り。

    電車の裏側の世界を見たのは初めてだったので、興味深かった。世の中、まだまだ知らないことが多い。
    ただの消費者側から見れば、あぁ、また電車が変わった。
    それぐらいでしかないものも、そりゃ、確かに、関わっている人からしたら、大きなドラマがあり得ますよね。
    今回は出てきていないけれど、新製品開発者の視点も含めて。
    そんなことをふと思った小説。

    とりあえず、牡丹のおかみ、やるね。

    0
    2014年04月11日