ヤン・ヨンヒのレビュー一覧

  • 朝鮮大学校物語

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    ネタバレ

    なんとなく手に取った本だけど、とても良かった…。主人公ミヨンは在日朝鮮人の中でもコテコテに北朝鮮アイデンティティが強い一家の出なのかなと思うけど(北朝鮮人はみんなそうなのか?)、本人はかなりそこに違和感を感じ抗っているので、感情移入しやすい。
    逆に、日本に住んでるにも関わらず、多くの在日朝鮮人が北の体制や思考に違和感を持たず従ってるのもすごいなぁと思った。
    最後卒業式でミヨンは忠誠を誓いません!と叫んで出ていくわけだけど、これは作者がそうしたかったという心の叫びなんだろうなと理解した。もしそうしてたら、家族、特に姉への何らかの影響があったんだろうか。。
    本当に謎に包まれた隣の国のリアリティある

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    2025年02月10日
  • 朝鮮大学校物語

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    著者のエッセイを読んでからこちらを読むとリンクする場面が多く、フィクションだけど今までの著者の経験が詰まった小説なんだろうということが実感できた。
    80年代の話だから今とは朝鮮学校の様子も違うのだろうか。自分の進みたい道に進めるようになっていたらいいなと思ってしまうが、SNSもあってより外の世界を知りやすい今の学生たちも祖国のために生きる信念を持っているものなのかな。

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    2024年06月15日
  • 朝鮮大学校物語

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    多様性を考えるなら、相手の声に教えを乞うしかない。相手を理解したと思う傲慢はいつもそばにあるので、耳を傾け続けるしかないということなんだろう。

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    2022年11月29日
  • 朝鮮大学校物語

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    映画「スープとイデオロギー」を見たのちに、監督のヤン・ヨンヒの本がロビーにあり、思わず手に取ってみた。これまで知らなかった在日韓国人、とりわけ朝鮮総連の人々の暮らしがどんなものなのか初めて知ることができた。思想と人生を考えると、現在曖昧に暮らしている日本の姿がむしろ好ましく見えてきた。

    率直な文章がとても気持ちの良い作品。女性としても勇気をもらえた。
    帯に書かれた「自由が故のしんどさなら、挑む価値があると思った」が良い。

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    2022年07月17日
  • 兄 かぞくのくに

    ネタバレ 購入済み

    以前映画を観てこの本を最近知りました。

    昔は在日の人には日本では将来に選択肢がほとんどなく希望を抱いて北朝鮮へ渡ったんですね。
    でもお兄さんたちは行く前に何か嫌な予感がしていたのでしょうか。
    私たちの知らない北朝鮮の一般の生活。お兄さんたち、帰国者たちは慣れるのにどれだけ苦労したことか。もしくは慣れることなく精神を病んでしまうか。改めて恐ろしい国だと感じました。

    家族の葛藤が丁寧に書かれていてまるでドラマをみているようであっという間に読み終えてしまいました。

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    2020年09月12日
  • 兄 かぞくのくに

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    やっぱり現実は、想像を超える。
    日本人拉致被害者も大変だとは思うが、在日の人たちは、帰国しても日本にいても大変だということがよくわかる。
    映画化もされたみたいなので、機会があったら観てみたい。

    この後引き続き「朝鮮大学校」を読む気になった。

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    2019年07月14日
  • 兄 かぞくのくに

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    著者には北朝鮮に「帰国」した3人の兄がいて、それぞれがどうにも言いようのない人生を歩まされている。芸術家肌だった長兄は、精神を病んで亡くなってしまう。次兄は三度の結婚を経て、半分あきらめたかのように自分を抑えながら、ささやかな幸せのなかで生きている。末兄は病気で、束の間の帰国を許されるが、予定を大幅に短縮され、治療もままならないまま北朝鮮に帰る。
    一家をあげて、期待しては裏切られ、憤ることもできないままあきらめる。どこか麻痺したかのように、努めて感情を動かさないように生きていくしかないような人生。これを一つの国が強いているという現実。しかも、それは意図的に行われているのだろうか。ただ、コマや機

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    2013年07月15日
  • 朝鮮大学校物語

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    昔、李恢成『伽耶子のために』を読んだとき、立原正秋『冬の旅』を読んだとき、自分の生まれた国や「民族」について普段は、輪郭を持たない漠然茫然混沌とした思念しかもたない日本人には、刺激が強すぎる文学だと感じた。本作は、時代が下がる分ずっと現代的で、個人主義への賛を前面に出してはいるものの、同じ読後感を残す。なぜ、民族の出自にそれほどプライドをかける人々がいるのか、それを賛美強制する政体が存在するのか。これは朝鮮半島の特殊事情なのか、それとも、20世紀前半の帝国主義とナチズムと共産主義のないまぜによって、世界史的にユーラシアの東西で、共通に不幸にも発生した国際政治学的現象なのか、あるいは人類学的な根

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    2022年08月23日
  • 朝鮮大学校物語

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    80年代の少し浮わついた時代の空気感に鋭く楔を打ち込む朝鮮大学校での日々。

    物語のハイライトはミヨンの姉が嫁いだ北朝鮮に卒業旅行で訪れる第3章。

    ミヨンは大学校を卒業して自由を探る道に進む。

    裕とのロマンスはやや淡白か。

    丸善高島屋大阪店にて購入。

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    2022年08月08日
  • 朝鮮大学校物語

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    もし私が主人公と同じ立場だったら、考えることを放棄し、何の疑問も持たずに生きるだろうか?常に現状に疑問を持ち、正しいと思ったことを貫くだろうか?感情を上手に隠してしたたかに生きるだろうか?

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    2022年08月03日
  • 兄 かぞくのくに

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    一年ほど前に映画をCSで観て原作がある事を知り、読むに至る。
    映画はどうしても時間の都合があったりで飛ばし飛ばしになるが、原作は詳細に書かれている。

    ヨンヒさんの文章はとても読みやすくて、難しい内容だけれどスラスラと頭に入ってくる。そして、身内の事をここまであからさまに書いてくださったヨンヒさんにも感謝したいし、これはヨンヒさんでなければ書かなかっただろう。

    地上の楽園と謳われて北朝鮮の帰国事業に従事した、3人の兄。その中身を覗いてみれば、矛盾に次ぐ矛盾と己の思考を停止させることが生きることで、成分(身分)と金が物をいい、国を挙げてのプロパガンダ活動等々、市民の生活全てをがんじがらめにさせ

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    2019年02月12日
  • 朝鮮大学校物語

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    「国籍なんか気にしない」って言葉を私も誰かに言ったことがあると思う。でもその言葉で相手を複雑な思いにさせたのかもしれないとこの小説で気付いた。
    「悪気がなくて気遣ってくれてることは解ってる。でも正直、上から言われてるように聞こえるっていうか……」正にこの言葉通りだと思った。本当に相手のことを思っていたら国籍を気にするはず。「国籍が違うからこそ、もっとあなたのことが知りたい。」となぜ素直に言えなかったのだろう。自分を大きく見せたいだけだったんだな…

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    2023年01月11日
  • 兄 かぞくのくに

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    幼い頃、3人の兄が帰国事業によって北朝鮮に渡り、国家と思想によって、引き裂かれてしまった、家族の話。
    朝令暮改など当たり前で、夢や希望という言葉も、"考える事" さえも捨てなければ生きる術がない、理不尽な国に暮らす人々の実態を初めて知って愕然とした。
    知る自由、考える自由、行動することが自由にできる国に暮らす私はもっともっと深く考えて行動しなくては、と痛感。
    途中、時系列がバラバラになっていて、ちょっと読みにくかったので★は3個にしました。

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    2013年08月24日