河治和香のレビュー一覧

  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
     江戸末期、天保年間の町絵師最大一派、歌川国芳の一門を描くシリーズ第一巻。
     本作は国芳の長女、登鯉の視点で描かれる。

     隅田川に流される、磔にされた女、それと男の生首が江戸っ子たちの話題に上がる。
     旗本に嫁いだ女が男と駆け落ちしただの、男が女を寝取っただのと、いろんな噂が飛び交う江戸の町。

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  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙
     俺が好きな江戸時代の絵師は北斎、若冲、そんで国芳です。

     北斎は画狂の名の通り、様々な描き方のアプローチから、人や自然、風景の本質を描き出す天才肌の変人という見方をしている。
     若冲は、鳥や動物の情景が音まで聞こえてきそうな一瞬の切り取りに長けていると思う。

     そして国芳。
     この人の絵が好き...続きを読む
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙
    初出 2019〜20年「きらら」

    幕末に没した浮世絵師歌川国芳の弟子たちの、浮世絵が廃れていく明治になってからの歩みを、萬朝報の記者鶯亭金升が国芳の娘のお芳などから聞く。

    1)一勇齊芳女(お芳) 国芳の次女。姉が登鯉の画号を与えられたのに、父の代筆ができるようになっても認められなかった鬱屈を抱え...続きを読む
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙
    歌川国芳の娘や弟子たちが、まだ江戸っ子気質を残したまま、激動の時代を生き抜いていった。長く生きていれば、様々なことに出合う。悲しいこと愉しいこと、バカバカしいこと、それが人生ってモンだと納得させられる作品。
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    江戸の暮らし・風俗を、国芳の娘の視点から軽妙なタッチで描いていて、知らない細かいエピソードが多く勉強になる。
  • 国芳一門浮世絵草紙5 命毛
    終わってしまった‥。
    登鯉ちゃん、色々あったね、と肩を叩きたい気分。
    最終巻らしく、これまでの男が勢揃い。
    新場の小安のこと、私はそんなに好きじゃないけど、登鯉ちゃんを泣かせるなよ!

    人はあっけなく死ぬものだなあ。
    死ななくとも、何かのきっかけで人生はがらりと変わる。
    後書きで著者の経歴を読んで驚...続きを読む
  • 国芳一門浮世絵草紙4 浮世袋
    登鯉ちゃん、死んじゃうの?
    労咳という病が江戸時代にどの程度の重みがあったのかわからないけれど、登鯉ちゃんの心には大きな影響を与えたようで。
    登鯉ちゃんは生まれた時から、色んな人に愛されてきたんだなあ‥。
    それなのに、自分だけの誰かを見つけることはとてもとても難しいのだ。
  • 国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖
    登鯉ちゃんが段々大人になって(それでも19歳なんだけど)、じれったい、心許ない感じ。
    「市芳」は泣けたなあ。
    他の時代小説だったら、国芳一門の知恵と荒業でお殿様を助けちゃうところだけど、あっさり死んじゃうのが本当の江戸っぽい。
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ
    登鯉ちゃん、おきゃんだなあ、やっぱり可愛いなあ。
    すぐ寝ちゃう登鯉ちゃん、侍を好きになっちゃう登鯉ちゃん、寂しさと強がりの登鯉ちゃん。
    お玉ちゃんの話も切なかったし、お栄さんもいぶし銀で良い。
    女性にばかり目が行くのは、私の問題か著者の問題か、それともキャラクターの賜物か?
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    登鯉ちゃんは可愛いなあ。
    勢いで書いたものを勢いで読んでいる感じ?
    私は好きだけど、好きじゃない人は好きじゃないだろうなあ、というのもわかる。
    荒々しい書きぶり。
    でも、登鯉ちゃんが可愛いんだよなあ。
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    江戸の天保期といえば
    ヨーロッパではモーツァルトが活躍していたころ

    日本にも
    魅力的な人たちがいました
    はい 北斎、広重、英泉、国貞、貞秀、
    そして、国芳さん
    江戸の町を舞台に
    国芳さんの娘、登鯉さんの目線から
    見た
    浮世絵師たちの暮らしが
    描かれる

    いゃあ
    面白いなぁ

    そういえば
    少し前に...続きを読む
  • 国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖
    連作短編5編
    それぞれの人が成長し味わいも深みも増してくるが,変わらぬ国芳の懐の深さと人情に安心できる.江戸っ子の独特のキレのいい言葉と絶妙な言い回しに思わずニヤリとしてしまう.少年藩主と登鯉たちの交流と悲哀を描いた「市芳」が良かった.
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ
    シリーズ2作目。面白ーい!べらんめぇでどたばたな話なのに、なんだか切なくなったり。いいなぁ、河治さん。今回は北斎の娘お栄も登場。お栄とは朝井まかてさんの「眩」で仲良く?なったから、出てきてくれて嬉しい!国芳も北斎には頭が上がらなかったんだな。
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ
    幕末の事件にからみながらも,江戸っ子軍団国芳一門,面目躍如の活躍ぶり.登鯉の恋模様や国芳の北斎への憧れなど,微笑ましいものもあれば,高野長英の脱獄がらみの話もあって,中身の濃い短編集.各編の挿絵がまたいい.
  • 鍼師おしゃあ 幕末海軍史逸聞
    なんでこんなに読んでる人少ないんだろう。面白いのにもったいない!鍼師おしゃあのキャラが強烈!江戸っ子でぇい!てやんでぃ!粋だなぁ。笑ったり切なくなったり最後まで面白かった。古川庄八、安田善次郎、成島柳北、と実在するらしい人物が多く出てきて、どんな人かネットで調べながら読みました。
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    国芳一門のあれこれを娘登鯉の視点で,これでもかって言うぐらいの江戸っ子ぶりで描かれていて,とってもおかしくてホロリとさせられる.それにしても,江戸っ子でいるのも大変だ.
  • 鍼師おしゃあ 幕末海軍史逸聞
    ざっくり言うと時代ものの恋愛小説だけど、鍼の治療から幕末の江戸の風俗などてんこ盛りで楽しかった。
    庄八さんは実在してたんだ。こんなカップルいただろうな。
    江戸はさばけてていいな。
  • 紋ちらしのお玉
    江戸で芸者をやっているお玉のところに遊びにくる男たちが中々の有名所で、実在した人物たちが登場します。
    ストーリーも実際の出来事にフィクションを混ぜた感じ。

    日本を変えよう!と大きく動く男たちを少し淋しげに見ているお玉が何とも切ない。

    後二巻あるそうなので続きが楽しみです。
    お玉の忘れられない男の...続きを読む
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ
    【本の内容】
    前作「笹色の紅」が評論家に絶賛された新鋭が、鉄火肌の浮世絵師国芳と、脳天気な弟子たちの浮世模様を娘の女絵師登鯉の目から描いた、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第一作。

    国芳の娘登鯉は、刺青が大好きで博奕場にも平気で出入りするような“侠風”な美少女。

    一方で、天...続きを読む
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ
    ちゃきちゃきの江戸っ子群像劇、という体の第二巻。
    歌川国芳の娘、登鯉が主人公、ということで、
    彼女が中心ではあるのですが、
    徐々に周りの人物それぞれのドラマも描かれ始めます。
     
    一巻にちょっと「名前出し」していた登場人物のドラマなども動き出し、
    さあ面白くなってきたぞ!という感じ。
     
    全員のキャ...続きを読む