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Posted by ブクログ
昔、李恢成『伽耶子のために』を読んだとき、立原正秋『冬の旅』を読んだとき、自分の生まれた国や「民族」について普段は、輪郭を持たない漠然茫然混沌とした思念しかもたない日本人には、刺激が強すぎる文学だと感じた。本作は、時代が下がる分ずっと現代的で、個人主義への賛を前面に出してはいるものの、同じ読後感を残す。なぜ、民族の出自にそれほどプライドをかける人々がいるのか、それを賛美強制する政体が存在するのか。これは朝鮮半島の特殊事情なのか、それとも、20世紀前半の帝国主義とナチズムと共産主義のないまぜによって、世界史的にユーラシアの東西で、共通に不幸にも発生した国際政治学的現象なのか、あるいは人類学的な根本に由来する差別意識の原罪によるのか。とにかく、感じ、考えるきっかけになるし、読まないと、こういう問題の存在に一生気づかない能天気な人、粗暴なだけの街宣「テロ」に根源的共感を覚えてしまう残念な人などが今後も量産されるだけだ。こういう本が日本で一般に広く読まれるといいな、と思う。
Posted by ブクログ
なんとなく手に取った本だけど、とても良かった…。主人公ミヨンは在日朝鮮人の中でもコテコテに北朝鮮アイデンティティが強い一家の出なのかなと思うけど(北朝鮮人はみんなそうなのか?)、本人はかなりそこに違和感を感じ抗っているので、感情移入しやすい。
逆に、日本に住んでるにも関わらず、多くの在日朝鮮人が北の体制や思考に違和感を持たず従ってるのもすごいなぁと思った。
最後卒業式でミヨンは忠誠を誓いません!と叫んで出ていくわけだけど、これは作者がそうしたかったという心の叫びなんだろうなと理解した。もしそうしてたら、家族、特に姉への何らかの影響があったんだろうか。。
本当に謎に包まれた隣の国のリアリティある一端が垣間見れた気がして、とても良かった。
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