あらすじ
ナポレオン戦争も終結し、士官学校校長となったクラウゼヴィッツ。取り組んだのは『戦争論』の執筆だった。宮廷女官長を務めた聡明な妻マリーに、六つの戦場を語っていく――。見えてくる戦争の変貌と軍事の要諦。国民皆兵制か傭兵か、制限戦争か絶対戦争か……。戦争について問い続けた夫と、理解者だった妻。二人で成し遂げた〈名著誕生〉の舞台裏を描く画期的小説。『フラウの戦争論』改題。(解説・佐藤賢一 )
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Posted by ブクログ
面白かったです。
『孫子』と並び、戦争に関する教科書の古典と言えるクラウゼヴィッツの『戦争論』。
クラウゼヴィッツのこともですが、この『戦争論』が世に出るまでの経緯を全く知りませんでした。
最初はライトノベルの様な筆致に少し馴染めなかったのですが、読み進めると内容は結構骨太で、知的好奇心が刺激されます。
また、他の本でずっと気になっていた“ナポレオンはなぜあんなに強かったのか?”という謎が解けたのも、大きな収穫です。
フランス兵のモチベーション、配下の元帥達の個の能力、重火器の使い方、そしてナポレオン自身の用兵の才能など、原因は複数ありますが、一つ一つの戦いから、それらが立ち昇ってくる様が見事でした。