宮ノ川顕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最近のハードなホラーが好きな人には駄目だと思う。表題作のタイトルはグロテスクな描写や自分の体が変容する恐怖を期待させるが、そういうものは何も無い。描写力はあるがグロテスクでなく綺麗と感じさせるものだし、恐怖でなく楽しい感じだ。逆に、最初から楽しいものを期待して買うと表題作は楽しめると思う。他の二つについて。表題作で見られた発想の良さが少しでも感じられる第2編・3編を期待してたらあてが外れた。どこかで読んだようなありふれた話で、がっかりした。でも筆力は相当なものなので、安心して読める。文庫版で気楽に読むには良いかもしれない。
・「化身」
特殊な環境に遭難した主人公が、日々を生きる中、体が環境と生活に適応し、どんどん変容していく話。生態系の最下位にいた主人公が、その頂上にまで達する話で、楽しい。特に○○を食べるためにジャンプするシーンなどわくわくした。体が変容していくが、それに対する主人公の苦悩など一切無い。むしろ環境に適応してウェルカムと感じているよう。読み物としてのレベルは申し分ないが、日本ホラー小説大賞という肩書きは似合わない。設定だけはホラーであるが、ホラーとして進行していかない。というより、最初から読者を怖がらせようとすらしていない。
・「雷魚」
池に現れる「女の人」の話。少年の心はよく書けているが、ややありきたり。
・「幸せという名のインコ」
飼っていたインコが様々な<お告げ>をする話。オチは見え見えだが、最後のインコの言葉自体はなかなか面白かった。だが、これもよくある話。新しさはない。
今のところあんまり次を読みたいとは思わないが、「化身」に匹敵する怪作なら是非買いたい。 -
Posted by ブクログ
前作「化身」が最高にゾクゾク、ブルブルとさせてくれた秀逸な
ホラーで新作をごっつ楽しみにしていた新鋭な作家さん。
とうとう新作出ますたー...ということで他の積本を尻目に
優先度マックスで読書開始。
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あー...こっちの路線なのかぁ。強いて言えば、その「化身」に収録
されていた別の作品「幸せという名のインコ」に近い雰囲気ですかね。
「化身」で見られたような異常な状況かつ、異端の発想で繰り広げられる
脳内サイケデリックなあの感覚を味わう作品ではなかったス。
まぁ、長編ってこともあるし、そもそも「化身」を期待していた訳では
ないんですが...個人的な想い入れと異常な期待感が高すぎて
肩透かし感を食らったのは否めない。でも作家さっと作品には
罪はない...と言っておかなきゃです。
ただ、長編自体が向いてないのか、やや描写も間延びするし、
引っ張った割りに、なんとなく着地が途中から分かってしまうしで
やはり前作のような瞬発的な殺傷度はないので、意見が
分かれそうな作品ですね。