岩井寛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間は良い面と悪い面どちらも持っているからこそ人間らしいといえるのだなと学びました。
今までは良い面ばかりを大切にし、悪い面を無いものとしていました。しかし、それは自然の摂理に反することであり、自分で自分を追い詰めている行為だと気付かされました。
著者の大変濃い実体験には衝撃を受けました。幼少時期、思春期、現に今も逃避を試みようとすることが多かったと書かれていましたが、死に直面した場面であっても、逃避よりも人間の尊厳を優先に行動していた著者はとても強い方だと感じました。
あるがままの自分を大切に認め、受け入れつつ、人間の尊厳として自己目的を達成できるような行動をしていきたいです。 -
Posted by ブクログ
強迫神経症と言われて読んで、読んだことで自分のことが以前よりも理解できた。
こうありたいという目標が高い。やりたい事が多い。やりたいレベルが高い。
しかし、現実の自分の姿はそうできない。神経症的な欠点がある。
全然出来ないから逃げ出したいという気持ちがある。
そういう人が、自分の欠点を認めることが出来ないままの自分で、それでもやはり自分のやりたい事、なりたい自分を目指して生きていく
始めは神経症の原理などが説明されているけれど、最終的には、そういう自分がどう生きていったら良いのか、著者が自分の経験を元に私を励ましてくれた。
人生の指南書になったかもしれない。 -
Posted by ブクログ
あとがきにもあるように、著者の岩井は末期ガンに体を蝕まれながらも、口述筆記により本書を書いた。
いわばこれは魂の書である。
森田療法のエッセンスを踏襲しながらも、独自の考え方を加えながら説明している。
特に発達論などは森田の説を批判し、環境要因の大切さを述べている。まさに岩井式森田療法だ。
そのため、基礎的な内容は触れているが、教科書ではないため、単に森田療法の基本を知りたいという方には適さないだろう。
しかし、この本に書かれている、精神交互作用のカラクリ、あるがままに生きることの大切さ等は、より良い人生を歩むために知っておきたい事柄だ。豊富な事例を通して、それらがわかりやすく語られている。 -
Posted by ブクログ
とあるブログで紹介されていた
世界との関わり方が変わる10冊のうちの1冊。
神経症をありのままを受け入れることにより、
治療しようとする森田療法の入門書。
「ありのまま」は「したいようにする」のでは無く、
「葛藤や苦悩を受け入れて認めること」だとしている。
坐禅をしていて「足が痛いこれじゃいけない」
と思っていた時は、足が痛くて仕方がなかったが、
「足が痛くても仕方がない」と思ったら、
足の痛みが気にならなくなったのを思い出し、
仏陀の「諸行無常」「諸法非我」「一切皆苦」は
「どうせ何をやっても苦しいから諦めようよ」
というまったく救いのない話では無く、
「苦しみを受け入れれば、救われる」 -
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ストレスマックスな日々。
こうあるべき!という思いが溢れかえり、だんだん年齢と共に許せないことが増えたような。もっとゆるみたい。なんでこんなに頑なになってきた?と感じたタイミングでこの本に出会いました。
すごいです。
後半では、筆者が残りの人生を賭けて書かれた気迫を感じる。
そんな貴方が命を賭けて書いてくださった本によって、時代を超えて、ここにひとりめちゃくちゃ救われた人ここにおります!と叫びたくなりました。泣きました。
とらわれ、はからい、大なり小なりどんな人にもある。
人生味わいつくしたい、愛に溢れた豊かな人生を生きたい。私もそんな「生への欲望」が強いです。
「生への欲望」が強くて -
Posted by ブクログ
自分の自己肯定感の低さや、あがり症について、なんとか乗り越える糸口はないものかとあれこれ探している中で、以前に「森田療法」という言葉を聞いたことを思い出しました。
森田療法での「あるがまま」という概念の真髄が解かれており、思いのほか勇気付けられました。
自分にはやはり、何もしないうちからあれこれと考え、恐れる傾向があるのですが、最終的には「怖いけど、やってみる」、やらないうちの恐怖は妄想、というシンプルなことに行き着くのだなあと思いました。
「逃避的な考えを認めたうえで、それを「あるがまま」にし、さまざまな葛藤をもったうえで、とにかく新しい行動に自分を賭けてみようと「目的本位の行動」をと