【感想・ネタバレ】朝鮮大学校物語のレビュー

あらすじ

「ここは日本ではありません」全寮制、日本語禁止、無断外出厳禁。18歳のミヨンが飛びこんだ大学は高い塀の中だった。東京に実在するもうひとつの〈北朝鮮〉を舞台に描く、自由をめぐる物語。解説・岸政彦

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなく手に取った本だけど、とても良かった…。主人公ミヨンは在日朝鮮人の中でもコテコテに北朝鮮アイデンティティが強い一家の出なのかなと思うけど(北朝鮮人はみんなそうなのか?)、本人はかなりそこに違和感を感じ抗っているので、感情移入しやすい。
逆に、日本に住んでるにも関わらず、多くの在日朝鮮人が北の体制や思考に違和感を持たず従ってるのもすごいなぁと思った。
最後卒業式でミヨンは忠誠を誓いません!と叫んで出ていくわけだけど、これは作者がそうしたかったという心の叫びなんだろうなと理解した。もしそうしてたら、家族、特に姉への何らかの影響があったんだろうか。。
本当に謎に包まれた隣の国のリアリティある一端が垣間見れた気がして、とても良かった。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

著者のエッセイを読んでからこちらを読むとリンクする場面が多く、フィクションだけど今までの著者の経験が詰まった小説なんだろうということが実感できた。
80年代の話だから今とは朝鮮学校の様子も違うのだろうか。自分の進みたい道に進めるようになっていたらいいなと思ってしまうが、SNSもあってより外の世界を知りやすい今の学生たちも祖国のために生きる信念を持っているものなのかな。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

多様性を考えるなら、相手の声に教えを乞うしかない。相手を理解したと思う傲慢はいつもそばにあるので、耳を傾け続けるしかないということなんだろう。

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2022年11月29日

Posted by ブクログ

映画「スープとイデオロギー」を見たのちに、監督のヤン・ヨンヒの本がロビーにあり、思わず手に取ってみた。これまで知らなかった在日韓国人、とりわけ朝鮮総連の人々の暮らしがどんなものなのか初めて知ることができた。思想と人生を考えると、現在曖昧に暮らしている日本の姿がむしろ好ましく見えてきた。

率直な文章がとても気持ちの良い作品。女性としても勇気をもらえた。
帯に書かれた「自由が故のしんどさなら、挑む価値があると思った」が良い。

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2022年07月17日

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昔、李恢成『伽耶子のために』を読んだとき、立原正秋『冬の旅』を読んだとき、自分の生まれた国や「民族」について普段は、輪郭を持たない漠然茫然混沌とした思念しかもたない日本人には、刺激が強すぎる文学だと感じた。本作は、時代が下がる分ずっと現代的で、個人主義への賛を前面に出してはいるものの、同じ読後感を残す。なぜ、民族の出自にそれほどプライドをかける人々がいるのか、それを賛美強制する政体が存在するのか。これは朝鮮半島の特殊事情なのか、それとも、20世紀前半の帝国主義とナチズムと共産主義のないまぜによって、世界史的にユーラシアの東西で、共通に不幸にも発生した国際政治学的現象なのか、あるいは人類学的な根本に由来する差別意識の原罪によるのか。とにかく、感じ、考えるきっかけになるし、読まないと、こういう問題の存在に一生気づかない能天気な人、粗暴なだけの街宣「テロ」に根源的共感を覚えてしまう残念な人などが今後も量産されるだけだ。こういう本が日本で一般に広く読まれるといいな、と思う。

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2022年08月23日

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80年代の少し浮わついた時代の空気感に鋭く楔を打ち込む朝鮮大学校での日々。

物語のハイライトはミヨンの姉が嫁いだ北朝鮮に卒業旅行で訪れる第3章。

ミヨンは大学校を卒業して自由を探る道に進む。

裕とのロマンスはやや淡白か。

丸善高島屋大阪店にて購入。

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2022年08月08日

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もし私が主人公と同じ立場だったら、考えることを放棄し、何の疑問も持たずに生きるだろうか?常に現状に疑問を持ち、正しいと思ったことを貫くだろうか?感情を上手に隠してしたたかに生きるだろうか?

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2022年08月03日

Posted by ブクログ

「国籍なんか気にしない」って言葉を私も誰かに言ったことがあると思う。でもその言葉で相手を複雑な思いにさせたのかもしれないとこの小説で気付いた。
「悪気がなくて気遣ってくれてることは解ってる。でも正直、上から言われてるように聞こえるっていうか……」正にこの言葉通りだと思った。本当に相手のことを思っていたら国籍を気にするはず。「国籍が違うからこそ、もっとあなたのことが知りたい。」となぜ素直に言えなかったのだろう。自分を大きく見せたいだけだったんだな…

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2023年01月11日

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