霧島兵庫のレビュー一覧

  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

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    この本、この作者については書きたいことが多くて。まずは作者。とにかく素晴らしい。まず目のつけどころ。このタイトルから何を想像するか?全く分かりませんでした。これは信長の弟の信行が主人公。信長を題材にした小説が多い中、尾張統一前の若き信長の時代で、かつ信行が主人公というものは極めて珍しい。謀反を起こすことになる信行。前半は信長に敵対する信行、後半は必死で支えようとする信行、そんな信行がなぜ謀反を起こすことになったのか。そして最期を前にした信行の決意と覚悟には感動の一言!一気に信行ファンになりました。それにしても霧島兵庫の作品は熱くて面白い。さすがです。もっともっと書きたいことはありますが、歴史小

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    2021年11月20日
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

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     歴史小説というものをほとんど読んだ記憶が無いが、めちゃくちゃハマって一気読みした。そういう書き方ができるのだなぁと感心。信行の信長を思う言動に心打たれる。

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    2021年02月14日
  • 甲州赤鬼伝(新潮文庫)

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    武田軍の最強の赤備えを率いた山縣昌景が設楽ケ原の戦いで敗死した後、その最強軍を率いることになった山縣昌満の短いけれど輝かしい勇姿を描いた大作。本作の素晴らしいところは、父・兄の死の克服・復活から功績を挙げ、真摯に軍・国の建て直しに奔走し、非情な運命の中でカッコよく死んでいく姿を、簡潔に、然れどもラストは涙を禁じ得ないほど感情移入をしてしまう作者の作力である。

    昌満は父の遺言である「鬼となりて、名を、天下に」という言葉を自問し続ける。この意味を考える時、武田の没落の中にあっては、自らの戦功が却って虚しく響くことに気付く失意の場面は一つのポイント。最後の突撃において、その遺言、呪いと思っていた言

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    2020年05月06日
  • 静かなる太陽

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    はるか昔、歴史の授業で習った「義和団事件」。

    単語としてしか理解してなかったが、本書を読む事で「義和団事件」が歴史の一コマでなく、生きたドラマとして心の中に刻みつけられた。

    だいぶ以前に中公新書で読んで感心した「ある明治人の記録」の主人公柴五郎が、義和団事件の籠城戦の日本人の中心人物であることはすっかり失念していたが、この柴五郎の人物造形がなんともいいのだ。冷静だが熱く、強さと優しさを併せ持ち、本当に男としてかくありたいと感じさせるのだ。
    明治期の人間には筋の通った魅力的な人物が多いように感じるのは私だけだろうか。

    「ある明治人の記録」は、参考文献の一番最初に挙げられているので、あらため

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    2025年10月29日
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)

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    面白かったです。
    『孫子』と並び、戦争に関する教科書の古典と言えるクラウゼヴィッツの『戦争論』。
    クラウゼヴィッツのこともですが、この『戦争論』が世に出るまでの経緯を全く知りませんでした。
    最初はライトノベルの様な筆致に少し馴染めなかったのですが、読み進めると内容は結構骨太で、知的好奇心が刺激されます。
    また、他の本でずっと気になっていた“ナポレオンはなぜあんなに強かったのか?”という謎が解けたのも、大きな収穫です。
    フランス兵のモチベーション、配下の元帥達の個の能力、重火器の使い方、そしてナポレオン自身の用兵の才能など、原因は複数ありますが、一つ一つの戦いから、それらが立ち昇ってくる様が見事

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    2024年01月07日
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)

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    組織の命運は人材によって左右される
    最後のワーテルローの戦いの描写では、そういったところが伝わってきて、会社の運営とかにも通用するなと一人で納得してました

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    2022年09月04日
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

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    信長と弟の確執がこの本では兄弟愛となって話が進む。兄を想う弟の行動が哀しく映る。
    信長を鬼と変えたのは弟。ありえないけどあってもおかしくない話だった。

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    2022年01月19日
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

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    織田信行を主人公とした時代小説。
    信長の周囲の人物を主人公にする話はあれこれありますが、これは珍しいんじゃないでしょうか。
    そもそも、主人公が生きているのが織田信長伝としては相当初期の時期で、派手なエピソードが少ないですからね。
    終盤でちょっと強引な展開になりますが、全体的にとても楽しめました。

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    2020年10月18日