ソポクレースのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。同作者によるオイディプス王の続編にあたり、王の4人の子のうちの姉の名が表題となっている。わたしのなかではオイディプス王は最早レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザや、シュトックハウゼンの連作にも並ぶ真正の大芸術とまで格上げされているため、続編があると知って大分期待して読んだが、こちらは一段格は下がって、並の芸術品といったところに落ち着いている。格下げの主たる理由は、単純な因果応報(仏教用語でなく現在の用法)に落ち着いたこと。王道であり、民話ならなお一層親しまれるものだが、大芸術のやることではない(何故なら疑問の余地が残らず完全に消費されてしまう)。非常にポピュラーな内容であるので
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Posted by ブクログ
ちょうどいいタイミングで新訳が出ていた。旧訳からかなり読みやすくなっているし、解説もちきんとした量があって理解を助けてくれる。あらためて読んでも、ギリシア悲劇の中でも「オイディプス王」と並ぶ傑作だと思う。
祖国テーバイを攻めた兄ポリュネイケスの死体を埋葬しようとするアンティゴネーと、反逆者の埋葬を決して認めようとはしない王であり叔父でもあるクレオーンの対立。親族を弔うという神の理と、法と秩序を守るという国家の論理、それぞれの正義が真っ向からぶつかってやがて悲劇をもたらす。
そして、ただ正義の対立だけでない、対立する二人の不完全さが状況を複雑化させる。アンティゴネーは誰とも心を通わせることなく孤 -
Posted by ブクログ
演劇作品で始めて素直に面白いと感じ、すんなり没頭することができた。アンティゴネーが単純に正しい側のヒロインなのかと思いきや、しばしば不穏な発言をするから面白い。
"私は憎しみを共にするのではなく、愛を共にするよう生まれついているのです。"という感動的な言葉も、大きな説得力がありながら、どこか言行不一致の気配がうっすら感ぜられ、それが余計に味わい深い。
アンティゴネーがなぜこのような不幸な結末を迎える必要があったのかという理由は、出自そのものの不幸によるのではという解説の説明に一応納得。しかし、近親相姦がなぜこれほどまでにタブー視されているのか、オイディプスが自ら両目を刳