竹中均のレビュー一覧

  • 「自閉症」の時代

    Posted by ブクログ

    979

    多くの著名人を横軸で繋げてくれた本で面白かった。(exジョブズ、新海誠、コンビニ人間、若冲、グレン・グールド、チューリグ、ヴィトゲンシュタイン、メルヴィル、ジョン・ケージ、村上春樹、涼宮ハルヒの憂鬱)

    竹中均(たけなか ひとし)
    1958年生まれ。早稲田大学第一文学部社会学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得満期退学。阪大博士(人間科学)。現在、早稲田大学文学部教授。 専攻は理論社会学、比較社会学。著書として、『柳宗悦・民藝・社会理論 カルチュラル・スタディーズの試み』(明石書店)『精神分析と社会学 二項対立と無限の理論』(明石ライブラリー )『自閉症

    0
    2023年10月26日
  • 精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ

    Posted by ブクログ

    副題の「フロイトからウィトゲンシュタイン へ」何が手渡されたのか、というあたりが気になって手にとった。内容も素晴らしいのだけど、巻末の謝辞の最後の一言まで丁寧に書かれていることにも驚く。

    まず、フロイトの最初期の草案についての解説と、自閉症についての解説が続く。

    最後のまとめとしてウィトゲンシュタインを登場させるのだが、この章が丁寧ではあれどやや駆け足なので、ある程度はウィトゲンシュタインについて「知っている」のが必要となるかもしれない。特にフロイトも自閉症についても一般的な認識があれば読み進めるに問題ないと思う。

    自閉症について、ニコラス・ハンフリーは『喪失と獲得』において、洞窟壁画は

    0
    2018年12月19日
  • 「自閉症」の時代

    Posted by ブクログ

     自閉症については今までインターネットの記事やテレビ番組の特集などで知ることができたが、それらは自閉症の人と家族がどう苦労して大変な生活を送っているかというものを視聴者に伝える、社会問題提起のような側面があった。
     しかし、この本では自閉症者が持っている特徴的な症状から過去の自閉症が疑われる有名人の実例など詳しく書かれていて、自閉症とはということを詳しく知ることができた。
     今まで自閉症は障害であり、「普通の人」よりも劣っているという感覚を持っていたが、この本を読むことで自閉症者は時間的に未発達な人間なのではなく、空間的に別の枠組みで共存してる少数派の人間であるだけなのだと考えるようになった。

    0
    2020年09月23日
  • 精神分析と自閉症 フロイトからヴィトゲンシュタインへ

    Posted by ブクログ

    初期フロイトの思想を考えなおし、精神分析の観点から自閉症について考えるための新しい視角を提供している本です。

    著者は、初期フロイトの「心理学草案」というテクストに着目します。これまでは、快感原則と現実原則の調停に関して、社会的規範をどのように内面化するのかという観点から解釈されてきましたが、著者はそうした解釈を「量の大きさ」解釈と呼び、これに対して「変化速度」解釈という立場を打ち出しています。それは、快感原則は単純に内因性の興奮の外延量に基づくのではなく、内包量すなわち「強度」に基づいているというものです。この立場では、快感原則と現実原則の調停は、内因性の興奮の最強度の部分を「抑圧」し「緩和

    0
    2017年12月23日
  • 自閉症が文化をつくる

    Posted by ブクログ

    世の中には「天才」と呼ばれる人たちがいる。
    天才ゆえの苦悩、とかも目にしたりすることがある。苦しみ方も半端じゃなさそうだ(たぶん)。

    天才ってどっか変な人たちだよねー、と私たちはわりと感じる(たぶん)。
    何かに特化して才能を輝かせるためには歪な部分も出てくるんだろうねえ、なんて(たぶん)ちょっと憧れながら話したりする。

    天才かどうかはともかくとして、さまざまな偉業を成し遂げた「とんがった」人たち。
    彼らの中にはいわゆる発達の偏りを持った人たちが少なくないと考えられている。

    また、物語の登場人物たちの中にも不思議な「とんがり」を持つ人たちがいて、彼らが物語のテイストを左右したり、独特の"味

    0
    2023年09月07日
  • 自閉症が文化をつくる

    Posted by ブクログ

    膨大な量の参考文献とそこからの引用による考察は大変興味深いものがあった。
    自閉症ではないかとされているのは、
    伊藤若冲
    アラン・チューリング
    ジュゼッペ・アルチンボルト
    ルイス・キャロル
    コナン・ドイル
    エリック・サティ
    アンディ・ウォーホル
    グレン・グールド
    物語の登場人物で自閉症的描かれてる人物として、
    村上春樹初期作品『1973年のピンボール』主人公
    村田沙耶香『コンビニ人間』恵子
    ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』ハンプティ・ダンプティほかアリス以外のキャラクター
    コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ
    落語の与太郎
    他にラノベ作品が数作紹介されていたが割愛。

    0
    2023年07月03日
  • 「自閉症」の時代

    Posted by ブクログ

    スティーブジョブズ、新海誠、グレン・グールド、アランチューリングから涼宮ハルヒまで著者が多種多様な人物や物語を引用し「自閉症」の時代を考察した一冊。
    情報量の多さに圧倒されてしまった。
    ここまで様々な情報を統合できる視野の広さが欲しいなと羨ましく思った。

    0
    2020年08月31日
  • 「自閉症」の時代

    Posted by ブクログ

    昔読んだ伝記には、学校で変人扱いされていたとか、全く勉強できなくてとか書いてあって、そういう人がいかに一つのことにのめり込んで成功していったか、の物語が多かった。こどもながら、普通に学校行ってる?自分は、普通のものにしかなれないと悟ったものだった。
    のめり込んで何ごとかなした人を集めて論じる気楽さを、今は共有できない気分で、だから評価3、とりあえず。

    0
    2020年08月12日