【感想・ネタバレ】森田療法のレビュー

あらすじ

他人の視線に怯える対人恐怖症。強迫観念や不安発作、不眠など、心身の不快や適応困難に悩む人は多い。こころに潜む不安や葛藤を"異物"として排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れ、「目的本位」の行動をとることによって、すこやかな自己実現をめざす森田療法は、神経症からの解放のみならず、日常人のメンタル・ヘルスの実践法として有益なヒントを提供する。(講談社現代新書)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人間は良い面と悪い面どちらも持っているからこそ人間らしいといえるのだなと学びました。
今までは良い面ばかりを大切にし、悪い面を無いものとしていました。しかし、それは自然の摂理に反することであり、自分で自分を追い詰めている行為だと気付かされました。

著者の大変濃い実体験には衝撃を受けました。幼少時期、思春期、現に今も逃避を試みようとすることが多かったと書かれていましたが、死に直面した場面であっても、逃避よりも人間の尊厳を優先に行動していた著者はとても強い方だと感じました。

あるがままの自分を大切に認め、受け入れつつ、人間の尊厳として自己目的を達成できるような行動をしていきたいです。

0
2024年10月27日

Posted by ブクログ

強迫神経症と言われて読んで、読んだことで自分のことが以前よりも理解できた。

こうありたいという目標が高い。やりたい事が多い。やりたいレベルが高い。

しかし、現実の自分の姿はそうできない。神経症的な欠点がある。

全然出来ないから逃げ出したいという気持ちがある。

そういう人が、自分の欠点を認めることが出来ないままの自分で、それでもやはり自分のやりたい事、なりたい自分を目指して生きていく

始めは神経症の原理などが説明されているけれど、最終的には、そういう自分がどう生きていったら良いのか、著者が自分の経験を元に私を励ましてくれた。

人生の指南書になったかもしれない。

0
2025年08月17日

Posted by ブクログ

あとがきにもあるように、著者の岩井は末期ガンに体を蝕まれながらも、口述筆記により本書を書いた。
いわばこれは魂の書である。

森田療法のエッセンスを踏襲しながらも、独自の考え方を加えながら説明している。
特に発達論などは森田の説を批判し、環境要因の大切さを述べている。まさに岩井式森田療法だ。
そのため、基礎的な内容は触れているが、教科書ではないため、単に森田療法の基本を知りたいという方には適さないだろう。
しかし、この本に書かれている、精神交互作用のカラクリ、あるがままに生きることの大切さ等は、より良い人生を歩むために知っておきたい事柄だ。豊富な事例を通して、それらがわかりやすく語られている。
是非、全ての人に読んでもらいたい。

0
2022年03月14日

Posted by ブクログ

私は、臆病な人間で、不安で石橋をいつまでも叩き続けて渡れない。
けれど、人生は、選択しなければ前に進めないし、選択せずに逃避してしまったら、不安を避けることはできるが、目的は達成できずにタイムオーバーだ。
怖いけれど前に進む選択をすること。そうすることが大切なんだと教えてもらった。
これからも悩んだりしたときに読みたい。


0
2022年03月10日

Posted by ブクログ

興味があったから買ったのに、途中興味を失ったりするフェーズがあってなかなか進まなかった。この本の内容が悪いのではなく、私が読書に集中できない期間があったっていうことです。
自分の大炎上した心を落ち着けるには、とても有効でした。適度な諦めと、心理的距離をとるのは、ずっと前から私が一番苦手にしていることなので、、、、

0
2020年05月11日

Posted by ブクログ

病床で視力も聴力も失った精神科医師の、口述筆記による著作。森田療法は神経症の治療のみならず、健康な人の人間的成長や創造的生き方を促進する。苦悩は苦悩としてあるがまま受入れ、逃避せずに目的本意の行動を取ることが、心の健康と人としての自己確立につながるという。自分の弱点を認めつつ、一歩ずつ成長していきたい。

0
2019年08月19日

Posted by ブクログ

これはすごい本だ。自分が長年抱えてきた生きにくさ、違和感みたいなものがズバズバ解き明かされた。
自己啓発本をいくら読んでも核心に迫ってないから、全部何となく的外れな感じになるのは当たり前だと思った。
神経質症は精神病と違い病気ではないこと。逃げるのではなくその特徴をうまく生かしながら生きていかなければならないこと等がよく理解できた。

これを死の間際に口述筆記で書いた著者はホントにすごい人だと思う。

0
2016年04月25日

Posted by ブクログ

良書。森田療法について書かれてある本を初めて読んだが、これは分かりやすい。というか、難しく文で書かれているとこもあるのだけれども、それがまた真理をついており、グッと心に響く。付箋を用意するか、メモ用紙を用意して読むことをお勧めする。

0
2015年05月04日

Posted by ブクログ

とあるブログで紹介されていた
世界との関わり方が変わる10冊のうちの1冊。

神経症をありのままを受け入れることにより、
治療しようとする森田療法の入門書。
「ありのまま」は「したいようにする」のでは無く、
「葛藤や苦悩を受け入れて認めること」だとしている。

坐禅をしていて「足が痛いこれじゃいけない」
と思っていた時は、足が痛くて仕方がなかったが、
「足が痛くても仕方がない」と思ったら、
足の痛みが気にならなくなったのを思い出し、
仏陀の「諸行無常」「諸法非我」「一切皆苦」は
「どうせ何をやっても苦しいから諦めようよ」
というまったく救いのない話では無く、
「苦しみを受け入れれば、救われる」
ということだったのかなと思った。

全身を癌に侵され、視力まで奪われても、
自身を救った思想を伝えようとした著者の生き方が、
その考えを体現しており、凄まじい説得力を感じる。
神経症では無くても、生きる苦しみそのものに
応用が可能な思想を紹介しており、
「嫌われる勇気」の次に読むべき本。

0
2014年10月12日

Posted by ブクログ

本自体は古いのだけど、今の時代にも充分通用すると思います。

メンタルヘルスの患者はもちろん、神経質な性格に悩むひとにもすすめられる内容です。

0
2014年06月10日

Posted by ブクログ

この分野に興味があり手に取った。発行は1986年、著者はこれを病床にて口頭でまとめたとのことだが、解説が分かりやすく大変丁寧。文章からは著者の人柄と生への情熱がひしひしと伝わってくる。素晴らしい一冊だった。

0
2013年11月27日

Posted by ブクログ

ネガティブ思考、劣等感を言い訳にして自分に嘘をついてやりたいことから逃げて生きてきた自覚があるので本書の内容は非常に突き刺さりました。これからでも遅くはないので自分の弱さ、醜さをありのまま受け入れ、本当は自分が進みたかった道を選べる勇気を持てるように頑張っていきたいです。

0
2025年02月21日

Posted by ブクログ

ストレスマックスな日々。
こうあるべき!という思いが溢れかえり、だんだん年齢と共に許せないことが増えたような。もっとゆるみたい。なんでこんなに頑なになってきた?と感じたタイミングでこの本に出会いました。

すごいです。

後半では、筆者が残りの人生を賭けて書かれた気迫を感じる。
そんな貴方が命を賭けて書いてくださった本によって、時代を超えて、ここにひとりめちゃくちゃ救われた人ここにおります!と叫びたくなりました。泣きました。

とらわれ、はからい、大なり小なりどんな人にもある。
人生味わいつくしたい、愛に溢れた豊かな人生を生きたい。私もそんな「生への欲望」が強いです。

「生への欲望」が強くて、それでもいいんやな。その思いの扱い方をちょっと大事にしよう。そう思えただけで、スーッと肩の荷がおりました。

生への欲望が強いこと、現実の状況があるパターンで
うまくいかなくなったとき、もうまるっきり私はダメなんじゃないかと思い、まだ起こってもいないことを想像し、怖くて仕方がなくなる。その思いをなくしたくて、とにかく必死になり、とにかく誰でも何でも仕事を受けて容易な「ありがとう」を得ようとする。そして、ストレスが大きくなる。それ私の、パターンやなあ。笑えてきました。

私の人生、豊かに味わいたいんやな。そのために、
怖いけどまあ進もうか。

プールの水に、初めて顔つけたときの感じと似てる!

また悩んだら、必ず読み返そうと思います。
2024年、いまんとこNO1の出会い。

0
2024年09月23日

Posted by ブクログ

神経質(症)な人に与える、「あるがまま」という考え方。
苦悩(とらわれ)を取り除くことに神経を使うのでなく、それを認めた上で、自己実現に神経を使う。
・・・神経質的になった時に欲しくなる言葉が満載。オススメ。

0
2023年04月01日

Posted by ブクログ

「あるがまま」とは
自己の「とらわれ」の内容を理解し認め、
「生の欲望」を実現すべく目的本意の行動をとり、自己陶冶、自己確立をはかり、創造的な生き方を試みることである。

あとがきには、筆者の特殊な事情が記され「生きる意味」が貫かれていた。

0
2022年06月01日

Posted by ブクログ

不安や葛藤は無理に消そうとせずそのままにして行動に移しましょう、当たり前のようなことだけれど専門家が書いた文章として改めて読むと納得感がある
実践するのはなかなか難しいけどもね、、

0
2021年12月19日

Posted by ブクログ

この世のなかは不条理と不公平で出来ていて自分もその一部。
だから不安定を恥じることなく自分のいきる道を決めて突き進むしかない。
精神は肉体に勝るかも
車に例えると体はボディで精神はエンジン。
子育てにも人間関係にも役に立つ

0
2021年08月23日

Posted by ブクログ

自分の自己肯定感の低さや、あがり症について、なんとか乗り越える糸口はないものかとあれこれ探している中で、以前に「森田療法」という言葉を聞いたことを思い出しました。

森田療法での「あるがまま」という概念の真髄が解かれており、思いのほか勇気付けられました。

自分にはやはり、何もしないうちからあれこれと考え、恐れる傾向があるのですが、最終的には「怖いけど、やってみる」、やらないうちの恐怖は妄想、というシンプルなことに行き着くのだなあと思いました。

「逃避的な考えを認めたうえで、それを「あるがまま」にし、さまざまな葛藤をもったうえで、とにかく新しい行動に自分を賭けてみようと「目的本位の行動」をとるのである。この場合、結果は良い目が出るか悪い目が出るかわからない。しかし大切なのは自分がよいと思ったことに自分自身を投げ出し、行動をしてみることなのである。」

この言葉に尽きます。

0
2018年12月30日

Posted by ブクログ

あるがままを受け入れる大切さと生の欲望の考えがわかった。非常に私にとって参考となる本であるとともに、筆者は辛くも厳しい過去の経験をあるがままに乗り越えた森田療法の体現者であったのだと尊敬の念を抱いた。

0
2016年08月08日

Posted by ブクログ

難しそうに見えたけどとても読みやすかった。
何かにとらわれてしまった時の日常へのアプローチの仕方がわかりやすい。
何はともあれこの著者が素敵。

0
2016年05月10日

Posted by ブクログ

神経症について平易に書かれているので理解しやすい。具体的な治療過程についてもっと知りたくなった。筆者自身の個人的なエピソードも良い。

0
2014年12月07日

Posted by ブクログ

素晴らしい神経質症を克服する実践的な話だった。神経質症だけにかぎらず、ありとあらゆる形の、普通の人の中にも存在する真面目に生きよう、しっかりとしようというような、ごく当たり前の欲求と行動の全てに関する本で、恐れや不安などを取り除こうとせず、あるがままにして、恐れたまま不安なままで生きていくという大事な生き方のメソッドだと感じた。

0
2013年10月04日

Posted by ブクログ

森田療法の本、二冊目。これで、だいぶ森田療法のことがよく分かった気がします。
著者はこの本をガンを患い、失明した状態で、口述で書き上げたそうです。ご自分の体験も織り交ぜながら、分かりやすく書かれていて、著者を身近に感じました。森田療法といえば「あるがまま」ですが、「かくあるべし」という思いが強くて苦しい方に向けて、何を「あるがまま」にするのか、目的本位に行動するとはどういうことなのか、イメージしやすく書かれていると思います。
「おわりに」では、自身の闘病体験についても詳しく書かれ、生き方、社会の在り方にまで言及するようなことが、優しさのにじむ言葉で書かれていました。

0
2013年10月01日

Posted by ブクログ

人間と、動物との相違は精神活動にある。
森田療法では、人間に固有の個的な精神活動と、生物の持つ種の保存機能の2つを合わせて「生の欲求」と位置づけ(=欲求の二面性)、これら二つの側面を以て分析対象を捉える。

どちらの欲求も人間に持って生まれた機能であり、これらの欲求の内の都合の悪い(=環境に適応しきれない)欲求を無理に抑圧することで神経症の発症原因となる。

森田療法の要諦は、精神活動としての欲求と種の保存的欲求を基底とした考えを「あるがまま」に受け入れ、「目的本位」に従うことが必要であるということである。

0
2013年06月25日

Posted by ブクログ

若者向けのフリーペーパー「R25」の中の「R25的ブックレビュー」で紹介されていた一冊。
今週のテーマというのが「生きていくだけなのに なぜ難しく感じるの?」となっていて、その中で一番大きく紹介されていたのがこの本。
そのコピーは、”生きづらい現代を生き抜くための超一級の人生哲学書”とあった。
新書の帯には、”不安や葛藤を「あるがまま」に受け入れ、すこやかな自己実現を目指す - 誰もが実践できるメンタル・ヘルスのヒント!”とかなり軽めのキャッチコピー。確かに書名がかなり堅いから売る側の工夫というものなのかもしれないけど、内容は著者の熱意あふれる文体に引き込まれます。
手話通訳者統一試験をめざすような人たちにもちょっとお薦めかも。
「森田療法」というのは、神経症の治療法のことで、この本はその入門書というか広く一般の人たちに「森田療法」を知ってもらおうと書かれた本だと思うのだが、試験を前に緊張してしまくって普段の自分の力を出し切れないような人にとっても参考になる記述がいっぱいある。
すなわち「試験のビデオカメラを前にしてメチャメチャ上がってしまっている自分を「あるがまま」に受け止めつつも、手話通訳者を目指してこれまで頑張ってきた自分の想いというものを最大限に大事にして行動する(試験問題に臨む)」という考え方です。
books73

0
2012年08月17日

Posted by ブクログ

生きることの自由とは意味の実現にかけることなんです。

森田療法とは

自己否定的な考え(逃避欲求/より楽な方に逃避したい)を そっくりそのまま受け容れて放置し(あるがまま)
自己実現欲求(真の欲望)に集中すること
(目的本位)

誰しも不安があるのは常。
ないことにしようすれば却ってそれに気がとらわれる。

神経症者はマイナスの感情を消そうと無駄な努力をしている。




対人恐怖症は本当に人が怖いのではなく、
他人にどう思われるかが怖い。

つまりどこかで人に期待してしまっている。
今好かれてるから嫌われたくない
面白いと思われたいとかいう人のところエゴ。



ドストエフスキー

彼自身が神経症に悩んでいたがそれを芸術に昇華させた
書き続けた


不安だから準備する
準備するから成功する
つまり不安がなければ成功しない。

0
2024年03月09日

Posted by ブクログ

本書は末期ガンによる副作用で失明した筆者が、担当編集者への口述筆記で完成させたものですが、ガンの痛みや身体の不自由さを抱えながら、なぜそこまでして書き上げたかったのか。そこに、筆者自身が「森田療法」具現者としての生き証人足らんとした事実を知ることになります。筆者による「あとがき」で明らかにされる事実はまるで、重厚なミステリーの種明かしを聞かされる様な衝撃と感動が味わえます。
森田療法とは、神経療法の理論全体を指す言葉です。キーワードは「あるがままを生きる」。ここでの「あるがまま」とは、症例として現れる不安や苦痛をあるがままに受け入れながら、こうありたい自分像に向って(目的本位)行動し、自己実現を目指すことを目的とします。
対人恐怖症だった銀行員の話など具体的なケースが理解を助けます。
結局、神経症自体、当事者にとっては苦痛以外の何ものでもないが、実は苦悩や葛藤を通じて、「とらわれ」からの解放を経験することでより自由で豊かな人間形成を可能とする面にも注目するのが森田療法です。

0
2023年05月30日

Posted by ブクログ

少々難しい所もあったので、飛ばし読み。

自分を当てはめながら読んでいたのだが、『生の欲望』が実は自分の中にもあるのかもしれない、と気付かされた。

例えば、逃避したくなるなどの『あるがまま』の自分を受け入れながら、本当に望んでいる事のために行動を起こす。
行動を起こす、ことが今の私にはできているだろうか?
そもそも、本当に望んでいることはなに?

あるがままを受け入れることに苦しみながらも、行動していくことでいつか行きづらさから解放されるなら、それは希望。

0
2020年04月05日

Posted by ブクログ

ロングセラーらしいですが、症例紹介と「あるがまま」を受け入れるほかない、という仏教的な治療法(?)です。これを読んでも当然「あるがまま」にはなれません。「あるがまま」になろうとすること自体がすでにあるがままではないのではないかとの素朴な疑問もあります。

0
2018年02月17日

Posted by ブクログ

吃音の治療に使われている認知療法について知りたくて読んでみた。古い本だけど、丁寧に平易な言葉で説明してあって、基本的な考え方がよくわかる。

0
2014年03月07日

「学術・語学」ランキング