河治和香のレビュー一覧

  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ

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     国芳一門のシリーズ二巻。

     男には惚れても、一緒になりたい男には手が届かなくてもどかしい、女っ気というよりは男勝りの江戸っ子気質は親父譲りの国芳の娘、登鯉。
     うちの娘を武家にやれるかと息巻いていた国芳だったが、最近はやけに登鯉の縁談を気にするようになってきた。
     というのも、北斎の家に訪問し、北斎の娘お栄を見て以来この調子だ。
     お栄は親と同様に絵で生きていたが、すでに生き遅れの女になり、国芳はお栄に登鯉の行末を見たのだろう。

     登鯉を誰かに嫁がせようとする国芳一門に対して、登鯉は苛立ちを隠せない。


     北斎の娘、お栄と国芳の娘、登鯉が揃って屋根上からの火事場見物してるところが面白い

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    2021年01月06日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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     江戸末期、天保年間の町絵師最大一派、歌川国芳の一門を描くシリーズ第一巻。
     本作は国芳の長女、登鯉の視点で描かれる。

     隅田川に流される、磔にされた女、それと男の生首が江戸っ子たちの話題に上がる。
     旗本に嫁いだ女が男と駆け落ちしただの、男が女を寝取っただのと、いろんな噂が飛び交う江戸の町。

     ちょうどそのころ、国芳に入門したいいところの坊主、周三郎が写生に使うと川から拾ってきたモノは、女の生首だった。
     腰を抜かす国芳の弟子たち、そこへ乗り込んでくる岡っ引き。

     この事件が元で南町奉行が入れ替わるのだが、そのころから江戸には禁制の嵐が吹き荒れる。
     世にいう、天保の改革。
     錦絵への

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    2021年01月04日
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙

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     俺が好きな江戸時代の絵師は北斎、若冲、そんで国芳です。

     北斎は画狂の名の通り、様々な描き方のアプローチから、人や自然、風景の本質を描き出す天才肌の変人という見方をしている。
     若冲は、鳥や動物の情景が音まで聞こえてきそうな一瞬の切り取りに長けていると思う。

     そして国芳。
     この人の絵が好きなのは、江戸っ子の粋をビンビンに感じる。
     武者絵のほとばしる躍動感、様々なモチーフに描く猫もかわいい。


     江戸から明治へ、御一新のちの江戸改め東京。
     浮世絵師として名をはせた国芳一門も、時代に乗って活躍する者、時代に取り残される者に分かれていた。

     国芳の弟子たち、月岡芳年、河鍋暁斎、落合

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    2020年12月26日
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙

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    初出 2019〜20年「きらら」

    幕末に没した浮世絵師歌川国芳の弟子たちの、浮世絵が廃れていく明治になってからの歩みを、萬朝報の記者鶯亭金升が国芳の娘のお芳などから聞く。

    1)一勇齊芳女(お芳) 国芳の次女。姉が登鯉の画号を与えられたのに、父の代筆ができるようになっても認められなかった鬱屈を抱える。父の死後は外国人相手の千代紙、春画を書いたり小物の絵付けをし、昭和まで生きた。
    2)芳虎 師匠の作風に似たが破門され横浜絵などを描く。芳藤 おもちゃ絵(工作用)を得意とし、尾張公の若君がお気に入りだった。
    3)河鍋暁斎 幼くして入門したが、狩野派へ行き。維新後は仮名垣魯文と組んで戯作(小説)の挿

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    2020年12月23日
  • ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙

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    歌川国芳の娘や弟子たちが、まだ江戸っ子気質を残したまま、激動の時代を生き抜いていった。長く生きていれば、様々なことに出合う。悲しいこと愉しいこと、バカバカしいこと、それが人生ってモンだと納得させられる作品。

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    2020年12月08日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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    江戸の暮らし・風俗を、国芳の娘の視点から軽妙なタッチで描いていて、知らない細かいエピソードが多く勉強になる。

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    2020年07月08日
  • 国芳一門浮世絵草紙5 命毛

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    終わってしまった‥。
    登鯉ちゃん、色々あったね、と肩を叩きたい気分。
    最終巻らしく、これまでの男が勢揃い。
    新場の小安のこと、私はそんなに好きじゃないけど、登鯉ちゃんを泣かせるなよ!

    人はあっけなく死ぬものだなあ。
    死ななくとも、何かのきっかけで人生はがらりと変わる。
    後書きで著者の経歴を読んで驚いた。
    若さと勢いで書いた荒削りな作品だと思ったら、ベテランの方だったのね。
    小説家としてのベテランではないので、そういう意味では勢いで書いたのかもしれないけど。
    兎に角楽しませていただきました、有難う。

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    2019年09月02日
  • 国芳一門浮世絵草紙4 浮世袋

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    登鯉ちゃん、死んじゃうの?
    労咳という病が江戸時代にどの程度の重みがあったのかわからないけれど、登鯉ちゃんの心には大きな影響を与えたようで。
    登鯉ちゃんは生まれた時から、色んな人に愛されてきたんだなあ‥。
    それなのに、自分だけの誰かを見つけることはとてもとても難しいのだ。

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    2019年08月27日
  • 国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖

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    登鯉ちゃんが段々大人になって(それでも19歳なんだけど)、じれったい、心許ない感じ。
    「市芳」は泣けたなあ。
    他の時代小説だったら、国芳一門の知恵と荒業でお殿様を助けちゃうところだけど、あっさり死んじゃうのが本当の江戸っぽい。

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    2019年08月24日
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ

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    登鯉ちゃん、おきゃんだなあ、やっぱり可愛いなあ。
    すぐ寝ちゃう登鯉ちゃん、侍を好きになっちゃう登鯉ちゃん、寂しさと強がりの登鯉ちゃん。
    お玉ちゃんの話も切なかったし、お栄さんもいぶし銀で良い。
    女性にばかり目が行くのは、私の問題か著者の問題か、それともキャラクターの賜物か?

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    2019年08月22日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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    登鯉ちゃんは可愛いなあ。
    勢いで書いたものを勢いで読んでいる感じ?
    私は好きだけど、好きじゃない人は好きじゃないだろうなあ、というのもわかる。
    荒々しい書きぶり。
    でも、登鯉ちゃんが可愛いんだよなあ。

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    2019年08月21日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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    江戸の天保期といえば
    ヨーロッパではモーツァルトが活躍していたころ

    日本にも
    魅力的な人たちがいました
    はい 北斎、広重、英泉、国貞、貞秀、
    そして、国芳さん
    江戸の町を舞台に
    国芳さんの娘、登鯉さんの目線から
    見た
    浮世絵師たちの暮らしが
    描かれる

    いゃあ
    面白いなぁ

    そういえば
    少し前に読んだ「おもちゃ絵芳藤」
    の絵師 芳藤さんも 国芳一門
    でした

    もちろん、
    この一冊にも登場されます

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    2018年04月05日
  • 国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖

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    連作短編5編
    それぞれの人が成長し味わいも深みも増してくるが,変わらぬ国芳の懐の深さと人情に安心できる.江戸っ子の独特のキレのいい言葉と絶妙な言い回しに思わずニヤリとしてしまう.少年藩主と登鯉たちの交流と悲哀を描いた「市芳」が良かった.

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    2017年02月09日
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ

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    シリーズ2作目。面白ーい!べらんめぇでどたばたな話なのに、なんだか切なくなったり。いいなぁ、河治さん。今回は北斎の娘お栄も登場。お栄とは朝井まかてさんの「眩」で仲良く?なったから、出てきてくれて嬉しい!国芳も北斎には頭が上がらなかったんだな。

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    2016年12月17日
  • 国芳一門浮世絵草紙2 あだ惚れ

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    幕末の事件にからみながらも,江戸っ子軍団国芳一門,面目躍如の活躍ぶり.登鯉の恋模様や国芳の北斎への憧れなど,微笑ましいものもあれば,高野長英の脱獄がらみの話もあって,中身の濃い短編集.各編の挿絵がまたいい.

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    2016年11月25日
  • 鍼師おしゃあ 幕末海軍史逸聞

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    なんでこんなに読んでる人少ないんだろう。面白いのにもったいない!鍼師おしゃあのキャラが強烈!江戸っ子でぇい!てやんでぃ!粋だなぁ。笑ったり切なくなったり最後まで面白かった。古川庄八、安田善次郎、成島柳北、と実在するらしい人物が多く出てきて、どんな人かネットで調べながら読みました。

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    2016年11月12日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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    国芳一門のあれこれを娘登鯉の視点で,これでもかって言うぐらいの江戸っ子ぶりで描かれていて,とってもおかしくてホロリとさせられる.それにしても,江戸っ子でいるのも大変だ.

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    2016年11月03日
  • 鍼師おしゃあ 幕末海軍史逸聞

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    ざっくり言うと時代ものの恋愛小説だけど、鍼の治療から幕末の江戸の風俗などてんこ盛りで楽しかった。
    庄八さんは実在してたんだ。こんなカップルいただろうな。
    江戸はさばけてていいな。

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    2015年07月09日
  • 紋ちらしのお玉

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    江戸で芸者をやっているお玉のところに遊びにくる男たちが中々の有名所で、実在した人物たちが登場します。
    ストーリーも実際の出来事にフィクションを混ぜた感じ。

    日本を変えよう!と大きく動く男たちを少し淋しげに見ているお玉が何とも切ない。

    後二巻あるそうなので続きが楽しみです。
    お玉の忘れられない男の人って、多分あの人の事なんだろうなぁー。

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    2015年05月01日
  • 国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめ

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    ネタバレ

    【本の内容】
    前作「笹色の紅」が評論家に絶賛された新鋭が、鉄火肌の浮世絵師国芳と、脳天気な弟子たちの浮世模様を娘の女絵師登鯉の目から描いた、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第一作。

    国芳の娘登鯉は、刺青が大好きで博奕場にも平気で出入りするような“侠風”な美少女。

    一方で、天保の改革を鋭く諷刺した国芳は、とうとう北町奉行所に召喚されてしまう。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    柴又生まれの江戸っ子作家、河冶和香さんの書き下ろしシリーズ第1作である。

    今回のは江戸末期を代表する浮世絵師の一人、歌川国芳一門の活躍を娘登鯉(とり)の眼から描いた作品である。

    登鯉は入墨が

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    2014年11月22日