岩井寛のレビュー一覧
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森田療法の本、二冊目。これで、だいぶ森田療法のことがよく分かった気がします。
著者はこの本をガンを患い、失明した状態で、口述で書き上げたそうです。ご自分の体験も織り交ぜながら、分かりやすく書かれていて、著者を身近に感じました。森田療法といえば「あるがまま」ですが、「かくあるべし」という思いが強くて苦しい方に向けて、何を「あるがまま」にするのか、目的本位に行動するとはどういうことなのか、イメージしやすく書かれていると思います。
「おわりに」では、自身の闘病体験についても詳しく書かれ、生き方、社会の在り方にまで言及するようなことが、優しさのにじむ言葉で書かれていました。 -
Posted by ブクログ
若者向けのフリーペーパー「R25」の中の「R25的ブックレビュー」で紹介されていた一冊。
今週のテーマというのが「生きていくだけなのに なぜ難しく感じるの?」となっていて、その中で一番大きく紹介されていたのがこの本。
そのコピーは、”生きづらい現代を生き抜くための超一級の人生哲学書”とあった。
新書の帯には、”不安や葛藤を「あるがまま」に受け入れ、すこやかな自己実現を目指す - 誰もが実践できるメンタル・ヘルスのヒント!”とかなり軽めのキャッチコピー。確かに書名がかなり堅いから売る側の工夫というものなのかもしれないけど、内容は著者の熱意あふれる文体に引き込まれます。
手話通訳者統一試験をめざす -
Posted by ブクログ
生きることの自由とは意味の実現にかけることなんです。
森田療法とは
自己否定的な考え(逃避欲求/より楽な方に逃避したい)を そっくりそのまま受け容れて放置し(あるがまま)
自己実現欲求(真の欲望)に集中すること
(目的本位)
誰しも不安があるのは常。
ないことにしようすれば却ってそれに気がとらわれる。
神経症者はマイナスの感情を消そうと無駄な努力をしている。
人
対人恐怖症は本当に人が怖いのではなく、
他人にどう思われるかが怖い。
つまりどこかで人に期待してしまっている。
今好かれてるから嫌われたくない
面白いと思われたいとかいう人のところエゴ。
ドストエフスキー
彼自 -
Posted by ブクログ
本書は末期ガンによる副作用で失明した筆者が、担当編集者への口述筆記で完成させたものですが、ガンの痛みや身体の不自由さを抱えながら、なぜそこまでして書き上げたかったのか。そこに、筆者自身が「森田療法」具現者としての生き証人足らんとした事実を知ることになります。筆者による「あとがき」で明らかにされる事実はまるで、重厚なミステリーの種明かしを聞かされる様な衝撃と感動が味わえます。
森田療法とは、神経療法の理論全体を指す言葉です。キーワードは「あるがままを生きる」。ここでの「あるがまま」とは、症例として現れる不安や苦痛をあるがままに受け入れながら、こうありたい自分像に向って(目的本位)行動し、自己実現